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エブス人とエビス様

近年、縄文人は船を使ってはるか遠い異国へ渡っていたという研究結果が報告されています。
その証拠に縄文土器は世界中で見つかってますし、
直近では縄文人がエジプトに金を輸出していたという学説も出ています。

縄文文明は16000年前まで遡れるので、僕は世界の文明の原型は縄文にあるんじゃないかと勝手に思っています。

縄文の海洋民族が世界中を旅し、その土地で文明を築く。
その文明が元になり各地で現代につながる文明に発展していく。
いろいろな神話で東方が聖地とされるのは縄文に由来があるのかなとも。

あらゆる古史古伝に登場する日本起源説、ちょっと前まで馬鹿にされましたけど、僕は馬鹿にされてる頃から信奉してましたよ。
最近ではまんざらでもない雰囲気になってきていて、時代は変わるものだなと。

さて、今回はエルサレム奪還の頃の話です。

紀元前1000年頃、ユダヤ人のダビデ王がカナンの地に勢力を伸ばし、エルサレムを征服しました。
その当時、エルサレムにいた先住民族の中にエブス人と呼ばれる人々がいました。

エブス人は海洋民族で、エルサレムに来る前はエジプトやエチオピアに居住していました。
エチオピアは古名をアビシニアと言いますが、そのアビシニアが訛ってエブスになったようです。
さて、このエルサレムにいた先住民、エブス人は日本にも痕跡を残しています。

勘のいい人ならお気づきと思いますが、エビス様です。

エブス人は巻き貝の腺から出る分泌物を原料にした、特殊な染色技術を持っていました。
紫は世界中で高貴な色とされますね。それは彼らの巻き貝による染物からきています。
日本でも同様です。日本では赤紫のことをエビ色と表現しますが、
それはこのエブス=エビスからきているのだろうと思います。

貝紫といえばフェニキア人が有名ですが、
僕はこのフェニキア人は当時カナンに住んでいたさまざまな部族が混血し、
のちにフェニキア人と呼ばれるようになったと考えています。
つまりフェニキア人を構成するさまざまな部族の中心にエブス人がいたと推測しています。

エビス様とは日本の神々の中でとても異質な存在です。
古事記等に出てこないにもかかわらず、古くから全国で信仰されている謎の神。
七福神の中では唯一、日本出身の神とされています。
またヒルコと同一視されますが、ヒルコはイザナギ・イザナミの第一子です。
つまりとても古い神様です。そういえばエミシのこともエビスと呼びますね。
エミシとは大和政権に反発した縄文古来の民族です。 
 
その一方で外来の神との解釈も根強いエビス様。
しかし本当のところは、海外からやってきたのではなく、
縄文期に日本から世界へ航海し、
のちの時代にまた戻ってきた海洋民族の神なのではないか?
僕はそう考えています。

さきほど巻き貝による紫の染色技術の話をしましたが、
この「紫の腺をもつ貝」と同じ種類の貝が、
殻の一部分を砕かれた状態で東京の大森貝塚から発見されているようです。

つまり貝紫の染色技術は、一万年以上前の縄文人がすでに持っていた可能性があるということです。

実際に佐賀の吉野ヶ里では、貝紫で染色された布片が発見されています。 

3000年前、カナンの地に先住していたエブス人が、
日本から旅立った縄文人の末裔だったとしたら。

そして後世、海外から多くの文化を携え日本に帰国したエブス人を、
エビス様としてこの島で祀ったのだとしたら。

日本人とは、そもそも固有の民族なのでしょうか?
太古の時代から色々な国の人と交わった、混血民族なのではないでしょうか?

人種という区分も、3000年遡れば、もうそれは意味をなさないかもしれません。

京都の公家さんの世界では、3000年まばたきという言葉があるそうです。
つまり長い人類史で見れば、3000年など一瞬だということです。

好きだなあ、その言葉。



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