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アートを購入しました

こんにちは。
パティシエの鈴木です。

湯島でパティスリーを1軒、オンラインでケーキショップを2店舗運営しています。

色々と書きたいことがあるのですが、なかなか時間が取れなくて書きたいことが溜まっていく一方です。

これだけは気持ちが熱いうちに書いておきたいと思うことを今回はnoteに残しておきます。

先日うちの店のシャッターにアートを描いていただきました。

生まれて初めて、こんなに大きなアートを購入したんです。

自分がなぜアートを購入したかというと、当店のシャッターは閉めると何も書いてなかったので、営業してないときは何屋かわからない状況でした。

最初はシャッターにロゴでも入れようと話していたのですが、うちのスタッフが1人のアーティストの話をしたんです。

「鈴木さん、上野駅の改札内に巨大な壁画があるんですけど、最近消されちゃったらしいんですよ。その人のアートがすごくステキなので、シャッターにロゴを入れるんでしたらその人にお願いしてみてもいいんじゃないですか?」

そのアーティストがNijisuke(にじすけ)さんという方でした。

JR東日本の企画で、つい最近まで上野駅の公園口改札内には彼が描いた巨大なアートがあったんですね。

上野駅でこの絵を見た人もいるかもしれないですが、上野動物園に向かう人たちをまるで「いらっしゃーい!」とでも言うかのように出迎えてくれる動物たちのアートが幅17mにも渡って描かれていたんです。

残念ながら今年の1月に、次のプロジェクトのためこの素晴らしい絵が消されてしまいました。

アーティストご本人もそうですが、上野エリアを利用する多くの人たちがとても寂しがっていました。

じゃあ、うちのシャッターに絵を描いてもらおう!

すごく単純に、でもすごく強くそう思ったんです。

動物アートを手がける彼にお願いする絵はもちろん動物のアート。
そして湯島は「猫」の街なので、じゃぁ猫を描いてもらおうと、善は急げですぐNijisukeさんに連絡しました。

湯島が猫の街というのは、店を開けてから知ったのですが、熊本県に湯島という島があって、そこが猫だらけの「猫島」らしいんです。
その熊本の湯島と同じ地名だからということで、猫にちなんだ「ねこまつりat湯島」というイベントを毎年開催しているんですね。

当店も今年からねこまつりに参加予定でした。

もう猫を描いてもらうしかない!

恥ずかしながら、アーティストの方にアートを依頼するなんて生まれて初めてで、予算もほとんどないし、恐る恐る聞いてみました。

びっくりするくらいすぐに快諾いただけて、えー!嬉しい!もう描いてもらうしかない!
ビルのオーナーに連絡して、調整も何度か入り、天気のせいで延長、延長するも、なんとか ねこまつり開催までに猫がシャッターに描かれました。

シャッターアート

めちゃくちゃ可愛いです。
そして「縁起の良い」という意味を持つ当店にぴったりの「招き猫」です。
縁起が良いじゃないですか!

お客さんの反応もよく、1週間ほどシャッターを半分下ろした状態で営業したのですが、道ゆく人々がシャッターアートの写真を喜んで撮ってくれました。


アーティストのNijisukeさんと


ねこまつりのゆるキャラ、サブちゃんご来店

なんで今回アートを購入したことが自分にとって重要だったかというと、アートもお菓子も嗜好品で、生活の必需品ではないんです。

平和な環境の中で、人々がアートやお菓子を楽しめる余裕があるからこそ自分たちはこの仕事を続けていられる。

戦争や日本の武器購入など、自分たちが子供の時と比べて平和が当たり前ではないということを、ここ最近は特に感じるんです。

いろんな考えがあるので、自分が感じてることや考えていることが多くの方と同じではないかもしれないのですが、自分は平和であることを当たり前と思っていたいんです。

自分の子供たちが大きくなって、孫ができて、孫のまた子供たちにも当たり前のように自分が過ごしてきた平和な子供時代を過ごしてほしい。

アーティストやパティシエが当たり前のように職業として成り立つ平和な社会であってほしい。

そんな気持ちで今回アートを買いました。

自分で言うのもなんですが、人生の中でも1、2を争うくらい良い買い物で、当店の大切な財産になりました。

店内には原画も置いてあるのでぜひ見にきてください。
当店の可愛い看板猫です。


原画

2023年2月28日
パティシエ 鈴木 崇志


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