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1970年の洋楽ベストテン

今回は1970年の洋楽ベストテンです。初めて生まれる前の年からのセレクトとなります(著者は71年生まれ)。すでに中学生の頃に触れていたものもあれば、つい最近聴くいたものもあります(ちなみに80年90年のセレクトはこちら)。

今となっては、それなりメタラー的な感性が強い私なのですが、ここにはサバスやゼップ、ヒープ等でさえ、次点ノミネート候補にも入着もしませんでした。個人的に各バンドの好きなアルバムと比べると、やっぱりこの時期は過渡期的な印象をもってしまう作品が多い気がしてしまうのが、その理由ですかね。

ということで、まずはチャートインしなかった、ノミネート作です(アルファベット順)。
以前の記事どおり、ギャンブル予想みたいなマークは、その中でも気になっているということを示してます。

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THE BEATLES 『Let It Be』☆
BREAD 『On The Waters』
CANNED HEAT 『Future Blues (未来のブルース)』
CARPENTERS 『Close to You (遥かなる影)』◎
DEEP PURPLE 『Deep Purple In Rock』
DR. STRANGELY STRANGE 『Heavy Petting』○
FREE 『Fire And Water』
GENESIS 『Trespass (侵入)』
George Harrison 『All Things Must Pass』
John, And, Beverley, Martyn 『Stormbringer』
KING CRIMZON 『Lizard』★
Miles Davis 『Bitches Brew』☆
THE MOODY BLUES 『A Question Of Balance』○
THE MOVE 『Looking On』
Neil Young 『After the Gold Rush』★
Paul McCartney 『McCartney』
PENTANGLE 『Cruel Sister』☆
SANTANA 『Abraxas (天の守護神)』
SPIRIT 『Twelve Dreams Of Dr. Sardonicus』
Van Morrison 『Moon Dance』
THE VELVET UNDERGROUND 『Loaded』

いきなり『レット・イット・ビー』がここです。…これがチャートインしていないとは、ふざけてますねw
このアルバムに関しては、制作過程の複雑な背景が気になって、他のビートル・アルバムよりあまり聴いてなかったという事情や、ネイキッドの存在があって、そちらが本来の姿であるというのであれば、そちらを2003年のべストに入れよう!という判断からです(聴いた回数もはるかに多いですし)。
なんにせよ、各ソロを含めたこの時期のビートルズ的クリエイティビティは変態の域です。ですが、やっぱり他の人がちゃんと評価してくださるので、無理やり入れることもなかろう…そういう思いは正直ありますね。

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…では、個人的トップ10始めていきましょう。

10位:NUCLEUS 『Elastic Rock』
これをマイルスより上にしていいのだろうか…と悩みはしましたが、ジャズロックの先駆的な立ち位置(ただしロック色は希薄)で、フュージョンという言葉もないころの作品だけに多少色目はつけます。同時期のソフトマシーンよりも聴きやすいですしおすし。


9位:GRACIOUS 『Gracious!』
オリジナル版が、冗談みたいな価格で取引されてたブリティッシュロック至極の逸品。チェンバロやメロトロンが効果的に使われクラシカルな感性が全開なので受けるんだと思いますが、曲の構成自体はHR寄りでです。時代がかったサイケ感覚もあり、まさにこの時代この時の“音”といえますね。


8位:Syd Barrett 『The Madcap Laughs (帽子が笑う…不気味に)』
むろん、これは中学生の時にフロイドが好きゆえ購入したんですが、バンドアンサンブル的なものが皆無な弾き語り的作品だったので、衝撃を受けつつ地味なのを嘆きました。が、聴きこむと深いんですね。サイケ感とは何かということをこの作品から学んだ気がします。


7位:FAMILY 『A Song For Me』
いかにも“ブリティッシュ!”というのを選びました。ブルース趣味も、トラッド趣味も呑みこんだバラエティ色あふれる英国大衆バンドです。ゆえに他国ではサッパリというのもやむなしでしょうか。ロジャー・チャップマンのあまりに渋すぎる砂枯れ声もいいです♪


6位:Crosby, Stills, Nash & Young 『Déjà Vu』
人によっては1位必至の言わずと知れたアメリカンロックの超名盤ですね。ユニットゆえの緊張感と、気心の知れたなごみ感が同居した奇蹟がここにあります。ノミネート作のニール・ヤングの『アフター・ザ・ゴールド・ラッシュ』と組で語られもしますね。


5位:John Lennon 『John Lennon / Plastic Ono Band (ジョンの魂)』
単純にえらい境地に達しちゃったな~と無責任にとらえつつも、震えがとまらない説明いらずの超作です。シンプルさゆえ敬遠した向きもあったのですが、一昨年行った「DOUBLE FANTASY John&Yoko展 」で、ヨーコさんも含めた一連の傑作の魅力を再確認した次第です。


4位:CREEDENCE CLEARWATER REVIVAL 『Cosmo's Factory』
所謂“アメリカンロック”バンドで一番好きだと言ってやまないのがCCRですね。キャリアを通して捨て曲がほぼほぼ無いのが凄いです。どのアルバムも好きなのですが、単純に完成度が高いのはこれかな…ぐらいの選び方ですが、改めて聴くと、やっぱムチャクチャいいですわ!


3位:THE 5TH DIMENSION 『Portrait』
ここで、フィフス・ディメンションを上位に入れちゃうのが私ですw もうロックでも何でもない気がしますが、ここ10年ぐらいでしょうか、渋谷系以降気になってたソフトロック、ドリーミーポップの類がたまらなくなってきたのです。だったらカーペンターズ入れればいいものの、こっちを推しちゃうのが私らしいところとご理解ください。


2位:James Taylor 『Sweet Baby James』
そして、SSWの象徴のようなこれを。これもきっかけは結構遅く、20年ほど前その手のディスクガイドが発売されてて、その本では彼を中心に解説やファミリーが構築されていたんですね。カルテットとしてアシッド・ジャズバリバリの彼は知ってたましたから違和感が凄かったですが、いい曲、メロディというのは不変だと感じさせてくれた出来事でした。


1位:PINK FLOYD 『Atom Heart Mother (原子心母)』
私を知る方には、予想通りでございます。14歳の時、初めて聴いたプログレがこれでした(曲としてもラジオで聴いたこの曲のが原子心母より早かった)。一般的なポピュラー音楽とはあまりにも違う世界線にいるので、どう解釈してわからなかった厨二病の自分を思い出します。そして今もそこから抜け出せていないわけで、やっぱり自分を形成したアルバムの一つであり、公的にも私的にも最重要作というのは間違いないのです!

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ということで、暑い中お付き合いありがとうございました。
当たり前ですが全て後追いですから、初聴時の人生の状況に評価が左右されるのはしょうがないとはいえ、結果的にイロイロ思うところもありました。逆に同時代性が無いがゆえ、公平にみれたという部分もあるかもしれませんがね。
この年代シリーズの次回は、さらに混沌とする1970年邦楽編を予定します。その年で、ぱっと思い浮かぶのは藤圭子様の大フィーバーですがw、はたしてどうなりますでしょうか?ご期待ください。

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