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深読みスイッチ
僕は満員電車で自分のスマホを見れない。
なぜなら自分は周りの人の画面が気になるから。
↓
でも絶対に見ない。
こいつ絶対見てるだろ、と思われてたら嫌だし。
僕は隣席との距離が近い喫茶店で話ができない。
なぜなら自分は周りの人の話が気になるから。
↓
これは聞く。
ネタのストックのためだと言い訳をして。
そんな僕は、
日常のほんの些細なことから、
《深読みスイッチ》をオンにして、
楽しむことしばしばです。
とあるパークのアトラクションでの並び列。
目の前の若きアベックの女性がポツリ。
女性「え、身長117センチ以下は乗れないって。わたし、大丈夫かな・・・」
男性「アハハハッ」
《深読みスイッチオン》
どうみても大人の彼女は軽く身長をクリアしている。
となると、ジャンルとしては冗談の部類だ。
でも、この冗談は革新的とは言えず、どちらかというと使い倒された部類に入るのではと思う。
そんなコスリ倒された冗談をさらりと口にする女性。
あまりに長い並び時間が普段の彼女とは違う一面を引き出したのだとしても、
彼氏に求められるものはツッコミ、否定、注意、訂正の返答ではないだろうか。
だとすれば、彼氏の返し大丈夫か?
「アハハハッ」ってそれもはやスルーと同義じゃね?
彼氏も並び時間長すぎで思考停止してたんか??
昼過ぎの忙しさが完全に落ち着いた喫茶店。
階下を見渡せる窓際で僕一人、四つ離れたテーブル席に外回りには似つかわしくないスーツを着込んだ男性が二人。
そろってタバコに火をつける年配と若いの。
今の時刻的にもたばこのペース的にも真っ当ぽくなさそうな職種に思える(偏見)。
若い「んで、そいつのテストの点数が0点だったんすよ! 0点っすよ!?」
年配「へー」
若い「俺、思うんすけど0点って逆に天才じゃないすか?」
年配「おー」
《深読みスイッチオン》
僕が盗み見れるのは若い方のドヤ顔のみだけど、雰囲気的に二人は上司と部下だと推測される。
壁際のソファ席に座る年配の方が上司で、身を乗り出して舎弟敬語で話し続けているのが部下。
「上司との沈黙を埋めるために話が止められない」ってよりは、「とにかくおしゃべりなだけ」って印象なので、見た目の年齢差の割に関係性は近いのかもしれない。
年配の方の薄いリアクション、空いた器の形状からして若いのが頼んだのはおそらくパフェだ、などなど
いくらでも深読みの枝が広がっていく設定ではあるが、
とにかく言いたいことはこの一言に尽きる。
「0点って逆に天才」って、別にうまくないと思うよ。
![](https://assets.st-note.com/img/1693231043600-0vANVnpgJL.jpg?width=800)
深読み癖がつくと、その深読みはすべて自分に返ってくる。
深読みブーメランは思いのほか深く胸に突き刺さるので、自分の言動を縛りつけることにもつながる。
でも、なんだかんだタメになるし面白いので、
やめない。
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