見出し画像

【52歳から自分らしく生きるために】転職を決断する前に考えるべきこと

アラフィフ責任世代の皆さん、今日もお仕事お疲れ様でした。

今日も会社で、こんな気持ちになりませんでしたか?

  • こんな理不尽な扱いを受ける会社なんて、もう辞めたい。この業界には嫌気がさしたから、別の業界に転職しようか。

  • 転職サイトに登録したら、毎日沢山の求人情報のメールが届く。この、【未経験者歓迎】っていう会社、もしかして自分も採ってもらえるかな。

  • 転職エージェントから、今の会社よりも良い年収の企業のオファーが来たから、応募してみようかな。

ある程度の期間、今の会社での仕事のさせられ方、人間関係、評価や処遇に対して不満や不信感を持っていると、思い切って転職しようかな。

と考えること、ありますよね。

巷では、

「今はもう、一つの会社で定年まで勤めあげるなんて考えは時代にそぐわない。」とか、

「今時の会社の寿命は、会社員人生よりも短くなっているので、これからは、現役時代に転職をしない人の方が珍しくなっていく」とか、

「50代からのハイクラス転職」、などと、まるで誰でも転職が出来る時代が到来したかのような情報が氾濫しています。

ですが、アラフィフ世代の転職の現実は、あなたが思っているほど明るいものではないかもしれません。

これは、私の2回の転職経験を通じて学んだことです。

梯子を外された1度目の転職

私の1回目の転職は、新卒で入社した社会インフラ業界の一部上場企業で16年目の42歳の時の事です。

業界トップのその会社の名前を聞いたことがない人は恐らくほとんどいないと思います。社員数数万人の会社の本社勤務を10年経験し、海外MBA留学経験有り、海外事業経験5年という経歴を持っていた私。

当時は、転職エージェントの担当者の説明で、転職するまでの平均的な期間は3か月程度です。と言われていたため、すぐにどこかそれなりの会社に転職出来るだろう。と、楽観的に考えていました。

しかし、すぐにその考えが甘かったと思い知らされます。

転職を希望した大手企業は、転職エージェントが提案した企業であっても、企業が採用活動で利用する適正検査「SPI」で落とされ、書類選考にすら進まないものあり、書類選考で落ちるものあり、ようやく書類選考を通過しても、その後の1次面接、2次面接で落ち・・・、といった具合で、全て不合格でした。

面接で不採用となる理由は、「あなたの業務経験は我々が求めているものと合致しない。」

というものでした。

私の勤めていた業界は、確かに「つぶしの効かない」独特な事業を行っているため、その業界の外に踏み出そうとすると、フィットする業務が見当たらない。という結果になってしまいました。

大手企業への転職のチャレンジに全て失敗し、そうは言ってもこのままいつまでもこの会社にいたのでは、自分のキャリアパスにおいて大きく後れを取ってしまうとの焦りがありました。

そんな時、ふと受け取った一通のメール。
それは、名前も聞いたことのない、社員数が200名にも満たない小さな技術コンサル企業でした。メールの送り主はその会社の社長でした。

早く今の会社から飛び出したい!と焦っていた私は、今にして思うと、ろくにその企業の分析もせずに、そのメールの文章に心を動かされて、すぐに返事をしてしまいました。

勿論、採用試験、面接を経た上で、採用通知を受領した訳ですが、入社した後で、多くの「やられた!」と自分の不注意を後悔する現実を見ることになりました。

一番の失敗は、当初聞いていた話では、

「これから新規事業を立ち上げるに当たり、それに現在関わっているメンバーと一緒にその業務を担って欲しい。」

ということだったにも関わらず、いざ入社してみると、その事業に携わっている社員など誰もいなかったのです。

結局、必然的に私が一人でその新規事業の立ち上げをしなければならず、その事業分野の先行企業とのコネクションもなかったため、私の古巣の上司に頭を下げて仕事を貰いに行くという、非常に屈辱的な思いをしました。

この会社には6年間在籍しましたが、結果的に最後まで私が立ちあげた事業分野のメンバーを確保することが出来ず、ずっと一匹狼で、他の会社からの仕事のおこぼれを貰うことで食いつないでいました。

会社からは何の協力も得られず、上司の役員からは、「もうこの事業分野は芽が出ないので撤退した方がいいのではないか?」という、私の存在価値を否定する発言をされ、もうこの会社に自分の居場所はない。と思い、2回目の転職に踏み切ったのです。

面接の時に感じた違和感は正しかった、2回目の転職

2回目の転職をしたのは48歳の時のことです。
今度は、前と同じような失敗を繰り返す訳には行かない。

そう思い、転職サイト経由でつながった転職エージェントの担当者からのオファー内容を比較検討し、企業数を少数に絞って応募しました。

うち1社はヘッドハンターからの特命案件ということで、紹介頂いた、某一部上場のメーカーについては、いきなり経営層との面接からスタートし、短期間で内定をいただきました。

次に、別の転職エージェントからオファーを受けた会社、こちらが今私が在籍する会社ですが、こちらについては一般の応募者と同じ、書類選考、1次、2次面接を経て、採用されました。

どちらの企業も、幾つか不安材料がありました。

最初に内定を頂いた会社の方が、実は提示された年収も多かったのですが、扱っている商材や、求められている貢献内容が自分にとって負担が大きいこと、そして何より、社内に自分と同じ分野の事を知っている人材がおらず、誰にも相談が出来そうにない、という点が、この会社からのオファーをお断りする一番の理由でした。

それは、一度目の転職で私が最も苦労したことだったからです。

そして、今いる会社について抱いていた大きな不安は2つ。

一つ目は、自分が、

「これは恐らく出来ないだろう。仮に出来たとしても、自分が現役の内には実現しない。」

と思っていた事業を担当させられそうだったこと。

二つ目は、面接官を務めた人物(これが、私が以前の記事でお話しているパワハラ上司です)の質問に違和感を感じたからです。

(その内容をここに書くと、個人を特定されてしまう恐れがあるので書きませんが。)

今にして思うと、あの時私が感じた違和感は間違っていなかった。そう思います。

40代以降の2度の転職経験を通じて学んだこと

私は40代で経験した2度の転職を通じて、次の事を学びました。

・アラフィフ世代の未経験の業界への転職はかなり難しいと考えるべき。

あなたが採用する側の立場で考えてみれば直ぐに分かることと思いますが、同じ未経験の応募者を採用するとして、20代の応募者と50代の応募者、どちらを選びますか?

まだフレッシュな脳で、吸収力があり、気力、体力が充実している若手と、頭も体も年を取り、柔軟性が無くなった中年世代、更には支払わねばならない給料の金額も考えると、そのようなハンデをひっくり返すだけの材料が無ければ、勝ち目はないと思いませんか?

・高年収が期待できるのは、現職での知見や経験が即戦力として使えると認められた場合だけ。

今よりも年収アップを期待しているとすれば、それが叶うのは採用する側の目からみて、即戦力としてすぐに成果を出してくれる人材と判断された場合だけです。

しかしながら、どんなに優秀な人材であっても、入社したばかりで勝手の異なる会社で、すぐに人並外れたパフォーマンスを発揮できる人など、数が限られています。

事実として、私の会社にも、数々の大手企業や一流企業からのキャリア採用で入社された優秀な社員が多く居ましたが、それでもわずか1~2年足らずで会社を去って行った人が山ほどいます。

・転職サイトの50代での成功事例は、たまたま採用企業のニーズに合致する経験や能力を持っていた人のわずかな例を取り上げたに過ぎず、誰にでも当てはまるものではない。

テレビのCMで、某トレーニングジムで短期間に劇的に減量に成功した人が出演しているのを見たことがあると思います。

皆さんは、仮に自分が同じプログラムをやって見たら、自分がCMに採用されるほど劇的な効果が出ると自信をもって言えますか?

要は、メディアや広告というものは、その会社が提供する商品サービスが如何に素晴らしいものかを効果的にアピールして、視聴者に夢を見させるもの。

ですから、あのような代表例として取り上げられる人達や、体験談として大手転職サイトのホームページに掲載される話は、その他大勢の人の平凡な話や失敗事例ではダメな訳で、「こんなに凄いんですよ~!」と、人をその気にさせるものなんですよね。

最も冷静に自分の市場価値を客観視するには、自分が採用する側だったらどう見るか?という視点を持つことが重要かと思います。

あなたも、転職で「こんなはずじゃなかった!」と後悔しないように、お気をつけ下さい。




この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?