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正統なエクソシスト系ホラー『ヴァチカンのエクソシスト』(2023年)感想

★4/5(劇場にて鑑賞)


真っ当なエクソシスト映画

『エクソシスト』(ウィリアム・フリードキン監督、1973年)がヒットして以来、「エクソシスト」というワードは、ホラー映画でも定番の題材となり、この言葉をタイトルに含む、又は『エクソシスト』を意識した作品が世に多く存在します。しかしながら、『エクソシスト』を愛する私は、オリジナルに迫るような恐怖や嫌悪感、気味悪さを味わえないでいました。
そんな中、本作は、なかなかいい仕上がりです。

ショッキングなビジュアル

エクソシストを名乗るからには、オリジナルのように強烈な演出を見たいのです。かの有名なスパイダーウォークはもちろん、首回転やミーガンの醜悪な表情、台詞など観る者を圧倒するキモい演出が見たいのです。本作はその点をかなり頑張っていた印象です。悪魔に憑かれた少年の激変具合は、特に良かったです。凶悪な表情や目元、瘦せ細った体に浮かび上がる血文字など、オリジナルへのオマージュにも思えました。悪く言えばパロディともとれますが、令和のこの時代に新作としてオリジナル級のホラー映画が観られて、私は嬉しかったです。

2人の神父

アルモルト神父は、私好みの良いキャラクターでした。強面ながら気さくで信仰心が篤いというギャップが効いていました。その意味では、ラッセル・クロウをキャスティングしたのは正解だと思います。
エスキベル神父も良かったです!頼りなさげな神父が、アルモルト神父との共闘を通して大きく成長します。ラテン語かっこいいです。特にエスキベル神父が、アルモルト神父の罪の告白に涙を流すシーンがグッときました。マジでいいシーンです。正直私もウルっときました。悪魔に罪を糾弾されようとも、心優しき人がその罪に寄り添って涙を流してくれることが、とても素敵に思えました。他、バディ感も良かったです。続編があるなら観たいです。

丁寧な前置き他

アルモルト神父と幹部とのやり取りにて「98%は説明可能だが残りは…」的な前置きが良かったです。そんなこと言われたら、確かにあるかもなと考えてしまい、リアリティが増します。丁寧な前置きで大変好印象です。その他にも、インディ・ジョーンズ並みの謎解き(冒険?)や、やさぐれ感の似合う姉貴、不気味な井戸や古文書、ヴァチカンの秘密結社感(『ヴァン・ヘルシング』的な)など私に刺さるポイントがいくつもあり、とても満足しました。やさぐれ姉貴には是非今後も映画に出演してほしいです。
逆に、アルモルト神父が悪魔に惑わされ過ぎだったり、悪魔との直接対決が演出過剰気味だったり、瀕死だった教皇があっさりラストで復活したり、ちょっと引っかかるところも無くはなかったです。

以上。アーメン。

一言

B'z最高



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