考えていた映画の世界と考えている映画の世界。
「こんな世界があるんだ」と感動したのは
16歳の頃。
スクリーンの中で俳優さんが泥だらけになりながら泣き叫ぶシーンを観て
「あぁ、俳優になろう」と思ったんです。
小さな町には映画館が一つしかなく、
観る映画がなくなるまで映画館や
レンタルビデオ屋さんへよく通っていました。
相米 慎二監督の「お引越し」や
長谷川 和彦監督の「青春の殺人者」、
エドワード・ヤン監督の「牯嶺街少年殺人事件」も。
影響を受け心惹かれた作品はたくさんあります。
そんな影響を受けてきた映画はきっと私の中では「思考ではなく感情でいっぱいになる映画」です。
そんな作品は何十年も受け継がれ、作り手が作ることをやめなかったからそこ、あの頃の私の手に渡り映画を観ては色々な事を考え、
そんな作品を作り出す映画人にただひたすらに憧れていました。
今まで私が考えていた映画の世界です。
ですがこれからの時代。
映画を作り続けるために
「あたらしい映画作り」を自分たちで考え、作り出したいと思うようになりました。
そう考えたきっかけの一つは
「ミニシアター」です。
少し前にアップリンク渋谷が閉館してしました。設備や機材の老朽化による再投資を考えなければならない時に、コロナ禍に襲われ、閉館することになったと知りました。
上京した頃、ひとりで携帯を片手に調べながら向かい、ちょっと緊張しながら映画を観ていたんです。
そこでは様々な監督が撮った自主制作映画を
観てきました。
国の景気が悪い時ほど映画業界が栄えていくと聞きます。コロナ禍ということが大きいですがこうしてミニシアターが
潰れていく現状を目の当たりにし、
映画についてもっと考える様になりました。
素晴らしい作品なのにたった一回ミニシアターで上映してもう観れなくなる映画、
自主制作だからこそ描けるものは
「映画好き」の人々の目にしか届かない事が多い、そんな風に感じます。
だからこそこれから作る映画が、
私を含めこれから映画を作り続ける人でいるためのものの一つになれたら、
そんなものを見つけていきたい。
これが今、私が感じている映画の世界です。
「あたらしい映画」
私たちが考える映画制作や、
この年代だからこそ見えている事。
演者であっても作り手であっても
こうして考えている、感じていることを
明確にどうしたら作品に映し出せるのだろう?
作品を作る際に外部的に思えるものはこの上なく重要だと考えます。
だからこそ、
様々な情報を吸収し続け発信していけたらと考えます。
これから、宜しくお願いします。
小林莉沙
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