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横浜→北見。驚きがいっぱいの冬

2023年11月。女満別空港から高速バスで45分。道東最大の街(?)北見へとやってきました。

到着時の気温は2℃、冷たい雨が降り周辺の看板のあちこちにオホーツクの文字が見えることに、全く違う土地に来たことをひしひしと感じました。オホーツクってすごくロシア語っぽい響きですよね。

当たり前だけど冬は雨が降らない

不動産屋のお兄さん曰く、例年ならもうとっくに雪が降り始める頃なのに暖冬のため雨ですね珍しい、とのこと。

これ。
そのときは「そうなんですねー、雪じゃなくても十分寒いですよー」なんて適当に返事をしていたのですが、私は何もわかっていませんでした。

なんとこの時の雨を最後に、4カ月以上雨が降らなかったのです。
当たり前ですよね。寒いのですから雨ではなく雪が降ります。
頭ではわかっていたつもりでしたが、実際に何ヶ月も傘の出番がないことは横浜育ちの自分にとって大きな衝撃でした。

雨が降らないと街が綺麗にならない

雨が降らないと街の汚れが流れません。

雪で一瞬覆い隠されるものの、人や車が通る場所はすぐに真っ黒になりそれが再び凍って、を繰り返し、暖かくなると大量の泥水となって、雪と氷で穴ぼこだらけになった道路(アスファルトのヒビや繋ぎ目に入り込んだ雪解け水が再凍結し膨張することでヒビを広げていき、やがて割れたり砕けたりして穴となる)に溜まります。

春の道路の汚さと街の埃っぽさにはびっくりしました。

また冬の間はどの車も戦場を駆け抜けたかのようにドロドロ。ガソリンスタンドの洗車場はいつでも行列。塩カルの影響もあるので下部(下回り)洗車の重要性を痛感します。
そんなこと、これまで考えたこともなかった...。

ちなみにレンタカーを借りて2時間ほど走っただけで、ドアが開かないくらいガビガビに泥氷が付着していました。びっくり!

そう車。
しばらく北見で暮らすにあたって、車を買うかどうかは悩みました。しかし夫の勤務先のすぐ近くに物件を借りることが出来たこと、徒歩圏に食品スーパーがあったことで、日常生活は徒歩で済ませることが可能と判断。お出かけや大きな買い物をしたいときだけレンタカーを借りることに。車好きの夫も「洗車サボれないよ」の一言で購入を諦めました。

雪が綺麗。固まらないよ!

車の汚れ具合に笑ってしまう一方で、雪の美しさは感動ものです。

雪と聞くと雪だるまやかまくら、雪合戦をイメージしませんか?それ、北見では不可能でした。

パウダースノウ。例えるなら片栗粉。
サラサラできめ細かく、握っても纏まらずにぱらりと解けてしまうのです。
雪玉なんて作れません。
踏みしめるとモギュっと鳴き、足元の雪が逃げていきます。砂浜を歩いているような覚束ない感覚。
針葉樹林に積もる雪はまるでお菓子にかけられた粉糖のようで、その美しさに毎日飽きることなく感動していました。

北見の冬は晴れが多く、たまに降る雪がいつまでも溶けずに残る感じ。
1週間前に積もった沿道の雪が、固まらずに風でさらさらと流れ波を描きます。砂丘のようで美しい。
晴れていても風の強い日には屋根の雪が礫となって吹きつけて、ちょっと痛いし濡れるけれどこちらもキラキラしてとても綺麗でした。

キンと冷えた空気と眩しい太陽、いつまでもサラサラのパウダースノウ。
北見で過ごした冬は目が痛くなるほど明るく美しく、私の中の雪国のイメージとは大幅に異なるものでした。

青空が目に痛い。

日没早すぎ!2時は夕方、4時には真っ暗

もうひとつ、物凄く驚いたのが日没の早さ。

ちょうど引っ越したのが11月で、どんどん日が短くなっていく時期とはいえ…早い、早すぎるよ!

12月に入ると3時台に太陽はお隠れになります。

これ、横浜と比較すると45分くらい早くて、なんだか焦りました。一日が本当にあっという間に終わってしまう。だからみんな早めに活動します。

12/6  これで3時台。急いで帰らなくちゃ!

ちなみに空から雪ではなく水滴が落ちてきたのは、私の住む地域では3月末のことでした。
そこからは雨だったり雪だったり。柔らかな雨の後で一斉に草木が芽吹き、春が来たなぁと思った直後にまた雪が降ったりして。

そうしてだんだんと驚きと感動に満ちた冬が終わり、春がやって来たのです。

春の北海道といえば芝桜(のような気がする)

地味にやってしまった失敗

11月の半ば、天気予報で確認した日中の気温は2℃。晴れて風があったのでいけると思って外に干した洗濯物。風に揺れていなくて不自然だったので見たら…凍っていました。

1月に近くの温泉に一泊。未開封のペットボトル飲料を車に置き忘れ、るんるんで温泉を満喫。もちろん翌日には永遠に飲めないレベルでガッチガチに凍っていました。だよね。

この時期、深夜〜明け方は-18℃くらい。朝の露天風呂は手すりが凍っていて、手がくっつきました。(足元は常にお湯が流されていて安全でしたよ!)

同じく関東から転勤してきたばかりのご近所さんのお話。
夜にガスファンヒーターをつけっぱなしにするのが怖かったのかエアコンを使い、見事に壊しました。(ガスファンヒーターとエアコンが備え付けの賃貸。)
深夜にものすごい騒音で管理会社にクレームが殺到したそうで、すぐに近隣に「エアコンは夏の冷房用です。氷点下での使用を禁止します。」のお知らせが配られることに。

まとめ

経験がないと知識と感覚は一致しない、ということがよく分かりました。
初めての北国暮らし、新鮮な驚きがいっぱいです。

北見、良いところですよ!

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