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イタリアの記⑨-ローマその2-
トイレに閉じ込められたり、嘔吐したりした成人女性にも朝がやってきます。帰国は明日ですが、イタリア旅行の実質的な最終日(2014)です。
早朝、友人に起こされて起床。
昨晩夕食を食べた人々は行きがてら添乗員さんからローマの公共交通機関のチケットの買い方について習ったそうで、それを私に今から教えてやるぜ!とのこと。ありがてえ~~~仏~~~~!?
ホテルの近所の地下鉄駅(テルミニ駅)に連れて行かれ、地下鉄・バス・トラム(路面電車のこと)が1日乗り放題になるチケットの買い方を教わります。
この時点での私の回復具合は良いとは言えなかったので、今日出かけられるのか疑問の残る所でしたが、いずれ出かける希望を持ってこの時点で1日券を購入。
体調を崩していない友人は当然一人でも観光に出かけるので、友人を見送って私は一旦ホテルに戻りベッドに転がりました。
①「これが本当のローマの休日か…」
(※ローマの休日を見たことがない奴の適当なぼやき)
などと思いながら、もう夕方になっているらしい日本のタイムラインを眺めていましたが、起きたことで胃腸が活動を始めたのか、突然襲い来る吐き気と腹痛に飛び起きてトイレとベッドを往復する苦しみの時間が到来。
こ…これが食あたりか…!(今更)
いやそれはもう仕方ないんです、己の不注意が招いた事態だし、苦しみまくるしか手はないんですけど、一つだけ言わせてほしい、
なにこのホテルの部屋?
どうして…なんでこうもあちこちがスケスケなのだ…
トイレまで透ける必要あった?連れにトイレで気張るシルエットを察知されてほしいとか微塵も思わないんだけど???
いやもう既に友人は出発しているけど、外の気配を感じながらトイレで苦しみたくないし、部屋清掃の人が来たのを察してトイレから返事をして、「Sorry!」って帰ってもらったことあります?私はありました(呆然)
昨晩添乗員さんが「なんというか、ローマのホテルはセクシーなホテルです」って予告していたことは覚えているのですが…なるほど…セクシー…
セクシーとはスケスケの風呂に頭を向けて寝る所業……(違う)
ラブホの生まれ変わりとかなのかな……
全然悪いホテルではないんです、駅近でわかりやすいし、地下には遺跡もあるというローマらしさも満載で…ただ透明度が高いんだ…何故…
しばらくトイレとベッドを往復していたら徐々に落ち着いてきたので、今のうちに睡眠による回復を行おうと今度こそ二度寝。
②出発!単独自由行動
昼まで寝て起きたら何だか出歩けそうな気がしてきたので、おもむろに部屋を出ました。
ホテルのロビーで地下の遺跡が露出している部分を眺めていると、添乗員さんにバッタリ遭遇。あっお仕事だから出かけずにホテル待機なのかな…!?とソワソワしていましたが、それもあるけどこの後ツアー客のおばさまグループと出かけるので気になさらずとのこと。
いや食あたりで死んでる人が超人たる添乗員さんを心配するとかマジで烏滸がましく、逆に心配される有様なんですけど(そりゃそうだ)
ayaさん出かけるならご一緒します?とお誘いもされましたが、個人的には昨日バスで休んでいた間に行った方面に行きたかったので丁重にお断りしました。
すると添乗員さんは近所のスーパーに連れて行ってくださり、昨日バチカンで差し入れてくれたポカリっぽい飲み物はこれですよと教えてくれました。あ、ありがてえ~~~仏~~~~!?(2回目)
イタリア、路上の出店で水とかジュース売ってたりもするんですが、そこで買うと品質的な安全さが不安なので、水もエナドリもスーパーで買った方が良いそうです。
この時の私は「食べずに水分だけ摂ってれば元気」というステータス。
交通機関のチケットあるし、水分の獲得方法も教えてもらったのでどうにか単独行動ができそうです。
そうこうしているうちに添乗員さんと一緒に出かける予定のおばさま3人組グループがロビーにやってきて、おばさま達にも大層心配されました。
「コロッセオの方行くの?途中まで一緒だから一緒に行こ!」
「ごはん食べた?あ、まだ食べられない?お水いる?」
「私たちは18時ごろ三越の地下にいるから、もし良かったら合流しましょう!」
なんだろう…イタリアンマダムといいジャパニーズマダムといい徳が高すぎないか…?😭
徳の高いおばさまになりてえもんだな…私もよ…
おばさま達の言う通り、道程が途中まで一緒だったので、バス停まで連れて行ってもらって同乗。
(※なんか地下鉄は治安的にヤバイらしいのでトラムかバスを勧められた)
このバスがまあ~~揺れるんですけど、体力ゴミカスのデスクワーカーにしては三半規管が比較的強い部類なのでどうにかクリア。
まっ平らなコンクリじゃなくて石畳なので、どうしても揺れるようです。
ツアーの観光バスに比べて、公共バスのステップが低いせいもありそう。
それにしても乗る時も降りる時も乗車券確認しないのは大丈夫なのか…?
改札のない高速列車駅といい、人々の善性を信じる街なんだな…
ヴェネツィア広場で添乗員さん達と別れて、
ガイドブック片手に道を歩き出しました。
(※観光客丸出しでとても危ない。この日特に危ない目には遭いませんでしたが、ただのラッキーなので真似してはいけません!)
③カピトリーノ美術館
ヴェネツィア広場からフォロ・ロマーノ方面に歩くと出会える美術館です。
とりあえずコロッセオの方に行くということだけ決めていたものの、何も食べずに活動している状態の人間がローマ中を飛び回るように観光できるはずがないと見切りをつけ、コロッセオ方面の小さい範囲を重点的に観光するべくノーマークだったこの美術館に行くことを決めました。
↑の写真はカンピドーリオ広場のマルクス・アウレリウス帝の騎馬像(のレプリカ。後ろの建物が美術館)
添乗員さんからはローマの治安について昨日から再三に渡り注意されていました。写真を撮るのに夢中でスリに気がつかないとかよくあるらしく、単独行動なのも相まって警戒して道中であまり写真が撮れてません。
その割にガイドブック片手に歩いてるんですけど…(よく被害に遭わなかったな…)
わからないなりにコミュニケーションしてくれる友人はいないので、美術館のチケットカウンターで料金表を指さされながらわたわたと入場料を払って中へ。
写真撮影OKなのか確認し損ねてしまって、美術館の中の写真もあんまりないのですが、後で調べたら撮影OKでした。
事前に調べとけよって感じですが、体調が悪いせいか全般的に頭が回ってなくて悔しい限りです。
でもこれだけは撮った。カピトリーノの雌狼!!
ぶつ森で見たことあります!!!!(それかよ)
この1枚で伝わるか微妙ですが、ローマにたくさんの有名美術館がある中では比較的マイナーなためか、館内めちゃくちゃ空いてました。
ウフィツィやバチカンは激混みの中をガンガン踏破してたけど、静かだしゆっくり見れるし控え目に言って最高でした。
あとなんかウフィツィやバチカンに比べると自然光が差していて、展示の仕方が廊下にも所せましと彫像が…って感じじゃなく、広々としてスッキリしています。明るくて良い。薄暗めで荘厳なのも勿論良いんですけど。
カピトリーノの雌狼の他にはコンスタンティヌス大帝の頭部とかメデューサ(ベルニーニ)とかが収蔵されています。
写真撮れてないけどメデューサ非常に綺麗だった。
そして地下から昔のタブラリウム(公文書館)に入れます。
これがまたエモいんですよ…
なんか光の入り方が最高なアーケード型通路。
これだけでも良さみが爆発してるんだけど、なんと隣のフォロ・ロマーノを一望できるのです。
くっ…写真が肉眼の感動を伝えきれない出来栄え…
けど本当に良かったです…消去法的に決めた行き先だけど来て良かった!
絵画館まで合わせるとかなり広い美術館なので、この時の体力では回り切れないと思って全部は見れてないんですけど、カピトリーノ美術館良い場所でした。
④フォロ・ロマーノ
狭い範囲を重点的に攻めるので、カピトリーノ美術館から一望したばかりですがフォロ・ロマーノにも行きました。
古代ローマ時代の遺跡です。
↑の写真の左側の黄色い建物は市庁舎で、タブラリウムの上に建っています。えっってことは私この写真の建物の下部の穴からフォロ・ロマーノを見ていたの…!?(地理関係に疎すぎて今気がつく始末)
アーチ型の穴してるもんな…えっ旅行記を書くために調べなかったらこの何気ない写真がなんなのか永遠に知らなかったね…書いてよかったね私…
廃墟好き的にはなかなかテンションの上がる空間。
デジカメ出すの怖かったせいでスマホで撮った写真が多くて、この先細長い写真が多くなりますがご容赦ください。
有名な遺跡なのでそれなりに人がいて、団体ツアーもそこかしこにいましたが、広いので混んでる感じはしません。
なんか印象的な3本柱だな~とボンヤリ撮ったこれが
カストルとポルックス神殿でした。今調べた。今知った。
ええ~よく知らないけど最近FGOで引きました…!6年前に聖地巡礼していたなんて知らなかったです!!!()
まあ2014年なのでFGOまだ配信されてないんですけど!!
これはティトウスの凱旋門。でかい!
ここが名所らしく、この周辺は割と人がいます。
病人向けの小範囲観光と言いつつ、フォロ・ロマーノは広いので結構歩くんですけど、晴れてて風通しもよく、体調が悪化することもなく観光できました。
⑤コロッセオ(外観)
見出しでお気づきのことと思いますが、入場していません!!!
ここまで来たのに!?!?!?
フォロ・ロマーノのチケットはコロッセオも入れるのに!?!?
はい。フォロ・ロマーノが広かったのと、見ての通りコロッセオは大人気なので結構人がいるのを見て微笑み地蔵と化したわけです。
登ったり降りたりするのは病人にはあまりよろしくないわけですよ(言い訳)
フォロ・ロマーノのティトウスの凱旋門のあたりからもうバッチリ見えるんですけど、景観そのものが大迫力でお腹いっぱいになれます。本当に。やせ我慢ではなく!
いいんだ…「あの窓に5部ポルナレフが…」っていう聖地巡礼をしたかっただけだから……
そう、ジョジョ5部の決戦の地なのです…
もう写真見てわかる通りポルナレフが待っている2階通路部分は人がみっちり詰まっているけども… …こんな人がいる場所でポルナレフはいつでも待ってたのか???
周辺で座ってなんか食べてる人が多かったので、私も短時間留まってコロッセオを肴にエナドリを飲みました。
次は体力が漲っている時に行きたいと思います。
⑥めちゃくちゃ半端なジョジョ巡礼
コロッセオを見た後の私はコロッセオからテヴェレ川沿いに向かい、
ジョジョ5部最終決戦聖地巡礼を始めたようです。
(曖昧)
(写真からの推測)
地図を見るに結構歩くし、それはそれで体力を使うとも知らずに…
ともあれ↑の写真は「この道路をレクイエムが通ったんだね…」です。
多分そう。おそらくそう。どちらかと言えばそう。
Googleマップの力で常人並みに知らない場所へ行けるようになった方向音痴なので、この時持っていた紙のマップでは己の現在地が把握できなかったんですけどね…よくそんなことしようと思ったな…
ジョジョ5部巡礼の最終目的地はディアボロが落ちたサンタンジェロ橋ということになりますが、エナドリだけ飲んでいる身ではそこまでの体力を捻出できなかったようです。
似て非なる橋を撮って力尽きるというなんとも半端な巡礼記録が……😭
検索能力を持った現在の私によるとこれはテヴェレ川の中州にあるティベリーナ島にかかっている、ケスティウス橋だそうです。
するとこの、なんかいい感じの建物だな~と思って撮った写真は
サン・バルトロメオ教会。昔アスクレピオス神殿があった跡地に建てられた教会だそうで…その名前聞いたことあるな……
医神もFGOに出てくるじゃないですか…6年前に聖地巡礼し(略)2014年はFGOまだ配信されてないんですけど!!!
ジョジョ巡礼をしていたはずなのにどうしてこうなったのか…!?
日本の様々なコンテンツがいかに世界中の神話と歴史を土台にしているかがよくわかる一幕ですね。
書かなかっただけで、この日の私の道行きにはロムルスもカエサルもいたし、添乗員さん達と別れたヴェネツィア広場だってブチャラティvsセッコの舞台なのだ……
こうして地図を見るとサンタンジェロ橋まで遠すぎてウケる。
それにしてもコロナ禍なのでどこもかしこも臨時休業で痛々しいですね。
⑦ホテルに帰ろう
体力の限界と、夕方になりつつある時間的リミットを感じ取った私はそろそろホテル周辺に帰る気持ちになりました。
添乗員さんからテルミニ駅に行くバス路線の番号を聞いていたけど、
バス停に来てみたら忘れたので(ひどい有様)近くにいた現地の女性に果敢に聞いたりなどしました。
一生懸命「エクスキューズミー!!アイウォントゥーゴートゥーテルミニ!!!テルミーバスストップナンバー!!!」などと話しかけ、どうにか伝わったようで女性は嫌な顔ひとつせず教えてくれました。
良かった…イタリア人優しい……
そして自分が単語の連発で喋ってみてわかったけど、友人すげえな……
カタコトで話しかけるのはすごい勇気がいる……
その友人とは連絡が取れないし今どこにいるのかも知らないので、ホテルに帰っても友人が帰るまで待つ感じになってしまうな…
という所で、おばさま達が「18時にローマ三越地下にいるよ!」と言っていたのを思い出します。
バスに乗ってテルミニ駅に向かう道すがら、共和国広場に聳えるローマ三越を発見したので途中下車。
このローマ三越、無料Wi-Fiと無料のトイレがあるので疲れたらオススメですよ~と添乗員さんが言っていた場所です。ツアーだと自由行動向けにこういう情報をくださるので有難いですね。
(※イタリアに限らず海外のトイレは大体有料です)
ウィンドウショッピングする元気はなかったので、まっすぐ地下に降りて名物の真実の口のレプリカを眺めていた所、時間通りに添乗員さん達と合流することができました。
そのまま一緒にリストランテに入店。この時吐き気はなくて空腹を感じていたので、ギリギリ食べられそうなものとして野菜がグダグダに溶けたミネストローネを注文しました。
エナドリしか飲んでなかったし美味しい~~!!写真撮ってねえ~~!!
あれですよ…猫も杓子も食べ物の写真撮るようになったのってインスタの台頭による所が大きくないだろうか…2014年秋の時点ではインスタのユーザーがツイッタラーより少ないのです…
という分析をしてみたけど2020年の私もインスタやってないけどな…()
6年経ってもインスタやってない奴がミネストローネの写真撮れるわけないんだよ…
ともかく、食事しながらおばさま達と添乗員さんの話を聞いていました。
おそらく40~50代の友人同士のおばさま3人旅で、仲良しで謎にほっこりしてしまった。
散々添乗員さんやガイドさんがすごい人であることを書いてきましたが、周りにいるツアー客も色んな人達で色んな話が聞けてしまう凄さよ…仕事的にも初対面の他人と話すことなんて日常でほぼないもんな…
ミネストローネを無事に飲み干して、ホテルへ帰還。
程なくして友人も帰ってきたのでお互いの今日の話をしていたのですが、友人は一人で地下鉄に乗ってスリの気配を感じたり、危機回避のために中国人団体ツアーの近くに寄って単独感を出さないようにするなどスリリングな一幕があったようです。
マジで私ただのラッキーだったんだな…自由行動が単独になったのは私が倒れていたせいではあるので何やら申し訳ない感。
明日はいよいよ帰国の日です。
体調は回復しつつあるけど、この状態で12時間飛行機に耐えられるのか…!?続く!
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