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【スポーツする方必見】スポーツ貧血について

こんばんは。理学療法士×メンタルトレーナー の平山です。
本日は活動報告というか、勉強してきたことをシェアしますね。
2019年3月から発足した「日本スポーツ内科学会」に参加してきました。
スポーツ整形といえば、世間一般に広がっていますが内科の問題は置き去りにされたまま。「スポーツ内科」は選手のコンディションを整える上でとても重要になってくるので何回かに分けてシェアしたいと思います。
前半は「一般の方やスポーツに携わっている人に向けて」、後半は「トレーナーに向けて」の内容にしたいと思います。
では、早速!

【スポーツ貧血について】
「運動・スポーツが原因で生じる貧血をスポーツ貧血という」

スポーツ内科の中では最も多い内科的問題です。
主に「鉄欠乏」が原因です。
年代・競技・レベルにもよるが有病率は10%程度


【ヘモグロビン(Hb)と貧血の関係】
ヘモグロビンは赤血球の中にあり全身に酸素を運ぶ役割を果たしています。
ヘモグロビンは鉄を含む色素「ヘム」とタンパク質の「グロビン」から構成されている。貧血は赤血球やヘモグロビンの減少をいいます

[男性]
一般男性:13.0g/dl 未満
アスリート:14.0g/dl 未満
[女性]
一般女性:12.0g/dl 未満
アスリート:12.5g/dl 未満

が鉄欠乏性貧血の診断基準となります。
マラソンや陸上競技など持久力が要求されるスポーツで多い。


【スポーツ貧血の症状】
症状:息切れ、動悸、易疲労性、倦怠感、氷食症
筋肉への酸素運搬能力が低下して、パフォーマンスが低下してしまう
→お足の重たさが取れない、1年以上自己ベストを更新できないなど

血中の酸素が不足することで心臓(心拍数)や肺(呼吸数)が酸素を取り込もうと代償する。そのため、息切れや動悸の症状が出る。
氷食症は医学的に原因がまだわからないそうです。しかし、一説として昔は鉄分を摂取するために土を食べていたとのことで、土のようにガリガリしたもの「氷」を食べてしまうとのことです。


【スポーツ貧血の原因】
[鉄需要増加に関連するもの]
成長や筋肉量の増大
運動量の増加

[鉄摂取不足・吸収低下に関連するもの]
栄養摂取不足(鉄やタンパク質)
消化管での鉄吸収低下(ヘプシジン、一過性腸管虚血やストレス)

[鉄喪失増加に関連するもの]
月経による喪失
汗からの喪失
消化管出血
血尿
運動中の強い接触プレーによる皮下出血

[溶血に関連するもの]
足底部への繰り返す衝撃による赤血球破砕
筋肉の強い収縮による血管内溶血

など、様々な原因がある。
内科的症状は栄養面と切っても切り離せない関係があるので、栄養学の知識は必須になってくる。


【スポーツ貧血の治療】
*スポーツ栄養士による栄養指導
*鉄剤内服(特にフェチリン)
*原則鉄剤注射がしない(鉄過剰の問題)


【スポーツ貧血に対する栄養指導】
*食事療法はスポーツ貧血の予防にも治療にも重要
*基本は鉄、ビタミンC、タンパク質をしっかりとる
*アスリートでは鉄は15-18mg/日 必要
*食事からの鉄吸収は平均すると約10%
*動物性食品に含まれる鉄はほとんどヘム鉄(吸収率は20-30%)
*植物性食品に含まれる鉄は非ヘム鉄(吸収率3-5%)

ここまでが前半部分となります。
以下、後半部分となりますのでご興味のある方はご覧ください。
少し、マニアックな内容になっていきます。


【最大酸素摂取量と持久力】
持久力を示す最大酸素摂取量(Vo2max)は血液検査で確認できるが、簡易的な推測方式があるのでご紹介します。
「クーパーテスト」
Vo2max=(12分間で走行した距離(m)−504.9)÷44.73

(例えば)
12分間で3000m走ることができるアスリートなら、
(3000-504.9)÷44.73=55.78(ml/kg/min)
となる。

最大酸素摂取量(ml/kg/min)
一般男性:40
市民ランナー:50
オリンピック選手:80−90

ヘモグロビンと最大酸素摂取量は相関があって、ヘモグロビンが上昇すると最大酸素摂取量の増加(持久力の向上)が見られる

一つの指標として覚えておくと良いかもしれません。
貧血の原因の各項目を掘っていくと莫大な量になるのでこの辺で終わっておこうかな…と思います笑

本日学んだスポーツ内科の内容は引き続きアウトプットしていきますね!

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