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あったかい企画には材料がひつよう

今日は企画づくりについて、僕なりにまとめてみたいと思う。

広辞苑で企画を調べてみると

計画を立てること。また、その計画。もくろみ。くわだて。

と出てくる。

また、世の中には企画を体系的に学ぶ本やスクールは数多くあり、テクニックとして多くの人が身につけたいと感じていることが分かる。日経ビジネススクールの講座を「マーケティング・企画」で絞って検索してみると21件もあり、一番高い講座は2日間で91,300円。企画力を身につけたい人は、このような場に積極的に投資していくのだと思う。

日経ビジネススクール(企画・マーケティング)

ここからはあくまで個人的な経験と考えをつらつら書いていきたい。

僕は仕事で企業の新規事業開発に関わっていて、それこそ企画畑をバリバリ歩んできたかっこいい人たちとご一緒することが多い。いろんなフレームワークを知っているし、むずかしい言葉も多く知っているし、辞書ですか?というくらい事例も多く知っている。そんな方たちと仕事をするのは勉強になるし、刺激的だけど心がいたくなることもある。

なぜかというと、自分の知識のなさや歩んできた道のどろくささが恥ずかしくなるから。大きな会社のプロジェクトで表彰をされた人、会社を上場させた人、誰もが知っているサービスを生み出した人などと自分を比べてしまうと心がいたくなる。はじめの頃はミーティングの度に自尊心が低くなっていたのだけど、今は自分の立ち位置を明確にできるようになってきて楽しく仕事ができている。

■「ひとにかかわる」ことが企画の一歩目
僕は道端で重そうな荷物を抱えている高齢の方を見つけると必ず声をかける。電車の中で困っていそうな方にも声をかける。言いたいことから少しズレるが道端に落ちているゴミは拾うし、道路に小鳥や小動物の亡骸があれば植え込みの近くにそっと移動させる。

別に僕は善人でもないし、積極的にボランティアに参加するような人間でもない。ただ、目の前で起きた自分が介在することで良くなりそうなことには積極的に行動することは小さい頃からやってきたと思う。そんなことをずっと続けているうちに、町の中で起きる出来事や人が困っているシーン、喜ぶ表情などをイメージできるようになっていた。町の中で暮らす人をリアルに妄想できるのである。

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僕はUR(都市再生機構)の団地に住んでいるのだが、エレベーターの中で出会う人と話す機会も多いし、年齢も性別も国籍も全然違う近所の方々とも井戸端会議をする。スーパーやコンビニに行った時は毎回ではないけど店員さんに話かける。近所の公園に子供を連れて遊びにいくときには親同士で会話をする。

そんな日常を送っているので、企画を考える時には生活者のイメージはリアル。一般的な市民を巻き込むための企画であれば、温度感があるシーンを想像できるし、かたちにもできる。つまり生活の中で意識していることが企画をする際の材料になる。

実はここの材料があることが一番大事なポイントだと僕は思っており、材料があれば組み合わせ次第で企画になるのだが、材料がない状態で企画はうまく作れない。僕はね。

■だれのどんなみらいを創りたいか
急に各論に入るが、企画の中で大切にするポイントは「だれのどんなみらいを創るか」。
この「だれ」が明確になっていない企画はかたちになることが少ない。会ったことのない「だれ」を想定するよりも、日常で出会うひとたちの未来をつくった方が楽しいにきまってるので、僕は日常で出会う人たちとの接点を多くつくるようにしている。

今日は企画について書いてみたけど、スキルを専門的に学びたい人は専門書やスクールに通って学んだ方が良いと思う。しかし、それだけで企画が作れるようになってる人は見たことがない。みんなそれぞれの日常で出会うひとたちの具体的なイメージがあって企画にしてるんだと感じる。お金をかけて専門的な知識を身につける前に、まずは玄関から一歩出たときに出会える可能性がある町で生活する人たちとのコミュニケーション(観察でも可)を通じて、自分の中の材料を増やすことをしてみるのもいいかもしれません。

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