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しあわせのシルシ 後編

(性的な表現を含みます。18才以下の方は、数年後か十数年後にまたお越しください。)

(イヤホンを装着の上読んでいただけると、とっても嬉しい。)










ネクタイをとったシュウは、私を抱き抱えながらキスをして、雲みたいに柔らかなベットに私を横たえた。


彼はシャツを脱ぎ、私の目を見て、髪を撫で、頬を撫で、抱き締め、ゆっくりとまたキスをする。


シュウ、二ヶ月ぶりなんだから、別に激しくしてもいいんだよ。我慢しなくていいんだよ。いいんだよ、私にぶつけても。そう思うけど、彼はゆっくりと順番に私に触れていく。私を目で見つめ、手で観つめ、唇で、舌で味わってる。私の身体中を弱く走り回る電気。意識が何度も途切れそうになる。やばいよシュウ。なんかもう、無理かも。

彼はゆっくりと、包み紙を丁寧に開けるみたいに、時間をかけて私を脱がせていく。下着だけにされ、お互いに座ったまま抱き合う。肩を撫で、手を握り、首筋を舐め上げられ、背中を爪でなぞられ、お尻を掴まれ、耳を噛まれる。その度に声が出る。私はシュウにしがみつく。

シュウの息づかい、私の息づかい。遠くで鳴るクラクション。シュウとのキスの奥に、お店でシュウが飲んだエスプレッソの苦味が感じられる。全部が、私を刺激する。

この部屋では、二人の唇が、指先が、息づかいが、漏れる声が、放つ匂いが、唯一のことば。

彼は背中にキスをして、ブラを外し、後ろから私のふたつの胸を包んだ。足の親指の先から、髪の毛の先端まで、全身がぞわぞわする。次に何かされたら気を失っちゃうんじゃないかと思う。そんなぎりぎりの状態。まだ、キスされたり、体を撫でられてるだけなのに。

彼は私の核心には触れてくれない。気を失いそうなのに、私の体は彼を切実に求めてる。もう、とうに私は溢れてる。彼が下着の上から私に触れるだけで私は泣きそうになり、震える。

彼はズボンと下着を脱ぐ。脈打つ彼を、私は口に含む。彼の鼓動を、熱を、匂い立つ雄を、唇で、舌で、歯で感じる。私は目を瞑る。もうくらくらする。

佳那、もう無理、ごめん。

彼は私を仰向けに寝かせ、私の下着を脱がせる。溢れた私が、お尻を伝う。そしてもう私は、事が終わったあとのようにぐったりしてる。でも私の体は、切実に誠実にいじらしく、彼を待ってる。待ちわびている。

彼がゆっくり、私に入る。

荒い息のまま、動かず、二人を味わう。シュウの重みが私を包む。

髪を撫でられるだけで、声が出る。唇を吸われる度に、胸を舐められる度に、星空が見える。彼がゆっくり動くと、彼の先端が私の奥に口づけしているみたい。私の中身を溶かされるように、私は何度も果てた。

激しく動き始めた彼も、私をきつく抱き締め、大声で果てた。彼にしがみつく。意識がなくなる。シュウにしがみつく。シュウもうわかんない。私とシュウの境目がわからない。もうわかんない。








眩しい。




薄目をあける。




朝の光。




バーカウンターに上半身裸のシュウが座ってスマホを触りながら、なにか飲んでる。コーヒーの香りがする。

大きな窓。あ、そうか、大阪のホテルにいるんだった。

窓の向こうに、たくさんのビル。ビルの隙間から朝日が見える。眩しい。左手で太陽を遮る。指輪が、ちりんと光る。朝日を浴びるつららの滴のような、そんな石。私はその小さな石を見つめる。そっか、昨日の事、夢じゃないんだ。いろいろ思い出して恥ずかしくなる。指輪の向こうに、シュウの背中。自然と私の頬は緩んだ。


幸せは、未来には、ない。

ふと、そう私は思った。

幸せはたぶん、今にしかない。

眩しくも暖かい日差しで目覚め、コーヒーの香りを感じて、恋人の背中を見てぼんやりする。清潔なシーツの心地よい感触。身体中に残る、彼との夜の名残り。昨日は戻らない、明日はまだ来ない。幸せは、今にしかない。理由はないけれど、突然私はそう思った。


彼の背中を見ながら想う。

彼は、私を支えたい、応援したいと言う。そして私に、「ごめんね」すら言わせようとしなかった、彼の大きな暖かい想い。

じゃあ、私は?私は彼の、なんだろう。彼に、何が出来るんだろう。たぶん、それを彼に聞けば、「いるだけでいいよ」って言いそう。じゃあ、



じゃあ、私は、彼の、傘になりたい。

彼はこれから、様々な場面で昨日みたいに長い時間をかけて悩むのかもしれない。私との事でも、仕事の事でも。優しいから。強いから。だから、悩むと思う。そんなとき、そっと傍に立って、ほんの少しだけ、彼が濡れないように守りたい。






一緒に、居たい。












ねぇ、シュウ、私、実はまだ誰にも言ってないけど、夢があるんだよ。出世とか、そういう事じゃなく、やりたいことがある。昨日、堀さんと佑子さんのお店で、それが、その思いが、大きくなっちゃった。決まっちゃった。






私、挑戦したい。







「シュウ、おはよ。」

「おっ、起きた?おはよー。コーヒー飲む?淹れようか?」

シュウは私に笑いかける。

「ううん。まだいい。ありがと。・・・ねぇ、こっち来て。」

なになにどうしたの、シュウは私の横に滑り込み、私の首の下に腕を入れる。麦畑を見渡す農夫みたいな、優しい笑顔。

「ねぇ、実はさ、私、夢ができた。東京で働きながら、ずっと考えてたん。でも、まだ誰にも話してない。シュウに一番に聞いて欲しい。」

シュウは、私の髪を撫でながら、え、聞かせてよ、と優しく言う。








私は、話し始める。




窓の外、鳥が二羽、ふわりと青空へ翔ぶ。










朝日はまだ、眩しいまま。

















Special Thanks    Shimeji













Special  Thanks       Uta Mizuno














Special thanks    you!    Readers!!!













Special Thanks     & Dialect supervision 

❣  Yasuko Akiyama  ❣














Written by Dear anco bolo






































今日病院行ってきたよ
どっちかわかった

え!どっちだった?

女の子

ええええええ!!どうしよ!お風呂とか!一緒に入っていいのかな?

いやまだ早いでしょその悩み

ええええーーー!どうしよ!

まあ、沢っ山っ悩んでね、パパ

ええええー!まじか!そうか!

ねえ、女の子の名前!ちょっと考えてみたの

え?もう?そうなの??なになになに?

なんだと思う?

いやわかんないよ

2人で決めるから、まだ、案だよ?

うん

お世話になった人の名前
付けたいなって、思って

お、いいじゃん、佳那らしくて

うん、ヒントはね、Y

えー わかんない

早いよ諦めるの

えー だって佳那、交友広いじゃん

じゃあ最初の文字         やー

やー?わかんない。

すー

す?やす?


ひみつー!



いやそれ案になってないじゃん!



ひみつー!!


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