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新入生へのおすすめ本part5~衝撃を受けた小説

今回は、私が衝撃を受け、未だに会話の中で例示に使ってしまう小説たちをご紹介します。この小説を読めば、想像力と社会批評の力は、身につくと思います。舞台の時代順に、お届けしましょう。

①浅田次郎「シェエラザード」
第二次世界大戦末期が舞台のこの作品。

米軍の攻撃により沈没した弥勒丸に積まれた金塊をめぐる争奪戦とそれとは別にあった乗員乗客の運命。真実が明かされる時は、涙が溢れてきます。

また、音楽性が豊かな作品のため、CDを買いたくなること、間違いなしです。

②三島由紀夫『金閣寺』

時代は下って、第二次世界大戦後です。

実際に起きた金閣寺放火事件をモチーフに、三島が「犯人」の心理描写を試みた作品。その緻密な描写は、迫真のものです。誰の中にもある破壊衝動が露になる時、背筋が寒くなります。

あなたは、「犯人」になり得ないと言い切れるでしょうか?

③宮部みゆき『模倣犯』
またまた犯罪物ですが、舞台は現代です。

超長編小説ですが、一気読み間違いなしです。トリックや展開がばれるので、詳細語れません。宮部みゆきのプロット構築力&人物描写は、まさに圧巻の一言。

小説好きならぜひ手に取るべし。

④村上龍『希望の国のエクソダス』
村上龍が、現代の日本を予言したと言っても過言ではない傑作です。

エクソダスは、「脱出」のこと。ある日、日本中の中高生が不登校になり、起業や運動を開始する。そして、日本や世界に「デジタル・ネイティブ」としてチャレンジを開始、新しい未来を作り出す、という作品です。

村上龍の冷めた目線が最後にスパイスのように効いてきます。

⑤村上春樹『世界の終わりとハードボイルドワンダーランド』
最後は、やはり村上春樹です。舞台は、近未来だとされています。
 
これは、解説不可能!読まないと、この世界観は分かりません。しかし、「セカイ系」を先取りすると同時に、2つの「愛のカタチ」を描いています。

村上春樹が今日的な作家になる際のターニングポイントとなった長編小説と言えると思います。ラストをどう解釈するか?はあなた次第です。


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