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「8連戦の最後に証明した結束」~2019 J1 リーグ第31節 vs ジュビロ磐田~【レビュー】

皆さんこんにちは、太古の森と漆黒の獣です。

アウェイ8連戦ようやく終わりました、最後は3連勝で締めてトータル4勝2分2敗!!

首位で味スタに帰還です!!

8連戦の最後は強度の高い試合になりましたね、それでは試合を振り返ってみましょう。

こちらはこの試合のプレビュー↓

この試合の実況キャスです!↓

こちらのレビューも是非!↓

それではいきましょう!!

スタメンはこちらです↓

【東京】
・前節とスタメン、ベンチとも全く同じメンバー
・ベンチ入りはしていないが小川が帯同、こちらは復帰間近
【磐田】
・こちらもスタメンは前節と変わらず、ベンチには大南が入った
・川又と山田はベンチ入りせず

■前半① ~虎視眈々~

予想通りに4-4-2同士でのぶつかり合いとなった、キックオフ直後から磐田が攻勢に出る。
ダービー勝利の勢いそのままに、ルキアン、アダイウトンを軸にサイドの高い位置を基点にしてテンション高く東京陣地になだれ込んでんでくる。
磐田の狙いは分かりやすく「サイド」東京が中に圧縮する事で空くサイドのスペースを徹底的に使う意図が強く出ていた。
サイドチェンジも多用しながら、ドンドンと深い位置に入ってくる磐田を相手に、東京は無理に前からプレスをするのでは無く、ブロックを作りながら自陣に引く形で、出来るだけ背後のスペースを消して後ろで跳ね返してカウンターを狙う体勢をとっていた。
まるで試合終盤ビハインドを負っているチームの様なテンションで迫る磐田であったが、東京のとしては予め予想はしていたのだろう、特に面食らって慌てているような感じは受けなかった。
事実、5分パスセンスの成長著しい橋本から磐田ディフェンスラインの後ろを抜けた永井へのパスだったり、8分にはこぼれたボールを拾った永井がスピード活かして磐田が守備セットをする前に仕掛ける形を見せたりと、東京が狙いとする攻めの形も出せていた。
14分には自陣左サイド深くで奪ったボールからロングカウンターが発動、中央でディエゴ永井を経由して左サイドからが持ち込む、中央に上がってきた永井に再びパスが渡る、シュートは惜しくもブロックにあってしまったが非常に綺麗なロングカウンターだった。
このシーンは永井三田が、磐田のディフェンスラインとボランチの間に出来たスペースに入り込みボールを受けたのだが、失った時の切り替え(ネガティヴトランジョン)が遅い磐田両ボランチの弱点を突く事が出来ていたと思う。

磐田はサイドからクロスを使って東京ゴールに迫ってくるものの、耐えながらもしっかり隙を伺いながら磐田の弱い部分を虎視眈々と狙って攻撃を繰り出せていたので悪くない序盤だったと感じる。

■前半② ~アクシデント~

試合自体は磐田のテンションに引き摺られる様な形で、そこかしこで激しいデュエルが繰り広げられる中でアクシデントが起きる。
23分、ルーズボールを追いかけたルキアン渡辺がもつれて、渡辺が倒れ込んだ際にスパイクが芝に脚をとられて足首を負傷してしまう、一旦はピッチに戻った渡辺だったがやはりプレイ続行は難しく無念の負傷交代、27分に岡崎と交代になる。
この試合、磐田のストロングポイントであるルキアンを森重と共に封じる役目を負っていて、この時間までしっかりと封じていた、更にはU-22代表にも選出され、チームも優勝争い佳境での怪我、責任感が強く人一倍チーム愛の強い渡辺は悔しかったのだろう…担架で涙をしていた。
チームメイトが担架に駆け寄り声をかけていたのはその気持ちが痛いほど分かっていたからだと思う。特にパートナーの森重「剛、大丈夫だ、オレ達がなんとかするから」そんな風に声をかけていたんじゃ無いだろうか。(100%妄想です)

そんな場面で投入されたのは同じくU-22世代の岡崎、今季はトップチームでの出場が5試合目、最長でも20分に届かないという中で、勝ち点3必須の試合にアクシデント、しかも前半途中から入るという極めて難しい状況でのプレイとなった。(この時めちゃくちゃマコに祈りましたね、マジで)

ルキアンのスライディング自体は悪質なものでは無かったが、その後もデュエル頻発で強度の高い競り合いが続く、特に磐田の選手達は自らが置かれた状況からくる切迫感もあったのだろうか、球際での当たりは非常に激しく悪意云々というより必死さから「ブレーキが緩く」なってしまっている様な印象を受けた。
30分、ルーズボールを追って室屋藤田が接触、藤田は先にボールに触ったのだが、スライディングの勢いのまま室屋に接触、幸いにも負傷は避けられたのだが、先の渡辺の負傷もあったので東京の選手は猛抗議をする。
このまま試合が進むと更に荒れるなぁと思っていたら、山本主審が動く。
しっかり他の選手と距離を置き、時間をかけて藤田に理由を説明しながらこの試合初めてのイエローカードを提示する。
これは藤田へというよりも、他の選手に対して「これくらいの激しい接触のファウルには今後はカードで対応するよ」という文字通りの「警告」を行った様に個人的には感じた。
(渡辺の負傷シーンといい、このシーンといい、これが後々伏線になっていたなと感じたので長くなっちゃった……。)

その後、東京磐田陣内でボールを奪って、右サイド室屋が単独突破からのクロスを中央で受けたディエゴが決定機を迎えるが、シュートコースが甘く八田がセーブ。
このシーンを見た時にまだまだディエゴが流れの中からゴールは難しいのかと思ってしまった。
逆に磐田は42分、43分、45分とストロングポイントのルキアンのキープ力、ポストプレイを活かして立て続けに決定機を迎えるがこれはがセーブして事なきを得た。
東京渡辺森重がマッチアップした際はしっかりルキアンを押さえ込んでいたが、高萩岡崎がマッチアップした際にはチャンスを作られてしまっていたが、これは仕方ないだろう。(ルキアン反則、マジ反則、欲しい)


お互いに丁々発止から狙いとした形でゴールに迫るも得点には至らずといった前半であった。
試合が前半からこれだけテンション高くなったのはエンドチェンジの影響もあったのかも知れない、磐田は普段は後半攻めるサイド(試合終盤に迫るイメージ)だったので一気呵成に攻めにかかったのかも知れない。
(エンドチェンジは東京側が、日差しを考えて選択したらしいけどホントかな?ちなみにエンドチェンジは今年3戦3勝である)

■後半① ~功を奏した狙い~

後半開始、メンバーチェンジは無しで、お互いに前半の形を継続して入ってきた。
これは個人的な感触だが、藤田の警告から磐田側のなりふり構わないような球際の勢いは少し衰えて来た様に感じた。
そんな中で東京に待望の先制点が生まれる。


中盤でボールを持った橋本(このへんのプレイにも橋本拳人の成長と貫禄を感じる)から、大外から抜け出して磐田ディフェンスラインの裏へ入り込んだ室屋へ浮き玉のパスが通る。この形は前半にも2回ほどあり、鳥栖戦神戸戦でも同様の形はみられたのだが、如何せん室屋が抜け出しても中央に人がいないので決定機まで至らないことが殆どだった。
このシーンでも中に人が詰めておらず、藤川が後方から追い付いたのでチャンスが潰れてしまうかと思ったのだが、切り返した室屋に対して藤川は対面して待つのでは無く、ボールを奪いに行ってしまった。
藤川の爪先が室屋の脛に当たり、目の前で見ていた山本主審はPKを宣告する。確かに触れてはいるし、対応としては拙かったのも確かではあるが、前半の渡辺負傷や藤田のカードなど印象としても吹きやすくなっていたかも知れない。
藤川としては中もしっかりDFの枚数は揃っていたし、この対応は痛恨だったと言わざるを得ない、東京の守備陣だったら先ずやらないであろう守備の仕方であった。
このPKをディエゴがきっちり決めて52分東京が遂に先制点を奪う事に成功する。

■後半② ~相応しい締め~

先制点を取る事には成功した、あとは締め方である。
磐田藤川→大久保、と交代カード切ってきて前への攻勢を強めてくる。
特に磐田が交代によって単独でこじ開けられるアダイウトンを左サイドに移して来た為に、右サイドの守備に手を焼く状態になる、60分には左サイドでアダイウトンから逆サイドへクロス、開いて待っていた大久保のシュートでが抜かれるが、カバーに入っていた岡崎がナイスブロックでギリギリ踏みとどまった。
アダイウトンに対しては室屋が縦への突破と内側に切り込んでのシュートを警戒していたが、その分クロスを上げやすい状態になっていた。
東京三田に替えて「締め」大森、右サイドの手当てが急務になっていたので、この意味が強かったのだと思うが、大森アダイウトンにはしっかりとプレスバック、挟み込む事で容易にクロスを上げさせない状況を作り出した、流石の大森である、この交代によって右サイドは沈静化に成功する。

磐田は更に松本→荒木、山本→ムサエフで馬力のある選手を入れて更なる圧力をかけてくる。
この日の磐田はビルドアップが良く整理されており、特にミドルゾーンでのSBを使った繋ぎは全くと言って良いほど東京は止められなかったが、それでも東京は最終的には中央をしっかりと固めるいつものスタイル。
サイドからサイドへ振られても最後はやらせない粘り強い対応が続く、前半からテンション高く動いていた磐田の動きが終盤に向けて下がる中で、東京の選手達は局面局面での対応で最後までしっかりと脚が動いていた。
このスタイルで勝ちきってきた自信もあるのだと思うが、押し込まれても慌てない。
小さな差ではあるが、この頑張りが最終的には大きな差になって順位に現れているのだと思う。



脚を少し痛めたディエゴに変わって田川を投入、81分にはムサエフから永井がボールを奪い一気にゴール前まで迫ると、田川の目の前に零れて来るもシュートミス、決めて入れば試合を決定付けるゴールになったので決めて欲しかった……田川がレギュラーを奪いたいならああいうシーンでキッチリ決め切りたいところである、ポジショニングや守備は良い動きをしているので尚更である。

大久保にバー直撃のシュートを許すシーンなどもあったが、急遽出場となった岡崎も含めて、全員で身体を張り走り回った東京はそのまま最後まで守りきる事に成功、見事にアウェイ8連戦を3連勝で終える事が出来た。
3連勝が何れも先制してから守りきる形、強かった東京の必勝パターンがここで戻ってきた感があるのは何度も心強いものである。

■スタッツ比較 ~白熱のデュエル~

この試合をもっとも良く表した数値がデュエルであろう、お互い合わせて120回近い回数を記録している。そして走行距離、スプリントで上回っているかどうかは、最近の東京の好調のバロメーターと個人的に感じている。

■ PICK UP PLAYERS ~林&岡崎~

こういった押し込まれる試合ではGKの活躍は不可欠である、この日のはポジショニングが素晴らしかった。良い位置にいるからボールに届くし、シュートも外れる。


そして岡崎、急遽出場となったが素晴らしい活躍だった、フィジカル的に劣勢の相手でも正に「頑張って」対応し、更には渡辺よりキープ力、ビルドアップ能力が高い事を証明した働きぶりは代役とは言わせない働きぶりだったと思う。
森重と岡崎のビルドアップ能力は新たな戦術的な幅を拡げてくれる可能性も感じた。

■まとめ

アウェイ8連戦が終わった、トータル4勝2分2敗勝ち点14。
過密日程等では無かったが、準備や環境を考えると大変だったと思うし、それを勝ち越して乗り切れたのは素直に素晴らしい。
これは裏方やファンも含めたチーム力で乗り越えたと言うべきだろう、アウェイにほとんど行けなかった身としては感謝しかない。

そして鹿島川崎に敗れた為に残り3試合で首位になった。
そして首位で味スタに帰還である、正直出来すぎな展開だと感じる(笑)
このホームに帰ってくるタイミングで自力優勝復活というのはとんでもなくモチベーションが上がるだろうし、ここで代表ウィークを挟むのは代表選手がいるとはいえありがたい。

首位には返り咲いたがやる事は変わらない、「目の前試合に勝つ」これを最後まで続ける事。
これは別に今更言うまでもなくチーム、ファン共通した思いだろう。

残り3試合も全力で、最後の1秒まで。

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