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劇場版アニメを観る

今月の休みはなんだかんだとアニメの映画を観にいきました。
それが、なんだかんだと良作ぞろいだったので書き留めておこうと思った次第です。
むろん、ネタバレはそれなりにあります…ので、ご了承ください。

とりあえず鑑賞したのはこの4本。

  1. 五等分の花嫁

  2. 異世界かるてっと ~あなざーわーるど~

  3. からかい上手の高木さん

  4. ゆるキャン△

それぞれ所感を書いていきましょう。

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まず、「映画 五等分の花嫁」です。
これ、物凄く丁寧に作られています。地上波2期を通して育んできたラブコメの王道の決着をつけるわけですから、力も入ろうってもんですな。
むろん、こうして劇場で完結する流れになったのは、本放送自体に人気があったからであり、そういったことを含めた、この展開全てが愛おしい…いざ文章として書くと恥ずかしいですけれど、2019年に第1話を視てから、ついにここまできたんだ…という感慨がありました。

原作マンガ自体は、2期の放送前に完結しており、5人のうちだれが選ばれるのだろうか…という決着はついていたのでしょうが、個人的には極力そういった情報を避けてきたので、結構ドキドキできました。
ただ、やっぱり最後まで観ると、なるほどと納得できる要素があふれているのですけど、なんだかんだTVシリーズから映画前半まで“正ヒロイン”として描かれていないので、完全に騙されてしまったわけです。
逆にいうと、人生の目標をみつけ努力、その過程で実父とかの顛末を通して“正ヒロイン”的ポジションを約束されて、当然ながら(たぶん)本人も選ばれる自信満々なのに、実際は違っていた…という別の彼女が、哀れというか、気の毒というか、そんな感情を持ったのでした。

そんなわけで、その彼女に感情移入しまくりな面はあったにせよ、やっぱり自分は普段から敬語話す娘が好きなんだな…と(自分もそういうとこあるので)、どうでもいいことを確認したのでした。がんばれ五月!

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つぎは、「劇場版 異世界かるてっと ~あなざーわーるど~」です。
ギャグ寄り作品、シリアス物も含め、KADOKAWAサイドの異世界召喚モノ5作を強引にSD化、さらに学園ギャグにした…ようはお遊び要素の多い異色のスピンオフなんですが、まさかの映画化ですw
つまるところ、すでに異世界召喚されている面々が、さらに異世界召喚されて、そこから異世界にとばされるという話です。そりゃターニャじゃなくっても存在Xを罵倒したくなりますねw

しかも、元々の各作品のアニメの時間軸の進行に沿ってるので、TV版異世界かるてっと自体の続編にもなってないという、ムチャクチャな設定になっています。
そのくせキャラがやたら多く、それに付随する細かい情報も端折ってるので、これはこれで初見殺しのろくでもない作品と言えます。
が、それさえクリアすれば大変面白く観れますね。個性的な各キャラクターがへんに暴走せず、それなりにシリアスな話だからなのでしょうか。
最初112分という時間をきいたときは、「ギャグ物のなのに何考えてるんだw」…と、身構えてしまいましたが、飽きそうなときにうまいことギャグをかましたり、組み合わせの妙というか、作品を越えたコラボ的描写とかもあって、楽しかったですよ。
さらに、新キャラとして、幼女戦記において、かつては帝国軍にいたが実は連合のスパイという娘(ターニャのことは“白銀”ゆえに有名だから知ってるが、彼女からみると単なる下官のひとりでしかない)という位置づけの娘が出てくるのですが、それも素晴らしい発想に思われました。
たぶん他の作品だと、人間関係が各パーティで完結しているから、膨らませるにせよ、かなり強引な印象が出てくる懸念がありました。そういった意味で、いい目の付け所だなぁ…と感心したのです。
とにかく、結果的に混ぜるな危険とされるものを、見事に溶かし切った脚本と、それを監督としてまとめた芦名みのる先生の妙技をじっくり味わいたい良作となりました!

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そして、「劇場版 からかい上手の高木さん」です。
これに関しては、特にアニメが好きだったとかというわけではなかったんですが、ツイッターとかで凄く褒められていたので、あえて観にいったのでした。

TV版アニメはいい意味でミニマム、同じことを繰り返すことの様式美というかなんというか…まぁ、ラブコメなんだからそうしたことをもどかしく描き切ることに意義があるんでしょうが、それが良くも悪くも魅力だったんですよね。
が、それをあえて大画面でやる意義っていうか目的がわかりづらいと思ったんだけど、とにかく美術が素晴らしい。もともと小豆島が聖地なんですが、いつも以上に鳥瞰的というか壮大です。なるほど、こういうことをやりたかったんだと…腑に落ちるとともに、やたら聖地巡礼に行きたくなる作品でありました。
そして、二人の仲なんですが、あんまり進んでいないくせに、お互い“クリティカルヒット”を連発するという凄い展開です。とにかく、猫には感謝だなw
で、最後、エンディングのあとに、俗にいうCパートがあるんですけど、これが作者本人が仕掛ける究極のネタばらし「元高木さん」をもってくるというあざとさに身悶えます。そこで蛍の件を回収するというのも凄すぎる。
そのエンディングも、高木さん役の高橋李依さんが00年代の名曲をカバーするというのがシリーズの定番だったんですが、ここでまだ使ってなかったあの曲が登場!そうか、まだやってなかったなって感慨にふけりました。
つまりは、事前情報が多いほど満足度があがるという小ネタがいっぱい仕掛けられてるんですよね。ツイートしたくなる気持ちもわかろうというものですな!

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で、大トリは、「映画 ゆるキャン△」です。
これは上映前から賛否両論でした。原作には存在しない未来の話だからです。
ただ、これ以上の人間関係の広がりがほぼ無いって前提で、風呂敷広げていったら、たぶんそんなキャラになって、こんな話になるんだろうな~という感じは、嫌いじゃないです。
もっとも、みんな大学とかも出ているだろうし、社会人になって数年たっているという時間軸であるにもかかわらず、キャラの元々の特性というか“幼さ”を残しつつ、過去のシリーズと違和感のないように声優さんが演技にしているので、年齢を含めた設定自体に説得力を見出そうとしてはいけないんでしょうね。

そういったツッコミを無視してw、純粋にキャンプ場を作ろうと奮闘するアラサー(?!)の青春群像としてみれば悪くない作品です。
ただ、元々のアニメシリーズが見事な時間の配分でほっこりできるのですけど、長いぶんの冗長さは感じました。
今回見た中で最初からハードル高くして劇場に行ったので、他の作品の評価軸と比べると分が悪かったのかもしれないです。
「元高木さん」じゃないけど、壮大に先の流れを見せちゃったら、今後無駄な整合性とかが原作に要求されるんじゃないかな~とか、余計な心配をしてしまうのでありました。


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