「魅惑の心理」マガジンvol.1(私たちが最も手に入れるべき能力は「気持ちを切り替える」能力ではないか?)
ポーポーの「魅惑の心理」マガジンです。様々な心理に関わる面白いことをゆるーく雑談のように、お伝えしていこうと思います。
1回目のマガジンでは
私たちが最も手に入れるべき能力は「気持ちを切り替える」能力ではないか?
そんなことを少しお話したいと思います。
誰かに嫌なことを言われたり、思ったように進まないことが続いくと「どよーん」と落ち込むことってありますよね。人間ですから、もうそれは当たり前です。
「よし、気持ちを切り替えよう」と思ってもなかなか切り替りませんよね。頭ではわかっているんですよ。ネガティブになってちゃいけないって。そんなことを考えないで忘れようって。でも、いざやってみると、これがなかなか難しい。ネガティブになってちゃいけないって思えば思うほどネガティブになる。ついつい悲しいことを思い出して、無意識にため息をついている。悲しい気持ちなんて簡単に忘れることはできない。いや、忘れられるわけがない。そんな人は多いと思います。
でも優秀なできる人は、ダメージを受けても引きずらないんですよ。一時的にかなり落ち込んでも次の日、元気に「おはよー」って出勤してくる。これができる人は本当にすごい能力者だと思います。そんな風になれるにはどうしたら良いのでしょう?
気持ちが切り替えられないのは、悪い記憶がずっと心に残りやすい人かもしれません。負の感情が心に定着しやすい構造、心の防衛反応のひとつです。負の感情が心に定着することで、似たことが起きないように防ごうとする準備をします。また「自分はダメだ」「どうせうまく行かない」と強く思うことで、本当にやってくる(やってきている)辛い感情を緩和しようとしている働きでもあると考えられます。
こうした防衛反応が強く出てしまうと、本来、自分の心を守るものなのに、防衛反応が自分自身を苦しめてしまうこともあります。そういう人は基本的に物事を悪く考えてしまいがちです。どんどん悪くなるほうを考えてダメージを受けてしまうこともあります。
嫌なことをされても別の視点から、ものを考えてみると少しだけ心が軽くなることもあります。たとえば「あなたってそういう人ね」と嫌なことを言われたとします。それを正面から「なんであんなひどいことを言うの?」って思うと辛くなります。だから「あんな言い方をすると、こんなに不快な気持ちになるのね。私は他人にそんなこと言わない。これはいい学びを得たわ」と考えると良いのです。あなたは得な情報を得ました。人に嫌味を言って一時的に快楽を得る人がいても、それは他人に嫌われるだけ、あなたは一時的に嫌なことを言われましたが、これに気づいて他の人に使わなければ、あなたは確実にその人よりも好かれる。あなたは得をしたのです。そう考えていくと辛い気持ちが少しだけ小さくなると思います。負の感情と正面から戦わないのです。
とはいえそんな簡単にはいかないところもあるのが心のややこしいところです。なぜ簡単にはいかないのか、もっと方法はないのか、そんなことを心理学の視点からもう少し深く考えてみました。ポーポーが実践している方法も紹介したいと思います。ご興味がある方は詳しく一緒に学んでみましょう。この気持ちを切り替える能力は、本当に大事な能力のひとつです。
[目次]
◎これは心が作る自動システム
◎落ち込みやすい人の特徴
① 自己肯定感が低い
② 嫉妬心が強い
③ 完璧主義
④ 後悔癖がついている
◎ポーポーが実践していること
◎さらに「こんなことをしてみよう」
◎これは心が作る自動システム
心理学では、この落ち込む思考は自分の意思と関係なく自動的に湧き上がってきてしまうものと考えています。自動的に憂鬱な気分が意識に上ってしまうので、普通は止められないのです。「考えないぞ」と思っても、自動的に湧き上がってきてしまうのですからどうしようもありません。さらに良くないのは、こうした工程の中で湧き上がってくるものを受け「自分はダメな人間だ」「なんでいつも落ち込んじゃうんだろう」と捉えてしまうことです。するとどんどん負の連鎖にハマってるいきます。だからまず、自分を否定するのをやめましょう。「不快な感情なんて上等だ」「これは自然の現象だ」と思うのです。自分の思いを過度に否定しないことです。
このメカニズム、なんでずっと嫌なことに囚われたり、ふっと思い出してしまうのはかというと、それは防衛本能のひとつと説明しました。嫌な記憶として定着させることで、同じようなミスをしないようにしているとも考えられています。また記憶は不快な感情と結びつくと、なかなか忘れられなくなってしまいます。他にも自分の中で納得できていない落ち込むことは特に記憶に残ってしまいます。なんで、あそこであんなことになったのだろう ? などと不快なことを何度も思い出しているうちに、リハーサル効果(繰り返すこと)で忘れられなくなってしまうのです。防衛反応→負の感情が結びつく→繰り返して思い出しさらに忘れにくい記憶になる。こんな負の連鎖が生まれます。
◎落ち込みやすい人の特徴
落ち込みやすい人にはこんな特徴があります。これは一部です。
① 自己肯定感が低い
② 嫉妬心が強い
③ 完璧主義
④ 後悔癖がついている
落ち込みやすい人は自己肯定感が低いといわれます。自己肯定感を高めたら良いなんて簡単に語られますが、長い月日の間で他人や親によって「お前はダメだ」なんて言われて作られたものが簡単に治るわけがありません。なかなか難しい問題です。嫉妬心高さもあります。誰かと比較してしまい、落ち込むことはよくあります。また完璧主義な人も落ち込みやすい人の特徴です。完璧にできないことにこだわるあまり、ひとつでもうまくいかないと「ま、いいか」と気持ちを切り替えることができなくなります。後悔癖がついている人も多くいます。なんでも後悔してしまう人は心の中に不安をいも抱えています。この不安はどこからきているかというと、損失回避性という人の原始的な性質です。損失回避性はポーポーのnote内でも詳しく説明しています。
◎ポーポーが実践していること
実はポーポーも本当に落ち込みやすい人間でした。嫌なことがあるとずっと落ち込んでいて仕事もしないでうなだれていました。「なんで」「なんで」と夜通し落ち込んでいたものです。心理を深く勉強していくうちに、よし、とあるとき急に開き直ることにして、「自分は落ち込んでいるぞー」と受け入れることにしたのです。受け入れてしまい、もう気にしないでおこうとしたのです。拒絶しようとするから、その感情に支配されてしまいます。
ひどいことや悲しいことを受けて、悲しくなるのは当たり前の感情です。だから気にすることはないのです。もうひとつ、ポジテイブに生きようと決めたこともあります。誰かに嫌なことを言われたり、されたりしたら。1回だけ受け入れて、なんでそうなったのかを考えます。それは同じ過ちを繰り返したくないからです。そしてその理由がわかり、自分に原因があったなら気をつける。相手にあって注意してなおりそうなら1回だけ言うことにしました。気づく人は1回言えば直してくれますが、なおならい人には何度言っても無駄で、経験上、言いすぎると逆ギレする人がとても多いと思います。ここまでできたら、次にもう記憶を呼び戻すことをやめて、そんな記憶は考えないことにしました。マイナス志向に囚われていても、自分に良いことなど何もないのです。ショックを受けている風な当てつけを自分にしても誰かにしても意味がないのです。
◎さらに「こんなことをしてみよう」
それでもまだもやもやするときは、誰かに相談するか、何か違うことをするようにすると良いと思います。すると行動が思考を止めてくれます。落ち込むと憂鬱な「感情」とため息をつくなどの落ち込む「行動」を行ったりきたりしてしまいます。憂鬱(感情)→落ち込む(行動)→憂鬱(感情)→落ち込む(行動)。なので、行動から変えてしまうのです。スポーツや好きな遊びなど別の自動システムを使うと、負の自動システムが湧いてきにくくなります。負の感情が出てくる場所を埋めてしまうのです。憂鬱な「感情」があっても、落ち込む「行動」を取らなければ、感情と行動を行き来することも減るでしょう。
私は「ま、そんなこともある。まあいいでしょう」と思えるようになりました。負の思考取り憑かれて、そこに滞在し続けても良いことなんてないと思えてきました。負の感情を少し捨てられるようになりました。
それからこんな話もあります。イギリス版ウィメンズヘルスによりますと、米ルイジアナ州立大学の研究チームによって、2年間にわたりカロリーの摂取量を25%減らせば、体の健康だけでなく、睡眠、気分も改善することが分かったそうです。イライラや気分の落ち込みにくくなるそうですよ。この研究の目的は、「カロリー制限が健康的な非肥満成人の気分、生活の質、睡眠にもたらす影響を調べる」ことにあったそうなんですけど、カロリーの摂取量を減らしたことで、被験者たちの体重は平均7.6kg減少。さらに睡眠の質が向上し、人間関係が改善し、活力が増進しただけでなく、食生活を変えなかった人々に比べて病気にもかかりにくくなったとのことです。人間はちょっと食べ過ぎなのかもしれないですね。
・優秀な人は気持ちを切り替えるのが上手
・落ち込むのは心の防衛反応。悪いものではない
・でもずっと不快なところにいても自分のためにならない
・都合よく「自分のため」「勉強になった」と考えを変換してしまう
・マイナス志向に囚われていても、自分に良いことなど何もない
・モヤモヤが消えない場合は何か行動する
・少し体重を落とすと落ち込む性質が小さくなることがある
この気持ちを切り替える能力は、本当に大事です。悪いものに囚われていても良いことなどひとつもないと、自分に言い聞かせていきましょう。
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