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転職前に出会った大切なこと

さて、写真を仕事にしたいと思ったものの、
どうしたら良いのかさっぱりわからず、近場でブライダルスナップをやっているところがないかネットで探しました。

ひとつ見つけて(メインは子供のスタジオ写真の会社でした)面接に行き、まだ未経験であることと、ブライダルスナップをやりたいと思っていることを素直に話しました。

そして、面接の最後に、「うちはブライダルスナップはもう辞めちゃったからやってないんだよね。それでも良い?」と聞かれました(゚o゚;;

私は、実はブライダルスナップしか考えていなかったので、えぇーーー!?!?っていう感じでしたよ笑

でも、写真の基礎を学びたいと思っていたし、いろんな写真のことも知りたかったので承諾しました。

もっと正直に言うと、全く未経験の自分を取ってくれるはずがないと思っていたので、もし断って次を探した時に見つからなかったら…とも思っていました。

子供のスタジオ写真も、やってみたら面白いかもしれない!子供の接し方もよくわからなかったけれど、挑戦すると決めました。 

採用の連絡を頂いた時は本当に嬉しくて、その日が人生で最高の日なんじゃないかと思ったくらい。よし頑張ろう!と言う気持ちでいっぱいでした。
 
 
そして転職をするのに1ヶ月間空けて、当時被災から2年だった岩手県沿岸(宮古市〜陸前高田市)を巡り、リコーダー演奏で心の支援を行う活動に参加しました。

震災直後から地元でのチャリティーコンサートを開催していて、一度自分で東北を訪れてみたいと思っていたのです。

もちろんカメラも持って。


みんなで楽しい時間を過ごした瞬間をファインダーから覗きながら、感動しながら捉えていく。

言葉にしてしまえば、簡単に淡々と聞こえるかもしれないけど、その活動を通して得たものは、自分が覚悟していたより遥かに衝撃的でした。


当たり前と思ってる日常が奇跡なんだということを、景色から、聞かせていただいたお話から突き付けられました。そこで出会えた笑顔を撮ることは、私にとって今までになく責任重大な事だったんです。



 
ー 今この瞬間を、この空間の空気ごと撮る ー

そのことの責任と素晴らしさ。

当時は言葉にすることもできないくらいにウワーッと感じたのは忘れられません。帰りのバスに乗り込んですぐに号泣して、しばらく涙が止まらなかったくらい。
 

震災があって、何か力になりたいけど、
こんな自分に何が出来るんだろう。


そう思ってきたけど、リコーダーと写真を通じて、私にも出来ることがあった。
出会ったみんなの笑顔に、自分が与える事が出来た以上にすごく勇気をもらえた2週間でした。
 
 
活動期間を終えて地元に戻ってきた時、衝撃が強すぎて、身体は帰ってきてるのに、どこか気持ちが帰ってこられなかった。

今すごく頑張っている人たちがいて、そのために私に出来ることもある。でも今は出来ないし、ここで新しいことを始めるのに集中する時。ここでは普通の日常があって、私は何不自由なく生活できている。

そのことに罪悪感があったんだよね。
 
私は、写真を通して何がしたいんだろう。
そんな思いが渦巻き始めます。
 

その状態のまま、
写真スタジオに入社しました。

続く

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