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ただのオタクの遊戯王の思い出

遊戯王の原作者 高橋和希氏が2022年7月7日に亡くなっていることが分かりました。ご冥福をお祈り致します。

本当に小さいときの思い出

私には兄がいるため、物心がついたときから遊戯王単行本を読んでいた記憶がある。

兄が毎週ジャンプを買っていたので、小さな子どもで難しい話が分からなかった私は、ジャンプの中でも遊戯王とワンピースだけを読んでいた。
海馬VSイシズのデュエルが終わった後、幕間の回でデュエルがない回だった時、とてもがっかりしたことを何故か鮮明に覚えている。
あと兄に「今週はデュエルないぞ」ってネタバレされたのも何故かよく覚えている。

幼少期から遊戯王に触れていた私は、当然カードゲームの方にも興味を持ち、兄や隣の家のかずまくん(3つ上)ともよくデュエルしたものだ。

当時の私はデュエルについて知識もなく、小さな子どもでお金もなかったので兄が使わないカードでデッキを組んでいた。

「デッキ」とは名ばかりで、その実40枚のカードを集めた紙束。唯一の勝ち筋は、グラヴィティ・バインド-超重力の網-で相手を拘束し、人造人間7号で殴る。

グラヴィティ・バインド-超重力の網-
当時はレベル3以下のモンスターはあまり入れないので刺さった。
人造人間7号
18回殴れば勝てるぞ!

という18ターンもかかる壮大な作戦のみだった。ちなみに決まった記憶がない。両方1枚しかデッキにないので、今考えたら当然である。

他のカードはよく覚えていないが、パンドラが使っていた黒いブラックマジシャンを引けるパックが300円ぐらいで売っていたので、それを買って適当に入れた記憶がある。2体の生贄をそろえるのは非常に厳しかったので、黒魔術のカーテンでしか出せなかった。パック内容は以下。

PREMIUM PACK 4

当時の私のブラックマジシャンを出すほぼ唯一の手段、黒魔術のカーテン

そんな私は、とにかく弱かった。

記憶を思い起こす感じで言うなら、兄や隣の家のかずまくん(3つ上)が使っていたカードは「強欲な壺」「天使の施し」「強奪」「ブラッド・ヴォルス」「サンダーボルト」「大嵐」「奈落の落とし穴」あたりを使っていた。

前3つは2022/7/1現在禁止カードである。私の出すレベル4以下のモンスターはブラッド・ヴォルスの攻撃力1900に蹂躙された。苦心して上級モンスターを出しても、サンダーボルトか奈落の落とし穴でサヨウナラしていた。

小さい私はなぜ負けたのかもわからなかった。それでも、遊戯王は楽しかった。そんな記憶がある。

そんな中、ストラクチャーデッキ-遊戯編-なるものが発売されるらしい。CMで見た私は、なけなしの小遣いをはたいて近所のユニーに自転車を飛ばして、買いに行った。

遊戯デッキ
私が最初使っていた紙束よりは強い。

遊戯デッキを手にした私は、意気揚々と兄やかずまくんにデュエルを挑んだ。

しかし、私は弱かった。
「強欲な壺」「天使の施し」「強奪」「ブラッド・ヴォルス」「サンダーボルト」「大嵐」「奈落の落とし穴」には勝てなかったのである。

ちなみにこれは当然のことで、上記カードは当時本当に強いカードなのに対し、遊戯デッキの評価について、遊戯王wikiにはこう書かれている。

「単体では優秀なカードや貴重なカードが多かったが、それらを詰め込んだこのデッキの完成度は高いとは言い難く、正に遊戯の様なプレイングと運とがないと扱いこなせないものだと言える。」

つまり、デッキパワーが明らかに劣っているのである。

勝てないなりには楽しんでいたが、なんやかんやでデュエルの頻度は減っていった。スマブラDXやマリオサンシャインにハマっていたような記憶がある。


遊戯王GX放送開始

そして遊戯王GXが放送開始となる。当時の私は「(武藤)遊戯でなくなっちゃうのか~」ってがっかりしていた気がする。

2004年10月6日放送開始。
当時は「主人公が変わるから見ない」という空気が何となくあった気がする。
主人公変更、DMと違い原作漫画なしという明らかな地雷要素たっぷりなのに、
名作なのは本当にすごい。

頻度は少し落ちたものの、デュエルはちょくちょくやっていた。ボロ負けしかしてなかった気がするけど。

少し年齢も上がり、お小遣いも増えていたので、少しだけはパックを買えるようになった。そこで発売されたのがTHE LOST MILLENNIUMだ。

2005年2月24日発売。
GX期初のパック。
《古代の機械巨人》や《E・HERO フレイム・ウィングマン》あたりが目玉。

THE LOST MILLENNIUMは相変わらずユニーで買ったのだが、この時は兄と一緒におつかいでユニーに行き、兄が2パック買って、1パックを私にくれた。選ばせてくれたのだが、私が引いたカードは特に記憶に残ってないハズレだった気がするが、兄はE・HERO フレイム・ウィングマンのアルティメットレア仕様を引いていた。

E・HERO フレイム・ウィングマン アルティメットレア

今調べたが、これを今買うと18,000円するらしい。以下参考。
E・HERO フレイム・ウィングマン【遊戯王】TLM(404)/アル -カーナベル- (ka-nabell.com)

私は泣きそうになりながらユニーから帰った記憶がある。
兄は「すげー!」「すげー!」って言っていた。当時アニメ放映している主人公のエースカードなので、弟だからといって泣きそうになっていても別に貰えたりはしなかった。

そんな運も実力もない私だったが、CMでストラクチャーデッキ-魔法使いの裁き-が発売されることを知った。

ストラクチャーデッキ-魔法使いの裁き-
2005年9月22日発売

武藤遊戯とブラックマジシャンが好きだった私は、色んな店を回ってコンビニで見つけたこれを買った。ユニーには売っていなかった。店員のお姉さんに「魔法使いの裁き下さい!」って言って全然通じなかったので、同行していた兄が「あの紫の下さい」って言って、解決した記憶がある。
(商品が並んでいる棚ではなくレジの内側の上の方にある棚に置いてあった)

さて紙束でも遊戯デッキでも全然勝てなかった私は、意気揚々とこのデッキで兄やかずまくんにデュエルを挑んだ。

しかし、私は弱かった。
「強欲な壺」「天使の施し」「強奪」「ブラッド・ヴォルス」「サンダーボルト」「大嵐」「奈落の落とし穴」には勝てなかったのである。

まあ、そりゃ勝てんわな…



引退

私は、このあたりを境にデュエルの頻度が落ちた。というか、流石に全然勝てなさ過ぎて、やる気を失っていたのである。近所づきあいで一番年下で弱い私に兄やかずまくんはデュエルを挑んでくる。一番年下なので断れずにデュエルするが、とにかく勝てないのである。

なので私はデュエルをせずに、ゲームキューブのソフトをひたすらやり込む子どもになってしまった。学校の友達は意外と決闘者がいなかった(GX過渡期でやめた人が多い)ので、そちらで遊ぶことが増えた。

GXを見るのもやめた。当時は1期も見きっていない。(大人になってから見た)

そんな状況で、私の母がある日「遊戯王カード、やらないなら捨てたら!?」と言ってきた。私の母はとにかく断捨離が好きで、子どものゲームや本なども含め、とにかく捨てたがりだった。
もう遊戯王をやらないしと思い、私は自分のカードを全て捨てた。晴れて引退である。

印象に残っている捨てたカード1 ラーの翼神竜
原作3つの効果を使っていいローカルルールだったが、
死者蘇生以外で召喚に成功した記憶がない。
印象に残っている捨てたカード2 黒衣の大賢者
シークレットだったから印象に残っているが、
時の魔術師を持っていなかったため出すことが出来なかった。


ニコニコ動画での動画視聴と復帰

遊戯王引退後はゲームキューブをやり込んだりしていたが、成長と共にニコニコ動画をよく見るようになった。

時々ランキングに上がるような遊戯王MADを見たりしていたが、遊戯王との付き合いはそれだけだった。

そんな時、とある投稿者の動画が何かで流れてきた。

Zirai(福袋)さんだ。
Zirai(福袋) - ニコニコ (nicovideo.jp)

【ゆっくり実況】人は拾ったカードだけで決闘できるか?【遊戯王】 - ニコニコ動画 (nicovideo.jp)

動画を見始めたときはすでにシリーズが完結していたので、少なくとも2014年以後に見たのだと思う。

面白かった。何より、遊戯王の進化を知った。

魔法使いの裁きから9年以上経過して、改めて遊戯王に興味を持った。しかし当時の私にはお金がなくPSPもなかったので、Ziraiさんの動画を何度も何度も見た。(当時タッグフォース6はプレミアついてた)

2015年1月22日に遊☆戯☆王アーク・ファイブ タッグフォーススペシャルが発売された。

遊☆戯☆王アーク・ファイブ TAG FORCE SPECIAL
2015年1月22日発売
タッグフォースでギャルゲー要素も3Dモデルも全て消えた問題作。
キャラと仲良くなる過程などはなく、CPUとデュエルするだけのソフト。

これを機にPSPを買い、タッグフォースでCPUとデュエルしまくった。勝てるデュエルは楽しかったので、ひたすらやりまくった。シャドールと影霊衣デッキを使って、すべてのカード9枚揃えた。

遊戯王が楽しい。兄やかずまくんにボコボコにされていた自分が失ってしまった感情だった。

もし私がタイムスリップ出来るのであれば、子ども時代の私に当時の環境デッキ(構築済み)を渡したい。

また当時バイト先の友人が遊戯王OCGをやっているという事もあり、友人のデッキを借りてデュエルしていた。シューティング・クェーサー・ドラゴンを使ったデュエルで考えすぎて「もう20分経ってるでオイ」ってちょっとキレられた記憶がある。

バイト先が爆発四散した影響で友人とも疎遠となり、私自身が実カードを買うまでには至らなかったが、楽しかった記憶だ。



遊戯王VRAINS放送開始

そんな中、遊戯王VRAINSの放送が始まった。

遊戯王VRAINS
2017年 5月10日 放送開始

当時、新マスタールールの施行により遊戯王の人口が大量に減っていたらしいが、友人とのデュエルも無くなり、タッグフォースでシコシコしていたので無縁の話だった。

私は基本的にアニメを見ない。決まった時間にテレビをつけて、ちゃんと待機することが出来ないからだ。別に体が悪いとかではなく、自由な時間に見たいという理由だけ。

なぜVRAINSは見ることが出来たというと、ニコニコ公式チャンネルが1週間無料で配信していたためだ。

遊☆戯☆王VRAINS 001「俺の名はPlaymaker(プレイメーカー)」 - ニコニコ動画 (nicovideo.jp)

当時もやっぱりニコ厨だった自分は、ランキングに上がってくるVRAINSを欠かさず見ていた。リアルタイムで最初から最後まで追った、唯一のアニメだと思う。子どものとき放送していたDMは見落としもしょっちゅうしてたしね…

「底知れぬ絶望の淵に沈め!」って言いながらミラーフォースだったのは、流石にテンションが上がった。

敵役であるリボルバーがミラーフォースを発動する前のセリフ。
この時代まで来ると、ミラーフォースが採用されることは少ない。
発動したら強いが、攻撃宣言時しか発動できないためメインフェイズの敵の行動を妨害できず、
バトルフェイズには手遅れになっていることが多い。



遊戯王マスターデュエル発売

遊戯王VRAINSの放映が終わり、別段遊戯王と関わりなくのほほんと過ごしていた。遊戯王SEVENSは何か見なかった。遊戯王MADも権利者削除でかなり消えていった。

そこで発売されたのが、遊戯王マスターデュエルだ。

遊戯王マスターデュエル
2022年1月19日発売
基本プレイ無料という素晴らしいゲーム。
無課金で余裕で出来る。

まごうことなき神ゲー。気が狂うほどやっている(現在進行形)
ダイヤ1も行った。古のデュエリストである私は先行制圧が嫌いなのでエルドリッチとスキルドレインサイコー!ってなっている。
ちなみにマスターデュエルでは間違いなく嫌われる思考である。

黄金卿エルドリッチ
マスターデュエルではおそらく嫌われている。
スキルドレイン
多分マスターデュエルで1番嫌われている。

そんなこんなでマスターデュエルをやりまくっている私は、配信でやったりなどして色んな人と交流を深めている。
また友人と煽りあいをしながらよくデュエルをしている。

友人とデュエルするときはよくⅣ(画像のキャラ)になる。
画像は勝ったときに言う。
伏せカードを開くときや、効果無効にするときに言う。
字幕はないが、この時のセリフは
「なんで俺に気持ちよくデュエルさせねぇんだ」
負けたときや妨害されたときによく言う。


そんなこんなで、今では遊戯王を楽しくやっております。

高橋和希氏の遊戯王単行本のまえがき。

遊戯王という共通の目的で、色んな人と交流が出来て、友人とも煽りあいをしながらデュエルをしております。

高橋和希先生、素晴らしいゲームを、本当にありがとうございます。







兄やかずまくん、マスターデュエルやってねえかなあ。ボコボコにしたい。

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