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オタクプライドデー〜「オタク」と「発達障害」と「クィア」なわたし

5月25日は世界で「オタクプライドデー」。さまざまなオタク文化やサブカルチャーの享受、オタク差別の撤廃を願う日でもある。

発達障害の特徴としてのオタク

 私は、「重度自閉スペクトラム症候群 アスペルガー型」と診断されている。アスペルガー症候群のステレオタイプな特徴の中には、物事にこだわりが強く熱中するものはとことん熱中する、というものがありここがオタクと共通している。

 熱中してしまうものとして、心当たりがあるのは音楽・アニメ・コンピューター・理数のものでありやはり古来の欧米における理系オタクのステレオタイプなものと被ってもいるし、日本におけるオタクのステレオタイプなものとも被ってしまう。そして、ロジックにもこだわりがある。
 未成年の頃はよくニュートンという雑誌を購読して蘊蓄を披露していたので、いかにもという感じの人だったかもしれない。家族の影響も受けていたのだが、放射線科学のような「見えない」学問を専攻していた時期があった。

 心療内科に通院中であるが、心療内科の先生も「先天性のオタク」という表現を使ってその発達障害の特性を説明してくださった。なんか「選ばれしもの」みたいな感覚が拭えないが、それはアイデンティティとして尊重するように思っている。

 ここで、発達障害とオタク・一部の文化集団に対して共通する負の影響に気付いた。社会的スティグマを捺されていることによる偏見。印象により負のイメージが与えられ、先入観によって偏見が憎悪に変わってしまい不利益を被ってしまうという現象である。

 「けがれ」の考え方もそうだったのだが、新奇なものや奇妙なものに対して忌まわしきものと思ってしまう恐怖の感情とも関係するかもしれない。それが憎悪に変わってしまう。それがモラルパニックになる。そして、当事者たちの自尊心をぐちゃぐちゃにさせ生きる気力を失わせるというマイナスのスパイラルを起こしている事態を起こしている。この負のスパイラルから脱していかなければいけない。

オタクとクィア

  オタク文化とLGBTQ+には親和性が見られることもある。中には、日本のアニメ文化から発祥した性自認・性思考の言葉もある。たとえば架空のものに指向がある「フィクトセクシャル」を「Nijikon」と言ったりそのパートナーを「Waifu」と言ったりするなどがある。ボーイズラブやガールズラブもコミック文化とLGBTQ+が合わさったものである。

 米国ではLGBTQ+オタクのコミュニティが発展しており、Geek Pride Dayに同時にオタクとLGBTQ+のふたつのプライド啓発に携わっている。性の多様性に縛られず、あらゆる個性の多様性を尊重することの大切さを啓発していくことが目的のようだ。

(米国のオタクLGBTQ+ コミュニティ Geeks Out リンク先英語)

3つのアイデンティティとモラハラ

 これらのアイデンティティを持つ立場がある人は、モラハラを受けやすい。昨今はLGBTQ+理解増進法の議論で一部の議員による「道徳的に認められない」発言をおかしてしまったトラブルがあったが、これはLGBTQ+だけの問題ではなく、発達障害やオタクたちにも言われたことがあるようなモラハラな発言とも感じたりする。人格に対して「不健全」扱いとかそんな先入観による偏見という点に同じである。理解増進法の会合中にそれらの発言に対して若手の議員たちが反発していた、というのは本当に救いだった。

 それぞれのアイデンティティに、尊厳とアイデンティティを守っていける社会になる事を、願っている。

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