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「0103夜 やるなら本気で!AI人材育成」

マイナンバーカード普及のような「なんちゃってデジタル化」より、将来のためにまじめに取り組むべきなのが、IT人材やAI人材の育成だと思います。それはそうなのですが、政府の戦略には心配なことがいろいろあります。
早速本題に入りましょう。

滋賀大学にはデータサイエンス学部があるそうです

朝、起き抜けにテレビをつけたらNHKの視点・論点という番組で、滋賀大学のデータサイエンス学部長がお話をしていました。
「データの時代に求められるスキルと人材」竹村 彰通(滋賀大学 データサイエンス学部長) (←見逃し配信へのリンクですので、1週間以内にリンク切れします)
この中で竹村学部長は、データサイエンティストの育成が重要という内容を主に話しました。また関連して国の取り組みは、高校や大学で専攻にかかわらず「数理・データサイエンス・AI」の基礎教育を行うことを「AI戦略2019」で謳(うた)っていると紹介し、筆者は正直驚きました。
遅ればせながら取り組むのは良いのですが、本気で「数理・データサイエンス・AI」の基礎教育を大学生全員に(高校生にも一部?)行うのであれば、学生の学習環境をちゃんと整える責任が国にはある筈です。現代の「読み書き算盤(そろばん)」だからAIリテラシーは全員に必要と言うのなら(そのこと自体はある程度正しいと筆者も思います)、国公立大学生だけを対象にするのはダメです、私立大学生も含めて、パソコンと通信環境を国の費用で整えて、該当部分の授業料・通信費も無償でなければならないはずです。
欧州と違って高等教育の無償化が行われていない日本で、現代の「読み書き算盤」なのだから、文系か理系かにかかわらずAIリテラシー教育を必修にするこのプロジェクトが、学生や家族の経済負担になって、学業の断念や奨学金という名の借金の強要になるようであれば、本末転倒も甚(はなは)だしく、決して意図したような結果は得られないでしょう。無理強いしても中途半端に終わり、企画倒れになる懸念があると筆者は感じます。本気でやるなら全額国が金を出すべきです。(ただし、これは必要条件であって十分条件ではありません)

MOOCの紹介

さて、この番組の中で良かった部分はMOOC(Massive Open Online Course 公開オンライン講座)の紹介です。番組に敬意を表して(?)滋賀大DS-MOOC講座パッケージにリンクを張ってみました。社会人も含めて無料で利用できるということなので、筆者も少し挑戦してみたいと思いました。ただ、MOOCだって、パソコンと通信環境がないと利用できません。相対的貧困が広がる中で、MOOCだけでは貧困の連鎖(世代継承)を解消できないことはいうまでもありません。

2021年4月13日のコメント

単なる人気取りなのか、本気で将来の国民の幸福を考えているのか、政府の「AI戦略」を見ていると正直不安になります。当然、国民の幸福のために政治は行われなければなりません。政府の「戦略」には言いたいことはありますが、「パソコン千夜一夜物語」では、パソコンやその周辺のことだけを取り扱いますので、今日はこの辺で。
また明日。



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