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【絵本日記】ケリケリかんがるーまん

かんがるーまんは、こわい、こわい。
ふだんはやさしいお顔をしていても、
おこればケリケリがとまらない。

いつだってファイティングポーズで、体からはメラメラと怒りがたぎっている。

みんながお昼ごはんを食べているあいだも、
キックボクシングのれんしゅうへ。
かばんには、グローブをこっそりしのばせ、
両足には「けんかじょうとう」とかかれたソックスをはいている。

ある日たぬきさんは、かんがるーまんに聞いた。

「かんがるーまん、かんがるーまん。
どうして、いつもグローブをもっているの?」

「いつでも戦えるようにだよ」

「かんがるーまん、かんがるーまん。
どうして、キックボクシングをしているの?」

「だって鍛えていれば、ムカつくあいつらになにを言われても、いざとなればオレはお前たちを倒せるんだぞって、つよい気持ちになれるだろ」

そう言って、かんがるーまんが指をさした方向には、ヒソヒソ話をしている、はいえなと、へびと、すいぎゅうがいた。

3匹は、かんがるーまんを見るとクスクスとわらった。かんがるーまんは、グローブをはめ、ぴょんぴょんと3匹に近づいた。

「なんだ、お前ら!おい!なんだ、なんだ!」

「かんがるーまんが来たぞ!にげろ!にげろ!」

散り散りになる3匹。

「ざまぁみろ!けっ!」

かんがるーまんは、逃げる3匹のせなかにさけんだ。

たぬきさんに向かってふりむいた、かんがるーまんの目の中は、ばくはつした炎でいっぱい。

「たぬき、おまえもオレと一緒にきたえるか!」
「いや。ボクはいいや……」
「そうか。いつでもオレがあいてになってやるぞ!」

たぬきさんは、そろりそろりとかえった。
遠くからは、「ワンツー!ワンツー!」ときたえる、かんがるーまんの声がきこえてくる。

かんがるーまんの腕は、筋肉ムキムキ。
けって、けって、けりまくる。
ケリ!ケリ!ケリ!ケリ!
あのケリケリには、だれもかなわない。

ケリケリかんがるーまんは、きょうもファイティングポーズで、あるいている。


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