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自然が近いという事

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ドライブで今朝立ち寄った近所の川です。
こんにちは。夫のDantoです。

北海道の道北に移住して1ヵ月が経ちました。

この1ヵ月の間、外に広がる自然は目まぐるしく変化しました。
全面真っ白できらきら輝いていたあの雪は全て溶けて、緑の中に色とりどりの花が咲き誇っています。

私は今までにこれほど季節の変化や天候の変化を体感したことはありませんでした。
自然が作り出す循環のダイナミズムを感じること。
「ただその中で生きているだけ」なんだ、というシンプルな答えが頭に浮かびます。

ここにある身近な自然

雪の景色は真っ白です。

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春になると緑の景色に変わります。

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水芭蕉も咲いています♪

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そしてなんといっても空。
この町の空は近くて、変化が激しくて、美しいです。
私がこの土地を好きな理由の一つです。

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移住の決断

以前の私は、多くの人がそうであるように、都心に満員電車で通う生活をしていました。

何かがおかしい、、、。
まるで映画「マトリックス」の中にいたネオのように、私はそんな感覚をずっと持ってきました。

「なんのために生きているんだろう」
「自分の居場所はどこなんだろう」

その答えをあてずっぽうに定義してみたりもしました。
でも何かがおかしい。充実感がない。

情報はあふれていました。
色々な人が色々なところで、色々な答えっぽい事を言っている。
その中には私が探している答えは一つもありませんでした。

毎日相当な量の仕事をこなし、その仕事に忙殺されて、私はとうとう倒れてしまいました。私には療養が必要でしたし、人生の転換期だろうと思いました。

私達夫婦には「Peace Piece」という空間を作りたい、という長年の夢がありましたが、その夢の実現にも繋がるだろうという事、また、子ども達にとっても良い環境になるだろうという事で、思い切って移住を決断し、新しい土地で新たな生活を始めているという次第です。
この町への移住という決断から実際に移住するに至るまで、多くの紆余曲折がありましたが、何とか落ち着いた生活が送れるようにまでなりました。
何よりも、突き進んでくれた妻に感謝です。

シンプルさと感性

移住を考える上で、私たちにとって重要な事の一つが、移住先の土地がどれだけ「自然に近いか」ということでした。
できるだけ自然に近いところで、シンプルな生活をしてみたい。

「Peace Piece」では、畑や音楽や編み物や絵画などを通じて、人々が自分らしい生活ができる空間を実現したいと思っていますが、これらのものづくりにとって重要なのが「感性」です。

大きな自然が近くにあるということは、我々の「感性を鍛え」てくれているようにも思っています。

これは私の仮説ですが、「感性は複雑性ではなく、単純性の中で鍛えられる」事が多いのではないでしょうか。人の意図が複雑に盛り込まれた現代の「情報多寡社会」の中では、自分がそれに対して何を感じたのかを探るのは至難の業です。感性や判断でさえ、情報自体が答えを持っていたりしますよね・・・。例えばぐるめ情報サイトでどこが美味しいお店なのかを探るというように。

一方、自然にはとてもシンプルでダイナミックな現象と答えがたくさん存在しています。そこには人間界のように複雑な意図は溢れていません。

例えばこの町の今の季節の空はこんな感じです。

晴れた日、遠くから雲の大群がゆっくりとやってきて、空を覆いつくし、雹が大量に降ったかと思うと、太陽が顔を出し、熱い日差しが降り注ぎます。

町の周りには360度、山々に囲まれているので、変化の激しい空がいつも様々な表情を見せてくれるのです。

全て理由があり、とてもシンプルです。

恐怖という感性

例えば恐怖というものも、一つの感性だと思います。

冒頭の写真は今朝撮影した近所の川ですが、この撮影、周りをきょろきょろしながら常に「恐怖感」を持ってやっていました。何故かというと、それはヒグマです。冬眠から覚めたこの時期、特に朝と夕方は注意が必要です。

また、昨日近所でヒグマの目撃情報が入ったばかり。

ヒグマ対策としては、車でクラクションを鳴らしたり、大声を出したりして、人がいることを知らせてから河原や山に入っていきますが、こんなことは私の今までの生活では考えられなかったことです。もちろんこの町で生まれ育った人にとっては当たり前のことですが・・・。

私達は、かなり以前より北海道を移住先として考えていましたが、北海道では、どこにでもヒグマがいます。「ヒグマがすぐ近所にいる」という事をどのように捉えるのか。当初それは、ただの危険な状況のように考えていました。

ところが、こちらに来てから、恐怖が自然の中に存在するという事は当たり前のことだ、と考えるようになりました。

自然の中にある恐怖はそこに生きる動物に警戒を感じさせ、何らかの対策を考えて、行動に移させます。この循環こそが感性を鍛えることにつながっていきます。

自然の中に入り、直接五感で美しさを感じたり、恐怖を感じたりすることは、ゆえに感性を研ぎ澄ましていく最良の方法のように思います。

今を大切に

我々夫婦もそうですが、子ども達も気づかぬうちにダイナミックな自然の恵みを受け取り、色々と感じ、考えることが多いようです。

この町に来てからは、過去と未来へ思いをはせるよりも、目の前の今を大事にすることが増えてきたように思います。

今この瞬間に自分を研ぎ澄まして楽しみ、過去には後悔ではなく感謝を、未来には不安ではなく希望を。

毎日を大切に過ごしたいと感じています。

それではまた。

2022年5月12日

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