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少女の傷を癒すのは、人間かロボットか『M3GEN/ミーガン』(2023年)感想

★3/5(劇場にて鑑賞)


人間的にヤバいジェマ

姉夫婦が事故ったことで急遽子育てをすることになったジェマ(アリソン・ウィリアムズ)ですが、ヤバくないですか?明らかに子育てに不向きな上、仕事でも勝手に会社の資金で自分の研究をゴリ押ししています。特に、極秘扱いのミーガンをサマーキャンプに持ち出すくだりは、引きました笑。ぶっ壊されたり盗まれたりしたらどうするんだよ、と。そういえば、ケイディに送ったキモいファービーもどきのせいで、姉夫婦は揉めていましたよね。ジェマは、ヤバいです。逆に言えば、それくらいキャラ設定がわかりやすいということで、制作サイドの演出が上手かったということでもあるでしょう。

サマーキャンプの悪ガキ

いつ殺されるのかなと思って観ていると、車にガッツリ轢き殺されていてスカッとしました。悪ガキに関して言えば、「知能が高い子は周りに馴染めないのよ」的なことを母親が言っていて良かったです。ほんの1カットですが、悪ガキの家庭環境が察せてしまう気の利いたシーンだと思いました。ミーガについては、反撃するまでの溜め、耳びよーんからの四足走行と完璧でした。このようなシーンがより多いと本作の満足度も高くなったかとは思いますが、話を綺麗に纏めるには、そうもいかなかったのでしょうか。

ケイディ役いいね

ケイディを演じたのはヴァイオレット・マッグロウという子役のようですが、とても良かったと思います。両親を目の前で亡くしたショックから立ち直れず、塞ぎ込んだ感じがよくわかりました。かと思えば、無邪気な笑顔で子供らしさもあり、このギャップが印象的でした。今後も映画業界で活躍してくれることを切に願います。ハリウッドでブレイクした子役のその後については、皆様もご存知の通り闇深いものなので、尚更彼女の今後が心配でなりません。なりません?

全体的な印象

公開までの宣伝をみるに、なんとなくイメージはしていました。①凄いロボット作る②皆驚く③パニックになる④何とか倒す⑤完、みたいな。おおよそこれで間違いないのですが、誤算だったのは、思ったより話がしっかりしているところです。子育ては大変なのでロボットに任せましょう、けれどもそれで本当にいいのか?人が人と向き合う良さとは?上手く表現できませんが、ジェマと超絶優秀なミーガンの対比には意外と考えさせられました。終盤、観察室の中でジェマがケイディに語り掛けるシーンは心に残りました。ジェマも意外といい事言いますし、それを受け入れるケイディにもグッときました。しかしながら、ホラーとしてのインパクトには欠けると言わざるを得ないです。まぁ、ホラー映画で人形ものといえば定番中の定番なので、本作くらい独自色がないと売りづらいという事情もあるかとは思います。それにしても、AIで騒がれるこのご時世に本作を公開したのは、なかなかいいタイミングかと思います。

『ターミネーター2』のパロディ?

人間の姿をしていながら、金属の体と人間離れした能力を持つところがターミネーターっぽいなと終始思っていました。そんな中、ターミネーターのパロディと思われるシーンがあったのでテンションが上がりました。具体的には終盤、社長がミーガンに追い掛け回されるシーンにて、「エレベーターに逃げ込んだ社長が急いで扉を閉めるも、その扉をミーガンが両手でこじ開ける」というシーンです。これは、『ターミネーター2』にて、「サラ・コナーの収容されていた病院のエレベーターで、その扉をT1000(液体金属のターミネーター、ロバート・パトリック)が両手でこじ開ける」というシーンのパロディかと思います。憎い演出ですね。嬉しかったです。

以上

一言

面白くなってきたんじゃないかぁ!?

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