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【全国高校生マイプロジェクトアワード全国Summit】ホームチームでのファシリテーターを終えて

3/19(金)~3/22(日)までの3日間、全国高校生マイプロジェクトアワード「全国Summit2020」ホームチームのファシリテーターを務めてきた。

マイプロジェクト、全国Summitって何と言う方は、以下のサイトをご覧いただきたい!

その中で、特にホームチームでは何が起きていたのか。自分なりの振り返りも含め、まとめることを試みたいと思う。

今回のファシリテーターの立ち位置

今回のファシリテーターは、「学びの祭典」である全国Summitで、高校生の学びを最大化することだと私は理解していた。そう考えると大事にしないといけないことは、学ぶための「振り返り」、「声を聞く」、「問いかけ」の3つの機能ではないか、と思って始めた(当初から言語化していた訳ではない)。

また、今回のSummitでは、全体やブースでの発表・質疑応答のセッション、全体での振り返りのパートも多くある。そう考えると、ホームチームは、やはり「家」、具体的には「お帰り!」「ただいま!」が言える場所だろうという仮説を持って臨んだ(これも後付けの振り返りである)。

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さらに、今回は、用務のため途中参加の高校教員である、かっしーも含め、大学生のほのちゃんと3名でやるという体制なので、豪華なファシリテーションが可能になる。と言う事は、ファシリテーター同士の「関係性の質」が鍵になるだろうな、とも考えてた。

要は、学ぶための「声を聞く、振り返る、問いかける」、ホーム感、そしてファシリテーター同士の「関係性の質」を担保するというのが自分なりに留意したことではあった。

本番までの事前準備

今回の難しさは、関わる大人の「関係性の質」を上げるにしても、オンラインでしかコミュニケーションができないことにあった。しかもみんな現場があり、学業もある。

ということで、運営側に無理を言って、3名をつなげるグループを作ってもらって、事前にチャットのやり取りでお互いに分かり合えるような状況を作った。

また、途中参加のかっしーが浮いちゃう、あるいは安心安全感が少し薄らぐリスクを考慮して、動画で1分くらいの応援メッセージをもらっておく準備もしておいた。

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オンラインでファシリテーションする時に大事にしていること

実際のところ、通常のファシリテーションとオンラインのファシリテーションは本質的な所は同じノウハウで行えるが、細部では異なるところがあると思う。

そういうノウハウを蓄えてこれたのは、島根大学が主催するオンラインハイブリッドのリカレント教育の機会へ4年くらい携わって来たからである。今年度は、島根大学の「社会教育士講習」へ引き継がれた。

その成果レポートの中に、仰々しいが、私の「ICTを活用したオンラインハイブリッド型の学びの可能性」というインタビューがあるので、参考までに貼っておきたい。

私が大事にしていることの1つ目は、オンラインにおいては、「自信を通常の場以上に持つ」ということだ。これは、隠岐國学習センターのセンター長を長く務められた豊田庄吾さんから聞いた極意を参考にしている。

それは、オンラインだと、相手の反応が見えにくい。しかも、不安な気持ちや表情等ネガティブな情報は伝わりやすい。なので、自信を持って最大限やることが一番できることなのだ、というお話しだった。

これは、留意してみたら、とても良かったし、実際反応がなくても、相手は満足していることが多いということも後から知ったので、とても重要な示唆であったと思う。

次に大事にしていることは、「言語化して、問いを出すこと」、それを繰り返し伝えることである。どうしても言語コミュニケーションが優位になるので、「何となく」「こんな感じ」みたいなリアルのファシリテーションでの問い出しや雰囲気作りは難しい。なので、言語化して、問いをきちんとチャット欄なり、画面共有の資料なりで出すことはとても大切だ。

最後に大事にしているのは、「躊躇するくらいなら、積極的に役割を取りに行って動く」である。オンラインでは、表情も反応もないし、読み取れる情報も少ない。そこで動かないと、フィードバック回路が生まれないので、「自分がやってもいいのかな」と思わず、積極的に役割を超えて取りに行って動くことが大事だ。もちろん私がすこぶるオンラインの場が得意であるということ、空気を読まずにズバズバ言えるという特質があることも、これには大きく影響している。

3/19(金)Kick Off Day

まずは、ほのちゃんと丁寧な打ち合わせや役割分担、留意事項の確認をした上で、お互いのファシリテーションでの得意・不得意を共有してから臨んだ。

その後全体セッションの後、ホームチームのワークへ。

ここではまず、次の日にある発表会での1分間での補足説明や想いをぶつけるショートピッチがあることを考慮し、以下のような問いでのチェックインから始めた(ちなみに、自分で簡単な投影資料作成をしたのもいい工夫だったと思っている)。

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その後、自分から3日間で大切にしたいことは何かを考えるために、自分だったらこうするというスライドも出した上で、チャット欄に書いてもらって、対話も行った。

大事にしてほしいこと

その上で、ホームチーム名とホームチームアクションを決めた。とりあえず、東北とか北海道が多いし、私も新潟出身なので、「チーム・スノーワールド」となったと思う。

また、ホームチームアクションは、それぞれから出て来た、楽しむ考えるを踏まえて、「エンジョイシンキング!」に決めて、ポーズは楽しむって言うのを具象化した、ラッパーポーズに決まった(笑)。

エンジョイシンキング改訂

最後は、チェックアウトで、「明日以降得たい学びは?」を話し合って、終わった。

全体として、目的意識がはっきりしていたし、学びたいことやお互いのリスペクトの姿勢が非常に高いということを実感できたのが良かった。また途中での機材トラブル中に、ほのちゃんがサポートしてくれたり、無茶ぶりをこなしたりしてくれたのも嬉しかった。

3/20(土)Day1

この日は、すべての出場プロジェクトが発表する日だ。前の日に、「緊張しています」等の声も大きかったので、最初から「この場に期待すること」というのを出したり、「学びこと」を出すより自然とエールを送り合える感じにしようと思った。これは、ほのちゃんとかっしーにも共有した。

問いかけ

あとは、以心伝心ゲームをほのちゃんにもやってもらって、ゆるく緊張を解していった。

驚いたのは、会ってまだ4時間くらいしか話したことがないのに、自然発生的に励まし合いプロジェクトやその高校生のキャラを踏まえた声かけがあったこと。これは、本当の意味でチームになれるな、と思った。

その後、全体での生中継番組とも言える完成度の全体会場との掛け合い、ブースのファシリでの8プロジェクトの発表と進んでいった。私は、ブースファシリも兼務したので、ほのちゃんとかっしーに、ホームチームのプロジェクト発表全てを見に行ってもらうというのもやってもらった。

最後の夕方の時間。ここは、ファシリテーター3名で相談した上で、各プロジェクトの望むテーマごとのセッションにして、ブレイクアウトにしてもらった。今後にどうつなげるのかという問いのチームと、プロジェクトを含めた学び全体の振り返りのチームに分かれた。

私は、今後にどうつなげるのかチームをほのちゃんと関わったが、その中で進路の希望や悩み、過去の自分とプロジェクトをやり切れた自分との関わりはどうだったのかを探究した。この辺は、時間も足りなかったので、いささか強引にまとめなきゃいけなかったことを反省している。

最後に、学びを流さないように、溜めて記録をとって、振り返ることの大切さを話して、Day1が終わった。

3/21(日)Day2

朝のチェックインでは、前の日からのファシリテーター同士の振り返りを踏まえて、発表も質疑応答も「すごい!」んだけど、じゃあ「どうすごいのか?」「何を参考にできるのか?」を考えようと言って、1日が始まった。

うちのホームチームからは1つのプロジェクトが代表プレゼンテーションの6つに選ばれた。一方で、2つのプロジェクトは選ばれていない。

その中でも、振り返りや気持ちの吐きだしの中で、学びを最大化しようと考えて、1 on 1で2つのプロジェクトと対話を20分間程度行った。そこでは、参考になるプロジェクトは何だったか?などを共有しながら、自分たちが何を得て、これからどうしていきたいのか具体的な話も出たように記憶している。

その後、代表プレゼンテーションが始まった。

うちのホームチームから選ばれたプロジェクトは、質疑応答で、さっそく昨日の対話で出てきた、「負けず嫌い」というキーワードを使って答えていた。深掘りした甲斐があった。こうやってすぐ言語化したものを活かせるというのは、学びの姿勢の賜物だと言えるだろう。

結果が分かり、文部科学大臣賞などの受賞が決まった後の最後のチェックアウトの所。ここは、どういう学びを活かしたいのか、次どうしたいのかという話だけで終わる予定だった。

だが、直前の代表プレゼンテーションでインスピレーションを得た「つながり」というキーワードで、最後の時間に、「じゃあ、このホームチームがつながり続けるための心がけや意識、具体的なアクションって何だろう?」と問いかけられた。

プロジェクトのことを共有して行こうだけではなくて、高校生から出てきたのは、「何気ない写真」や「地元の写真」を送り合おうというものだ。これは、既にLINEのオープンチャットでアクションに転じつつある。素朴な何気ないコミュニケーションがきっと「つながり」を絶やさないようになると思う。

まとめに代えて

総じて、自分としてはファシリテーターとして、ホームチームをチームにしながら盛り上げることには貢献できたと思う。さらに言えば、「関係性の質」を大事に、チーム全体で出来たことは嬉しい。

オンラインの場の面白い所は、終わった感じがしなくて、続いていきそうな気がするところにある。つまり、信頼した者同士の「つながる」ことの容易さをインターネットは担保しているのだと思う。もちろん、そのつながりの基盤があれば、学びも続いていくのだろう。

最後に、やっぱり私は人と関わって、対話して、何か学びを得れて、感じて、言葉にするみたいなことが好きみたいだ。そして、何より私は、人を信じていきたい。それこそが良い「つながり」を未来へ向かって拓いているという小さな確信を持てたことも今回大きい。

学びを一緒に創れた、ホームチームの同志6名すべてに「ありがとう」と言って、この振り返りを終わりたいと思う!

ありがとう!!

そして、またね!!!

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