見出し画像

自立に向けての第一歩

坊ちゃんは障害者雇用で介護補助の仕事に就いている。

そんな彼が資格を取りたいと言い出したのは2年前。

学校にまともに行っていない、勉強をまともにしていない、テスト勉強で努力すらしたことない。

むしろ努力、継続、忍耐が大嫌いな人。

そんな坊ちゃんが!?

正直、私は反対した。元々の持病で通院もあるのにどうやって学校に行くのか。

しかも学校は仕事が終わってから。

結局2年前は申し込んだけれど、体調が悪化し断念する事に。

しかし昨年、日曜講習をみつけてまた受けたいと…。

約3ヶ月が毎週日曜日のみの9時〜5時。

初任者講習というらしい。
私にはさっぱり分からない。

普段、週4で点滴に行き、体調が悪いため就業時間も短くし、就業日数も減らしてもらってるのにどうやって学校に行くのか。

現実をみなさいと言う私とは別に旦那さんは本人がしたいなら受けさせてもいいんじゃないかと言う。

言ってる事は分かる。できれば本人のしたいようにさせてあげるべき。

体調が良い日はないのにどうするのか。やたらと愚痴も多く、へたれなのに?我慢と忍耐と努力と無縁なのに?

私が言うときっと喧嘩になる。なので話し合いは旦那さんに任せた。私の思いを全て伝えて。

泣き言は言わない。自分で行って帰る。でも体調が悪いときは直ぐに病院に行く事と訴えること。

疲れたからといって誰かにあたったり嫌な態度を出さない等などと条件をつけた。

発達障害の子の場合ある程度のパターン、先の見通しなどこちら側が配慮していかないといけない。

後で聞いてないとか言われても困るし、世の中甘くない。
結局、見た目に分からないから余計に生きにくい。

みんながみんな配慮してくれるわけではない。

だから頭に入れても直ぐに忘れてしまうのでメモなど証拠を残すようにしている。

毎日毎日、同じ事を繰り返し言ったり体験させたり何年もかかってやっと一つの事が頭にインプットされる。

個人の差はあると思うけど我が家の坊ちゃんは時間がかかるほうかもしれない。

そんな彼が学校に行き始めてそろそろ卒業を迎える。

コロナ禍という事もあり、実習にはいけない。教室でペア組んで行ったり、課題に対してのレポートの作成。
ディスカッションなど。

何度も壁にぶち当たり、凹み、投げやりになり、その度に私は悪役になる。

テストが最後にあるらしい。
できるのか?覚えられるのか?てか勉強してないじゃん!

私も旦那さんも合格を期待してはいない。
合格するのがベストだけどそれを望むと本人がプレッシャーになる。

ただ、勉強とは何か、努力とは何か、忍耐とは何か、他の人と接するということはどういうことか、世に出て生活する上でどうしたらいいかを学んでほしい。

ディスカッションで坊ちゃんは凹んだ。
グループ毎に考えたことを披露する。
プリントには積極的に質問しましょう。と書かれてあった。
だから自分のグループ以外のメンバーに質問しまくった結果、構えられたり、イラ立ちを覚えられたりしたようだ。

発達障害の特徴が出た。言葉通りに受け止めた為に周りから面倒くさい奴だと思われてしまった。

本来は質問する事は間違っていない。でも質問する事が後々何かあっては困るからやめとこうと思う人が多いのではないだろうか?
私は質問しない。だって的はずれな事を言ったらどうしようとか嫌われたりしたらどうしようとか早く終わらせて帰りたいと思うから。

何が正しいかは分からない。けれどいわゆる今の世の中というべきか…あまり積極的に関わらないというか…曖昧というか…。うーん…表現が難しいけど坊ちゃんには難しい場面だったようだ。

そんなデコボコの坊ちゃんが卒業を迎える。
大きな資格取得ではないかもしれない。合格すら難しいかもしれない。


仕事で少しは経験をして学校に行った。だから全く無知ではないからそれが救いだった。

そろそろテストがあるんだけどなぁと思いながらも私は口を出さない。勉強しなければ確実に不合格。

これも本人にとっては体験。

高い受講料払ってるから手助けをしてもいいのかもしれないけれど私は一切しない。

自分でやると決めたこと。坊ちゃんの自覚と決意に任せたい。

合格も不合格も坊ちゃんにとっては大きな財産になる。

休まず通った事は大きな成長。
自信とは無縁な彼が少しは自信が持てる経験になったことはきっとこれからの人生にの歩みに役に立つと私は思う。






この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?