いなばぁとペキチー

4/3(土)
ツイッターで、教育テレビ「いないいないばぁっ!」のことを「いなばぁ」と略しているのを見かけた。そのツイートをされていた方は小さなお子さんのいるお母さんらしく、「いなばぁも時間変わるからね😥」とすごく自然に仰っていた。
私は突然の「いなばぁ」に動揺を隠せなかった。しかし調べてみると、Wikipediaにちゃんと「通称は「いなばあ」」と書いてあった。小さな子供のいる家庭では「○○ちゃん、今日もいなばぁ見ようね」「ママ〜早くいなばぁ見たいよ〜」などという会話が発生しているんだろうか。「いなばぁ」という妙に語感のいい言葉をしばらくジワジワと考えてしまった。物置に100人の人間が乗っている画と老婆の画が同時に浮かぶ、「いなばぁ」。

他にも気になる単語が山ほどある。
例えば「ペキチー」。どうやら犬種のことで、ペキニーズとチワワの混血のことを「ペキチー」と言うらしい。
ペキチーって、マックの新商品みたいだ。何となくペキチーのことを調べようと思って検索欄に「ペキ」まで入れたら、1番上に「ペキニーズ 性格悪い」と出てきた。
「ペキニーズ 性格悪い」の衝撃が強すぎて、ペキチーのことなどどうでもよくなった。犬なのに、人間の尺度で「性格」の善し悪しを決められるなんてひどいもんだ。

調べたところ、ペキニーズは他の小型犬に比べて抱っこが苦手な犬が多かったり、不機嫌になると飼い主を無視したりするらしい。負けず嫌いな性格ゆえ他の犬から売られた喧嘩を全力で買ってしまうという側面もあるらしく、そういったところからしばしばペキニーズは性格が悪い、攻撃的、という言われ方をするらしかった。まったく可哀想なものである。ペキニーズは生きていくために、なるべくしてその性格になっただろうに現代ではそんな言われようで、なんて気の毒なんだろう。


そんなことを考えながら、今日はちゃんと仕事に行った。
今日も同じ業務をしている先輩はいなかったうえに、仕事があまりにもなかった。

まだ私ができる仕事が少なすぎて、毎回部署全体が「次この子に何をさせようか」と悩む時間がある。毎度のことでさすがに申し訳なく思うので、ゆっくり丁寧に、やらなくていい動きを加えてみちゃったりしながら与えられた仕事をこなす。それでも7時間の労働時間は長い。どうしても毎回、「私ができる仕事があれば承りますが…」と口を開く必要がある。

今日は同じ業務を担当している先輩がいなかったから、同じ部署だが違う業務をしている先輩に何か仕事はないか聞いた。毎回聞かれてうんざりしているだろうと思って、口頭ではなくチャットで聞いてみたり、聞き方にアレンジを加えながら仕事を請うことにした。
任されていた仕事が終わって、先輩に「終わりました」と言ったら、「え!はや!可愛くて仕事も早いなんて、最強ですね☺️」と言われた。咄嗟に「そんなことないです😂」と謙遜したが、今考えるとこれは京都のぶぶ漬けみたいな、間接的に別の意味を含んだ言葉だったのかもしれない。つまり、暗に「仕事終わらせるの早すぎて、こっちが困ってるの分からないのかしら?」と言っているのかもしれないということだ。

そう思ってからは下手に仕事を請うことが出来ず、適当に何かやってるフリをしながら時間が過ぎるのを待った。今日は正味3時間くらいしか業務をしていない。

あとの4時間は、「いなばぁ」や「ペキチー」のことを考えながら無意味にマウスを動かしていた。


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