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きままに。

自分の子供が自閉症だと分かって落ち込んでいたという話を聞いた。

私は二人の子供が自閉症と診断された時、落ち込むことは全くなかった。「よかった」と心底思えた。何故なら、周りから育て方が悪いと言われて傷ついた事もある。

上の娘が保育園年長の頃から何だかおかしいと思っていたけど、何かはっきりしない。

でも様子はおかしかった。数年前と言えば記憶も少しは覚えているだろう。

でもまだ5、6歳。数年前って赤ちゃんじゃん。
フラッシュバックのようだった。通った道の事、その時の会話、出来事を鮮明に覚えている。

そして、突然話題を突きつけてくる。
なんの事なのか理解に苦しむ私。

当時は何の資料もない。こんなことがしょっちゅう。

小学生になると、字は読めるけど区切り方がおかしい。
よく喋る、落ち着きがない。
知り合いの学校の先生にもしかして学習障害があるのではないか?と相談したが新一年生だし大丈夫と言われた。

いじめにあい、担任に相談すれば娘が悪いと言われる。

こんな事があったから、原因が分かって良かったと思えた。

療育センターに行くきっかけも、朝のワイドショーの特集で自閉症が取り上げられチェックシート的な分かりやすい特徴を教えてくれた。

すかさずネットで検索して、当てはまる項目をみるとほぼ当てはまった。

診察室では確かに私も泣いた。でも悲観的な涙ではない。念の為の確認で私の育て方が悪いのか?と質問すると、そうではなく脳の障害だと教えてくださり、今までの辛さが少し楽になった気がして安心して泣いた。

決して正しい子育てではないかもしれない。でも間違ってはいなかったと誰かに言ってほしかっんだと思う。

はっきりと明確に分かった以上、気持ちは楽になってもこれからの子供達への対応、将来の事など不安だらけでトンネルの出口は見えない。

進んでも、進んでも見えない。
ストレスも溜まる、投げ出したい、辛い、しんどい、暗黒時代の始まりのようだった。

でも、この子達を産まなければとか、この子達に申し訳ないとか普通に産んであげられればなんて思ったことは一度もない。

その子にとっては今の状態が普通だ。
謝ったり、後悔することはその子に失礼だと私は思う。

自閉症だからといって甘やかしはしない。むしろ厳しくなったと思う。

大丈夫とか、何とかなるなんて言わない。
本人は普通でも世間は普通と思ってくれない、世の中は厳しいからだ。

甘えは許さない、ルールはきっちりと決めて、ぶれない。
じゃないと本人たちが迷うから。

今でもトンネルの中にいる。
でも10年経つとトンネルの中も進化して電気がついたり、トンネルの中なのに寄り道できる場所ができた。

決して楽ではないし、むしろ大変、不安、辛い、ムカツク。

明確な診断が出るまでの期間を考えると10年以上。
少し楽になるのもここ数年。

私自身にいくつかの機能がついた。
お陰で全てを真正面から受け止めず横から受け止めれるようになったかな?

説明が難しい!笑

もっと頭がよければ早くトンネルの中も進化したのか?

きっと私にはこれだけの時間が必要だったし、まだまだだ。

でも気待ちの持ち方で色んな事が大きく変わる。
理解と手助けの輪が広がればもっと生きやすくなる。

適当な大丈夫、何とかなるなんて言葉はいらない。
何とかなんてならない!障害が治るわけではない。
共存して生きていかないといけない。

中途半端な励ましは傷つく。
むしろやめて。
[でも普通に見えるよね]
でも?見える?
何も分からないのに黙ってほしい。

言葉では簡単に言える。対応は難しい、ホントに辛い。

笑って話せるまでどれだけの時間がかかるか…。
少し楽になったと言えるまでどれだけの時間がかかるか…。
要領よく対応できるまでどれだけの時間がかかるか…。

今でも二人のお子たちとの対応は手探り。
でも少しは私自身も成長したと思う。

お疲れさま。よくここまで頑張ったね。と言われると
涙が出てくる。 

ホントによく頑張ったと言えるしこれからも親子で成長していこうと頑張れる。


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