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UXリサーチは誰のもの?

こんにちは、ソウゾウでデザイナー/UXリサーチャーをしているpeachです。
今回はこちらのアドベントカレンダーに参加すべく、4年ほどROM専だったnoteを引っ張り出してきました。

12/23の投稿です。

さて、UX〇〇というのがバズワード化している昨今ですが、「UXリサーチをやってみたい」というデザイナーさんからのご応募をいただくことが増えてきました。その度に私は「なぜ、今の環境でUXリサーチをやってみないのだろう?」と感じていましたし、時には今の環境で出来るリサーチ方法について相談に乗っていました。(弊社に来て欲しい想いは伝えつつ…)
また、社内の人に私のリサーチ結果をシェアしたときには「良くまとめられていますね、どこからの依頼ですか?」と聞かれて「特に誰からも依頼されてないです、自給自足ww」と答えることもあります。
そこで、自分の想像以上にUXリサーチというものは特別だったりハードルが高いものだと捉えている方もいることに気付いて、「自給自足でもいいから、気軽にリサーチしてみよう!!」というメッセージと、それを広げるTipsをお伝えしたいと思います。

ソウゾウでどんなことをしているのか、なぜソウゾウなのか、UXリサーチ立ち上げ奮闘記を詳しく読んでくださる方はこちらをご覧くださいませ!


デザイナー兼リサーチャーのメリットとデメリット

はじめに、私は専業でUXリサーチ業務をされている方を尊敬しておりますし、やはりリサーチ手法の幅や学術的知見などなどレベルが違うなと思う部分も多々あると感じています。
が!それで諦めるのは勿体ない、やってみれば成果の出るリサーチもあり、有益な知見も得られるのでは?と思っているので、私が感じるデザイナー兼リサーチャーのメリット・デメリットもお伝えしたいと思います。

メリット

  • 一気通貫でPDCAを回せる、小さく早く動ける
    企画、デザイン、UXリサーチ、修正、場合によっては実装完了、リリース完了からのUXリサーチ、修正…と一気通貫で最初から最後まで永遠にPDCAを回せてしまいます。メルカリShopsのサービスサイトなんかはその流れで作成されています。
    また改善フェーズで実際にあったケースでは、施策の数字が落ち、データだけでは分からず悩んでいるメンバーもいたので、アンケート配信やインタビューで自分とメンバーの仮説をぶつけました。そして得られた回答を分析し、小さな改善をすることで明確に数字改善に繋がりました。ディスカッションや壁打ちはよく行いますが、実働する人が少ない分自分で時間調整できますし、小さく早く動くことが出来ます。

  • 視座が上がる(ユーザー視点×ビジネス視点)
    ユーザーファーストなものづくりをするために転職していたこともあり、過去のマネージャーたちには「ユーザーファーストなのはそのままでいいけどビジネスに興味持って」と言われていました。最近はリサーチをすればするほど事業の数字にも興味を惹かれますし、仮説を考えるのが癖になりました。「なぜこの数字が悪いんだろう?」「この体験作りのためにこの数字が必要なんだ、ではどの優先度でやればよりお客さまがハッピーかな?」とデザインに集中していたときには見えてなかった部分が徐々に見えるようになってきました。今では依頼者の背景やその向こうにいるお客さまを想像して考えることができるようになったと思います。

  • 視座が上がる(デザイナーとして)
    「自分のデザイン、全然刺さってない〜〜〜〜!!」という時が最高の瞬間です。
    リサーチを始める前は、デザインを否定されると少しムッとしてしまう時もありましたが、利用されているお客さまに直接言われると「そうなんだ〜〜〜!!」と宝物を発見したような気持ちになりますし、どんどん求められているものに近づいていくような感覚が勝ってくるんです。そして自分の不要なプライドが小さくなっていくことで見えるものが変わり、成長を感じられました。良い意味でこだわりも少なくなり、より良いユーザー体験に出来るのであればどんな仕事でも良いなと思えるようになりました。

デメリット

  • とにかく時間がない
    やはりデザイン業務をしながらリサーチ業務も行っているので、時期によってどちらに比重を置くか調整しながら進めている状態です。なので最大のデメリットはとにかく時間がないこと、それに尽きると思います。
    時間がないことによってリサーチスキルを深ぼったり学んだりする時間も少ないわけですし、リサーチする回数も少なくなります。リサーチは想像以上に時間がかかり泥臭いことなので(逆にいうと時間をかけて泥臭いことをちゃんとやれば成果は見える)時間との戦いです。

デメリットをどう解決するのか?

色々手段はあると思いますが、私の場合はリサーチができる人を増やす仕組みづくりを行っています。「依頼したいけど忙しそうで出来ない」と言われることもあり、依頼者が直接リサーチ出来る仕組みが必要だと感じたからです。出来る人が少ないとボトルネックになってしまいますが、今ではデザイナーに限らずBizDevやPMの方も様々なリサーチを実地していたりします!

実際に行った仕組み化は以下3つ

①行ってきたことを仕組み化する

初回のリサーチからやることリストをTODOとして全てスプレッドシートに保存し、次にリサーチする人がやりやすいように考えながら順番を組み替えて保管していました。順番に行えば一通りできるTODOリストになっています。またテンプレ化できるものは全てdocsなどでテンプレとして保管し、コピーして使えるようにひとまとめのフォルダに入れています。

②虎の巻を作る

ソウゾウUXRくれ!

とにかくリサーチをやりたいと思っている人が私に依頼できないという理由で止まらずに済むように、気軽にUXリサーチできるようにSlackで呼び出せる虎の巻が出るようにしました。リサーチをやると決めたあとに、一番最初に知りたいところを想像してまとめつつ、グループ間のリサーチャーと協業しながら注意すべきことやルールなどもまとめています。

みんなで作るTips集

虎の巻には自分が初めてリサーチをするとき戸惑ったことを元に、新たにリサーチにチャレンジしているメンバーに分かりづらいところはなかったか質問しながらアップデートしていっています。

③サポートする

サポートの様子
BizDevのsakuraさん(@sacra327)のリサーチが絶賛されている様子

基本的には最初に虎の巻やTODOリストの説明をして、分からなければ都度聞いていただいたり、アウトプットのアドバイスを行っていました。そうしてサポートしながら実際にリサーチを行った方が称賛され、ペインポイント発見や開発優先度付けに役立っている様子を見たときはとても感動しました。

そうは言っても恵まれた環境だからできたんでしょ?

と言われると、メルカリグループにはリサーチ文化が強く根付いており、現在は非常〜〜〜に恵まれた環境であることは間違いないのですが、元々私のUXリサーチとの出会いは前職まで遡ります。当時クライアントワークをやっていく中で、「今の進め方じゃ筋の良い提案・プロダクトにならない」と思い、本や記事などを読んで行く中でUXリサーチに出会い、ユーザーインタビューをしてみたり、クライアント先で出会った調査会社さんの資料を見てアンケートを作ったり、経験のある人にレビューをいただいたりしながら見様見真似でリサーチもどきを行っていました。
レベルの高いリサーチではなかったですが、アンケートやインタビューを何度もする中でコツのようなものは掴めましたし、やはりクライアントワークをする中で”ユーザーの声を直接届ける”というのは格別にクライアントに響き、デザインや提案がスムーズに進んだことを覚えています。

こちらは昔の私が見様見真似でデザインスプリントにユーザーインタビューなどを取り入れた初々しいレポートです。(今見返したら挿入されてる画像がガビガビや…)

ちなみに当時はPM未経験且つリサーチ未経験の人もガンガンインタビューして、調査会社さんにアンケートお願いしてましたし、「やったことないからやらない」という人もいなかったので、冒頭の「なぜ、今の環境でUXリサーチをやってみないのだろう?」という問いになったわけなんですね。

UXリサーチは誰のもの?

私は、UXリサーチは誰がやっても良いもので、誰かに依頼されなくとも必要だと感じた人が自由に使える手段の一つだと考えています。学術的にも手法的にも奥深く、専門家にしかできない深い問いや分析、手法の数々はありますし、調査する人によってインプットの差というのはどうしても生まれてしまうと思います。
ですが、そこまで本格的なリサーチをいきなり目指しても実現できるものではないですし、小さく始めて効果を実感して行く中で、深く広い知識をインプットしていけば良いのではないでしょうか。

自分が今抱えている課題があるとして、それを解決するために使える手段がUXリサーチなのであれば、試しに1度だけやってみませんか?

1度やってしまえば2度やるハードルは下がりますし、周りも「あ、peachにも出来るなら自分にも出来るかも」といった感じでどんどんリサーチする人が増えて、色々なリサーチが活性化しやすい環境になっていくように思います。
しかも、自給自足で失敗するのであれば誰にも迷惑かけないですし、失敗しても学びはあるし、なにか得られたらそれだけでも大成功ですよね?

それでも勇気が出なくて踏み出せないなあという方、ご自身のお得意な何かと掛け合わせて、私とソウゾウでUXリサーチを一緒にしませんか?
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