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イタリアの記⑧-ローマその1-

イタリア周遊ツアーもいよいよ終盤。最後の都市、ローマです。

ローマのことをそんなには知らないけどバチカンがあることは知っていたので、バチカン楽しみだな~と気分を上げる所ですが
この日の私は超絶級の吐き気と共にありました!!!

ポルチーニ茸のニョッキ…お前ってやつは…いや食べた私が悪いんだよ…
知ってる…

おかげで朝食はほとんど食べられず。
友人や添乗員さんに心配されつつも、とにかくツアーなのでシャキシャキとローマに移動しなくてはなりません。

フィレンツェ⇒ローマの移動は鉄道でした。
サンタ・マリア・ノヴェッラ駅から高速列車で1時間半揺られるとローマに着くらしい。バスを使うより速いんだそう。

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時刻表。一番右の欄は「何分遅れているか」を書いてあるそうです。
電車は基本的に定刻で来る国の民族には珍しいものだったので思わず写真を撮った。もう日本の電車ももっとファジーでいいんじゃないかな。

それにしても気になることは、駅の入口からホームに着くまでの間に改札がなかったんだけど…

列車の中で切符拝見する車掌さんに出会うよと添乗員さんに説明されたものの、えっ改札なくて大丈夫?
うまいこと車掌さんの目をくらまして無賃乗車できてしまいそうだな……

マジでわからないけど各自添乗員さんに貰った切符を手に、高速列車へ乗り込みました。

この間も襲い来る吐き気でグッタリしながら揺られていましたが、とにかくローマ観光!!だ!!
目次からして不吉なんですけど、実際そうだったんだからしょうがないね。

①昼食と事件

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ローマ・テルミニ駅からバスで移動して、我々は昼食を食べるためリストランテに入ったわけだが、上の写真は前菜である。

前菜…揚げ物なんだ…フリットじゃん…揚げ物じゃん…
吐き気に苦しんでおり優しい食べ物に飢えていた私に勿論これは食べられません。かなしい。メインは炭水化物だろうけど、せめてこうなんかちょっとお野菜とかスープみたいなものは…

運ばれてきたメインディッシュがこれ。

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ピザじゃん!!!!
ピザ!!!じゃん!!!ピ!!!!!!!!(錯乱)

驚くべきはこのピザ丸々1枚が1人分という所。

これにはお腹の調子が悪くない私以外の日本人もびっくり。
イタリア人この大きさのピザ1人で1枚食べるの普通なのかい…!?
すごいね…!ジャパニーズは2~3人で1枚かな…!!!

そもそもこれほど胃腸に悪そうなものは勿論食べられないので、顎に皺を寄せながらピザの匂いを嗅ぐ謎の時間になってしまう悲しいローマランチ…

そんなわけで昼食を全スルーしましたが、出発前にトイレに行く時間が設けられたので、他のツアー客の皆さんとぞろぞろとトイレに向かいました。

6年間色んな所に旅行した経験から言うと間違いなくトイレは日本が世界一なので、外国に行くと様々な問題のあるトイレに出会うことになります。
ツアーだと周りが日本人だらけなので、先にトイレ入った方からトイレの問題を伝言ゲームする事態が発生したりもします。

紙がない、便座がない、水が流れない、etc、etc…問題のあるトイレではツアー開始時に初めて会った人たちとの美しい助け合いが行われるわけです。
(※イタリアのトイレ、便座がないのは割と普通)

それで今回のリストランテのトイレで、私に順番が回ってきた時に前の方が伝言してくれた内容は……「トイレのドアが閉まらない」

そっかぁ……うーんまあでもトイレそのものに問題がないなら…
見たところ鍵が壊れてるっぽいけど、ドアを押さえながら用を足すかな…
そうしてドアを押さえながら用を足し、外に出ようとして…

……開かない。

え!?!?閉まらないのでは!?!?なんで!?ニンジャナンデ!?!?

いやこんなことある!?!?!?外国でトイレに閉じ込められたことある!?私はある!!(パニック)
「開かない!!ドアが開かない!!」とドアを叩いて外の友人や他のツアー客に急を知らせ、それを聞いた友人が添乗員さんを呼んできてくれます。
呼んできてくれる間に内から外から押したり引いたりするけどやっぱり開かない(鼻水)

そして添乗員さんがお店の人に状況を説明し、トイレのドアをどうにかして開けるように頼んでくれて、十数分後に無事トイレからの脱出成功。
あああびっくりした………

ドアが開いた途端外にいたのは、トイレを開けてくれたボーイさん、添乗員さん、友人、そして数人のイタリアンマダム達

あっトイレ並んでたのかな…トイレを長いこと占拠してしまって申し訳ない…何か文句言われたりしないよね…と若干怯えていたら、なんかよくわからないけどマダムが背をさすってくれる。

??

ひとりのマダムが洗面台で手を洗い、石鹸はここよ、的な実演をし、

もうひとりのマダムは手を拭く紙を巻き取り、これで手を拭くんだよ、と促してくれる。「wash」「here」とか簡単な英語を使いながら…

イタリアンマダム…やさしい…!!!

うん…心配してくれてありがとう、マダム達…とってもハートフルでこの瞬間イタリアが大好きになってしまったが、おそらく日本人の平たい顔のせいで私のこと子供だと思ってるよね………
ごめん…これでも成人女性なんだ…これでも成人女性って伝えられる語学力がない……orz

トイレに閉じ込められた成人女性、吐き気は全く収まってないけど、イタリアンマダムのおかげで心はハッピーだょ…

②さらなる事件~そして置物へ~

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トイレを出た時点でだいぶ嫌な予感はしていたのです。
端的に起こったことを書きましょう。

リストランテを出て歩いてバスに向かう途中、猛烈な吐き気がピークに達し嘔吐しました。

みんなはある…?外国で嘔吐したこと…私はある…(遠い目)
唯一自分を褒めたいのは、その時瞬間的にエチケット袋を取り出し、そこに全てを納めた所です。よかった…服も道路もノー被害で……

その袋を捨ててくれた添乗員さんにおかれましては本当にありがとうございます大変申し訳ございませんでした(6年ぶりn度目の謝罪)
みんなも外国で嘔吐しても大丈夫なように必ずカバンに袋を忍ばせておくんだぞ!(ヤケ)

さて、食あたりを起こしたという事実が堂々たるものになりました。
今思えば…私は和食過激派だった…脂を好まない胃腸の上に、飛行機の時点からの疲労も積み重なり、外国のよく知らない脂でトドメを刺されたというわけです…
 そしてあまり言及する内容ではなかったのでちょいちょい省いていましたが、ツアーのメシがイマイチなのでは…?
30名弱の団体が一気に食事する関係上、ツアーで案内される店では作り置きかな?みたいな料理が多かったのです。出来立て感がない。前菜がフリットだったように野菜がほとんど出ません。舌は肥えてない方ですが、あまりおいしくもないわけです。
 半面、自由行動の時適当に買ったジェラートとかはメッチャ美味い。
イタリアはメシウマの国と言い聞かせてここまで来たけど、団体ツアーだとそうもいかなくなる…??

という感じでイタリアの美味しさをジェラートしか味わってない有様なんですが、食あたりを起こした以上私にできるのは食べないで水分だけ摂って胃腸を休めることです。かなしい。もう食べられない。

そして吐いたからといって即座に元気いっぱいになれるわけではありません。吐き気はマシになったけどボロボロだったので、この後しばらくツアーに同行せずバスで休むことになります。

私がバスで休んでいる間に行った場所は

・コロッセオ(外観だけ観光)
・トレビの泉

ううっ…かなしいね…でも自業自得だから仕方ないね…
せめてバチカンは下車して観光できるよう、バスの置物になるのだ…

友人「トレビの泉修復工事中で、横に小さいプールが置いてあってそこにコインを投げる仕様になってた。あまりご利益がなさそうだった」

行けない私のために友人がそんな情報を寄こしてくれる。見てないからなんとも言えないけどありがとうな…
※修復工事は今は終わってるみたいです

③バチカン入国

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バスで少し休んで多少マシになった私、バチカンは意地の下車観光。
入口からしてこの混みよう。後に友人が言ってましたが、ここに入る手続きやチケット手配やらをしなくていいのでツアーは有り難いですね。

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ピーニャの中庭にある巨大なニッチ(へこみ)のあるバチカン美術館と、
ブロンズの巨大松ぼっくり。
狭いことを指すニッチと同じらしいんですが、巨大なニッチって何か矛盾を感じなくもないですね。

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ピーニャの中庭にあるオブジェ、「球体をもつ球体」。
これゆっくり回転してて怖い。怖いけど見ちゃう。いやしかし怖い。

イヤホンガイドあるけど、観光しながら悠長に話していられないほど混んでいるので、この中庭で観光前の前知識を叩きこんでもらいます。
バチカンの現地ガイドさんはバチカンについて本も書いていて、非常に流暢な日本語を操る方でした。

ここで添乗員さんから嘔吐した成人女性にイタリアのポカリ的な飲み物の差し入れが。あなたが神か?
神のお膝元ですが神々しさが天元突破している…いやお仕事なのはわかってるしこれまで体調を崩す客もたくさん見てきただろうけど、あまりにもスマートで添乗員さんへの尊敬が止まない…
(※イタリアにいわゆる生理食塩水みたいな成分のドリンクは無いそうで、なんか優しいエナジードリンクみたいなやつでした)

多少気持ち悪いしボロボロだけどバチカン観光はりきって行きましょう!

④バチカン美術館(宮殿)

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どこがバチカン美術館のサビなのかわからなくて写真選びに悩むんですけど!?!?
ウフィツィ美術館と同じく、重要な所をスポットで紹介されながらガンガン踏破する形式なのでダイナミック手振れ撮影が光ります。

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とりあえずこの…天井すごくない!?写真だとわかりにくい感ありますが、レリーフじゃなくて絵なんですよ…平面なの…しゅごい…

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ハァーッこれは地図のギャラリー!天井が!すごい!
天井の密度を上げないと死ぬ病気にでもかかってるのか?みたいな緻密さ!よっ!スキマ恐怖症!(褒めてる)

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どのへんが地図のギャラリーなのかというと、あの天井が続く所の壁が一面ステキな地図なんです。すごい地図!ファンタジーみたい!
16世紀の地図らしいですが、ちゃんと長靴の形してますね。

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あとなんか脇に急に彫刻がいっぱい置いてあって笑いを誘う。
寝起きの人みたいな彫刻だけ黒いね…白い彫刻に囲まれて今どんな気持ち…?

そう言えばバチカン美術館には明確なサビがありました。
そう、最後の審判です。

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(※撮影禁止のため、画像はWikipediaから)

この絵はバチカン宮殿内システィーナ礼拝堂の祭壇のフレスコ画ですが、礼拝堂内は喋るのも憚られる雰囲気が漂っており、ひたすら静かに絵を眺める時間が流れます。

美術館に入る前のガイドさんの前情報によると

・最初はキリスト以外全員一糸まとわぬ素っ裸で描かれた
・ミケランジェロの死後、「股間が露出しているのはけしからん!」と全ての男性の股間に上から布が描かれた
・それから更に時間が経過して近年、もういいんじゃないかな…ってなって何人かの股間の布が消された

…らしいです。
股間の布が消された人数も言ってた気がするけど思い出せない。
ガイドさんは来る度に股間探しをしているそうだけど、未だに全員発見できないらしい。

とかいうことを聞かされたせいで美術鑑賞が丸出しの股間を数える時間になってしまったような気もしますが、何度も来てるガイドさんが発見できないものを我々が見つけられるはずもなく…

何の話だこれ?ミケランジェロも500年後に股間を数える絵にされてるとは思いもよらなかっただろうよ…

⑥サン・ピエトロ大聖堂

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またすごい曇天だな…
最大のキリスト教建築、サン・ピエトロ大聖堂です。最大なのでバチカン市国の中でも勿論一番大きい建物です。
ここはツアーでぞろぞろ歩くのではなく、広い大聖堂に放流されて多少の自由行動っぽくなる見学方式。

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とにかく天井が高いし広いし装飾がすごい。
これはまた観光客を写さないように上に向けて撮った写真が多いな…
混んでるけど、空間が広いので圧迫感はないし、日本の満員電車や流行りジャンルの同人誌即売会を思うと楽勝です()

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ハッ…これはピエタでは…!?!?
実物なので、近づけないようにガラスを隔ててだいぶ遠い所に厳重に飾られています。いやしかし見れてよかった。感動。

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クーポラ(半球形の天井。外観写真の突き出た丸い屋根のところ)の建物内からの写真。きれい~~!光の入り方が神。
この自然光だけで明るい部屋に住みてえよな~俺もな~

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ド派手な衛兵も見れた。嬉しい。
ハルバードをいい感じに掲げてくれる。みんな写真撮ってて大人気。

大体満足したので外に出て、友人と合流しバチカン市国のお土産屋に行きます。ガイドさんのオススメは祈りの言葉が書かれた皮製のブレスレットでしたが、当時ブレスレットに日本円にして5000円払う価値観を持っていなかったので買わず。
友人は買ってたけど買っておけばよかったな~何故か今検索しても2014年当時売ってた皮ブレスレットが見つからない…。

結局何を買ったのかも覚えてませんが、ポストカードを買ってバチカンの郵便局から送るのもオススメとかでツアー客の何人かは実践していました。
旅先からハガキを送る良さ、今ならわかるけど何かいつも面倒くさがりがち。

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これにてローマ観光が終了。
いったんホテルまで行き、その後は夕食ですが勿論私は食べられないので(遠い目)、夕食に同行せず先に部屋で休むことにします。

嘔吐するなどしてツアーの進行に迷惑をかけたものとして小さくなっていたのですが、ホテルでツアー客のみなさん全員が一同に介した所で、あらゆる人から心配されて目からエナジードリンクが出た。
「薬はありますか?粉ポカリあるんで分けましょうか?」
「レトルトのお粥譲りますよ」
人間……やさしい……!(´;ω;`)ブワッ
私がボロボロすぎて受け答えが不鮮明なので、友人がやりとりして色々貰ってきてくれる。や"ざじい"

みんな菩薩なのかな…人類愛に溢れてしまうじゃないか……
私も今後参加するツアーで困ってる人がいたら親切にできるようにしようね……

ちなみに私の他にもう一人体調不良の方がいました。そちらは水すら飲めない状態だったそうで、添乗員さんに連れられて現地の医者に掛かることになっていた。
 海外で体調不良、本当に心細くなりますが、みんなの優しさが骨身に沁みて自分が優しくなれるし、6年経った今ほぼ最初の海外旅行で失敗しておいて逆に良かったのかもなあという心地です。

なんか終わる気配出しちゃったけど明日はローマ1日自由行動だよ!


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