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自己紹介にかえて              ~動画の〝丹下段平〟を目指す~

「あしたのジョー」になれないディレクター

近年の私をテレビディレクターと呼んでよいのか、ときどき葛藤する。
企業のPR動画も制作するし、ライターもしている。
それでも、私の意識の中では『テレビディレクター』であるという自負がどこかにあった。
 
しかし、50を手前にして考えた。
あと何年、この仕事ができるだろうか。
厳しい世界だ。
10年もすれば、「必要ない」と言われるときが来るだろう。
その時に、新しいことを始めようと考えたとして、余力があるだろうか。
 
いや、それ以前に
「燃え尽きてもいいから、
テレビディレクターとして生涯を懸ける」
というほどの情熱もない。

私は結局、「あしたのジョー」にはなれない。

ならば、何になれるか?
 
出した答えが「丹下段平」だった。

動画という四角いリング

奇しくも、時代は動画へ大きくシフトしつつあった。
かつては、ほぼテレビ1択だった動画のプラットフォームは、
ネットやスマホの存在により、とんでもない広がりを見せている。

そして、その動画を制作する人も増えてきた。

「動画なんて、誰でも作れる」
「動画制作から1年でフリーランスに」
「楽しく稼いで、素敵な人生を」

そんな声が世の中に溢れる。

間違ってない。

だけど、本当にそうだろうか、と思ってしまう自分もいる。

ボクシングに例えるならば、
「殴り合いなら誰でもできる」

と、言っているように聞こえてならなかった。

精神と肉体を研ぎ澄ましたボクサーと
腕っぷし自慢のチンピラは違う。

ルールも、スタイルも、闘う目的も。

どちらも否定しないが、
私はボクサーを育てたい。

そして、正々堂々と闘うリングに送りたいのだ。

そもそも動画(テレビ)の世界には、プロテストはない。
とりあえず、リングに上がらせて、強い者だけ勝ち残る、
戦い方は、すべてリングの上で学べ、そういう世界だ。

せめてリングに上がる前、
「あしたのためのその1」
くらいは教えてあげたい。

曲がりなりにも25年間、培ってきた経験で、
そのくらいのことを教える土壌は作れたはずだ。

だから、私は動画の丹下段平を目指す。

それが、私の人生の第2章だと思っている。



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