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連珠のAリーグ戦現地観戦レポ

こんにちは、こんばんは。ポールと申します。

普段は自分でやってる将棋教室のお話をつらつらと書いている人です。

ですが今回はタイトルにもある通り、「連珠」の観戦レポとなります。
普段は将棋の人なので、タイトル戦や席上対局などの現地観戦というのは慣れたものなんですが、他の競技はというと経験の少ない部分ではあります。

今回見に行ったのは、9月16~18日に行われた名人位決定リーグ戦(A級リーグ戦)を観戦して参りました。
私が行ったのは17日の1試合分とほんの少しのお話。

そもそも連珠をなんで見に行ったのかや、
連珠とはなんぞや、という方もいるかと思いますのでその辺も触れつつ、プレイヤーの方々を見に行った感想などを書き残しておきたいと思います。




今回観戦にあたって

①連珠とはなんぞや

ということでここでは、「この競技初めて聞くぞ」という人向けに書いて置きます。そんな事知ってるわいという人は目次から飛んでね。

「連珠」とは、簡単に言うと「競技五目並べ」です。
囲碁の石で石を5個並べたら勝ち。というアレです。あれを競技化したもの。
ただ、「石を5個並べる」だけのルールだと、先手がものすごく有利なのです。(確か先手必勝になってしまうのだっけ?その辺りは有識者にお任せ。)
その為、先手(黒)には禁止ルールが設けられておりバランスが取られているという競技です。将棋でいう「二歩」のようなものだと思って頂ければOKです。

細かい所は日本連珠社さんのホームページをご参照のこと。

②連珠を知ったきっかけ

私がこの競技を知ったきっかけは「桑名七盤勝負」が最初でした。
これは囲碁、将棋、オセロ、チェス、連珠、バックギャモン、どうぶつしょうぎを横一列に並べて2人でいっぺんに対局するという贅沢かつトンチキ競技なのですが、
これをやるに当たって、この中でルールが一番簡単そう!と思っていた競技が連珠でした。少なくとも当時の私は。

ですがやってみるとまぁ難しい。
将棋の人が見る前提でいうと「最初っから終盤」です。最初からクライマックス。詰む詰まないを最初っから味わえる非常にスリリングな競技となります。

そこで競技性などを知ってこれは面白いと。実際にプレイしてみないと分からんというものです。
今の時代、それこそネットで色々な競技ができる時代ですが、自分としては実際にその競技を自分で体験してみて、連珠では石を持って打ってひと試合やってみるのが、その競技を楽しむには一番と考えるわけです。


③連珠を見に行ったきっかけ

見に行ったきっかけは先に言うとモチベの維持です。はい。

基本は将棋の人ですし、普段の仕事や勉強なども忙しい。正直連珠にはあまり手を出していなかった。
大きな試験勉強を今年の8月に終えて、抜け殻となっていたところで、キリの良い所だしやってみようかという事で、「五目クエスト」を再スタート。

偶然比較的近所にいた連珠の強い友人に教えを受けつつ、詰め連珠を問いたり実戦投入してみたり鍛錬を続ける日々になります。

ですが、上述した通り私は「実際に打ちたい人」なのです。普段は五目クエストで練習はするものの、実際に打てる場所が限られるわけです。

さてモチベを保つのが大変だぞと。
今はそうでも無くても、熱量が落ち着いたときにどう続けていくかどうかって割と重要で。ゆるゆると続けるにも動機が必要なわけです。

そんなことを思っていた時に今回のA級リーグ戦のお知らせがあり、それが比較的近所で行われているとの事。
比較出来るかどうか難しいけれど、将棋とかでA級のリーグ戦なんて観戦できる機会なんてそう無いと思ったので、折角そういう機会あるなら軽い気持ちで行ってみよう。という訳です。


現地観戦

①会場について

会場は淵野辺にある研修施設。3日間のリーグ戦の為宿泊も出来る施設だそう。その中の会議室の一角で行われている。
電車で向かい駅から徒歩15分ほど。残暑が厳しい中で恐る恐る会場に入ってみるとようやく看板を見つけた。

さて、大丈夫だろうか。
会場に入ると選手席と観戦席が区切られ、YouTubeの中継もしている。

こんにちはーとあいさつをして部屋に入り名簿を書く。選手、関係者、撮影部隊の他、おそらく観戦だけで来ているのは私ひとりである。

観戦でくるのも珍しいのか運営の方も声をかけてくれる。

運営「〇〇さんのお知り合いの方ですよね」
私「あっハイ」
動向がバレている。

誰がリードしていて戦況はどんな感じかなど細かく説明してくれた。
一応選手の方も面識はある方もおり、今回はその応援も兼ねている。大半の選手はほぼ知らない状態である。

対戦表も見るのも初。対戦表をよく見ると書いてある漢字(浦、流、残、雨等々)は戦型(珠型)を表している。以下の感じで石を月や星に見立てて初形に名前が付いているんだそうな。
書いてないのは定跡外?力戦になったってことかな?そのあたりはわからんのでスルーで。

珠型の一部①
珠型の一部②この中だと名月が好き


普及用に冊子なども置いてある。月刊誌や初心者用の問題集など。
折角なので問題集があったのでお値段を見てみる。

1冊100円で100問。それも2冊ある。
えっ・・・値段設定大丈夫かと不安になるが、とりあえず購入。
内容もちゃんとしているのでもうちょっと取ってもと思うなど。

観戦するにもぶっちゃけ観戦スペースどこでも座り放題。どこでもいいと言われると困るもので、ひとまずは知っている方の対局を観ようと近くに陣取る。

先ほど買った問題集を解いてしばらく待っていると、選手が対局席に座り空気が変わる。
アナウンスの号令を機に対局に入った。

②対局開始

挨拶をし対局が始まった。
自分が対局身に来たいなと思ったのは、中山九段(@nachirenju)、藤田六段(@pieco_renju)のおふたり。どちらも面識はあり、中山九段の本で勉強していたり、藤田先生は将棋やバックギャモンなどでお世話になっておりました。

将棋で見慣れたチェスクロック。持ち時間は「01:40」を示している。ん?1時間40分・・・1時間40分???持ち時間多いな??・・・と思ったが名人挑戦をかけたリーグなのだし、まぁこういうものかと。
ちなみに持ち時間が切れたら10手10分なのだそうだ。10分以内に10手指す。10手指したら次の10分チャージ。中々見慣れない時間設定である。


前述した通り、連珠は「最初から終盤」です。
如何に自分が有利な戦い方が出来るかが大事だろうし、時間の使い方等どんな感じに進むのかとみていたのですが、2~3手進んだところで全ての盤で黒石をじゃらじゃらと盤の端に出し始めた。皆揃って悩んでいる。
黒と白の碁笥を入れ替えて対局を続ける対局もある。先手後手入れ替えあるの?と思いながら。

実際やってるのは初めて見たが、これは連珠で取り入れられているルール「ソーソロフ8」というものらしい。
私も詳しい事はわかっていないが、教えてくれた方の言葉を借りると「ケーキの切り分け問題」という表現がしっくりくる。
相手に今後の展開を指定して「どれを選びますか?、先手後手どっちでこの後打ちますか?」と相手に提示をするのだ。「ソーソロフ8」の8は、最大8つの展開をどうですかと提示できるという事らしい。



うろ覚えの知識なので間違っている部分あるかもなので、参考用に見つけた動画を置いておきます。これ知らないで初めて来た人面食らいますね。。


序盤の展開選びだけで1時間以上かける対局もあり、それだけ神経使って読みを入れているのだろうと。

対局中は基本的に選手は立ち歩くのも自由で、観戦席でぐったりしている選手もちらほら。将棋と比べると比較的自由に動いていいらしい。
自分の盤面が落ち着いてきたら、他の対局者を覗きに行ったり。

その姿を見て面食らう観戦者はひとり。
全4面あるので見放題なのだが、対局席と観客席に絶妙な隙間があり座ってみると丁度平面。私も立ち歩きさまよいながら各対局の動向を追っている。

途中経過などはわからないよなぁと考えていたら、中継班の方が対局の記録をパソコンで打っている。4局をひとりで。人員不足が伺える。

そういえばと思って開いたのが教えてもらった連珠ポータルのサイトである。

https://renjuportal.com/live/

このサイトで対局を同時中継しているとの事で、進行などはあらかた把握は出来た。
持ち時間は長いが4局分見えるので観客側としては割と忙しい。右往左往してお邪魔になるのも嫌だったので、生の盤面を確認するのは席を取った所から見える局に集中した。


ここからは、
①立ちっぱなしも疲れるので席に座る

②一手打たれる

③見えないので立つ

④どこ打った?うーんそこかぁなるほどと分からないなりに考える。

①に戻る
・・・が約1時間半ほど続く事となる。軽いスクワット運動である。
当方割と背の高い方なので観戦・・・というか景観的に選手にウザがられていないか大変不安に思いながら。


時間いっぱい使う対局もあるが、対局者の時間の使い方や表情、姿勢から形勢の有利不利は何となく感じ取れる。結構目が離せないのである。

隙を見つけて近くの自販機で飲み物を補充しながら、何かしらでも理解しようと可能な限りで局面を見て考える。

そうしていると終局するところも出てきた。
もちろん、なんで投了したかはわからない。
初心者の特権である。

応援していたお二人、中山九段は勝ち。中盤の機敏な手から相手に時間を使わせ秒読みに持ち込み盤石に勝ち。
藤田六段は本局は負け。どこから形勢が悪くなったのかわからないが序盤から時間を使われていた。結果的にだがこの対局相手の岡部九段という方が今回のA級リーグの優勝者となったので、相手が強かったという事だろうか。素人にはわかりませぬ。



③対局が終わって

ひとまず全対局が終わり観戦としてはひと区切り、対局室を後にした。係の方に伺ったところ対局の写真は撮っても良かったようだが、初めて来てバシバシ撮っているのも憚れるので今回は遠慮した。

対局室はこんな感じ。対局スペースも広々、この後ろには飲み物と糖分補給にお菓子類が用意されている。
別会場でリコーダーの練習会をやっていて、いい感じに睡魔に誘われていた。

対局終わって選手の方もまだ夜の対局が残っているので、お声がけ等はせずにそのまま帰ろうかと対局室を出たところで選手の方とばったり会い、観戦させてもらったお礼を告げて帰路に着いた。


という感じで初めての連珠観戦を終えた。
観戦者がほぼ1人だけという良く言えばVIP待遇の状況で観れて有難い限りである。
初めての場所でしたが運営さんも色々教えてくれるので困った事は少なかったように思います。

色々観て回りましたが、初心者なりに気になる点をいくつか挙げるなら、
・観戦者席が少ない(2〜3席。…そもそも観戦者が少ないか。増えた時には足せばよし?)

・ルールブックが欲しい(当日のソーソロフ8などの開局規定、また珠形一覧みたいなのも欲しい。いきなり「〜星で始まって」と言われてもわからん)

・対局者プロフィール(初見の方もいたので棋歴?珠歴?だけでもあるとどういう方なのか観やすくなる)

・解説(現地で観てて正直細かい内容は全然ちんぷんかんぷんなので、なんでこの選択をしたのかなーという道標は欲しいところ。今はYouTubeでの中継解説がこの役割ですかね。)

…という素人目線での感じたとこでした。
現地ならではの独特の空気感は、当然現地に来ないと味わえないものですし、まずは必死に打っている熱気を感じれたのはまず収穫かなと。

当日の中継解説もYouTubeにありますのでどんな感じでやってるのかなどご覧頂ければと思います。


で、今回がA級リーグで挑戦者が決定。
つまり名人戦があるわけですね。

挑戦手合ともなると1日1局。
挑戦者の岡部九段は15年ぶりの挑戦とのこと。下北沢駅前でのシモキタ名人戦でも出演されていましたね。

現地観戦もOK、多分YouTube中継もするのかな?もしあれば是非是非ご観戦下さいませ。

さてさて、こんな感じで締めたいと思います。
ルールは単純のはずなのに、やってみると大変悩ましい。
今日も四三が見えない。



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