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店舗オープンまでのあれこれ(物件探し、銀行融資など)

こんにちは!パティシエの鈴木です。

だいぶご無沙汰してしまいました。
湯島に店舗 パティスリー ドゥ ボンヌ オーギュルをオープンして、3ヶ月が経ちました。

ようやくゆっくりと考える時間ができてきましたので、備忘録的にnoteに書いていきたいと思います。

今回の内容はざっくりこんな感じです。

  • 物件選びについて

  • 銀行融資について

まず店舗の物件選びについてですが、場所は湯島天満宮の近くが良いと思っていました。

前々から神様の近くで商売することが夢、というか、神様の近くはきっと良いビジネスができるだろうと思っていました。

勤め人だった時から氏神様の力を信じていましたし、ビジネスとしても日本人は年に一度は神社に参拝する習慣がありますので、神様の近くで商売している店舗は集客もそれなりにできるだろうと考えていました。

スタッフの子が見つけてくれた物件が湯島に2軒あったので、早速不動産に連絡して見にいきました。

2軒の物件は比較するとこんな感じです。

物件A
春日通りに面した路面店
・築40年 リノベーションなし
・スケルトン
・坪数25坪
・湯島天満宮から徒歩2分
・以前の店舗は美容室

物件B
・春日通から1本入った路面店
・築50年 リノベーション済み
・オフィス仕様
・坪数23坪
・湯島天満宮から徒歩5分
・以前の店舗はオフィス
・家賃が物件Aより月10万円安

この2つの物件を内見しました。
物件Aは春日通りに面していて、交通量も多いところでした。
通り沿いには消防署や警察署があり、大きなマンションも付近にありました。
ただ、リノベーションなしの築40年物件はかなり古く感じました。

物件Bは大通りでもなく、住宅地、片道1車線のあまり大きくない道路沿いでした。

2つの物件を内見した後にすぐピンと来て、物件Bで間違いないとほぼ確信しました。

物件Bはリノベーションしていたこともあり、外見がシックな黒の建物でキレイな雰囲気があり、入りやすそうだと感じたのと、
物件の道沿いにできたばかりのスーパーがあり、きっとスーパーに行き交う人の導線としても入りやすいだろうと思いました。

また、物件選びにはターゲットが定まっていることが大前提です。
通常ケーキ屋のターゲットは、商業施設に入っている店舗でない限り、近くに住んでいる方というのが一般的です。

もちろん、表参道や渋谷、自由が丘のような人気の場所に出店すれば住民以外の方がターゲットになりえると思いますが、まだまだそんな激戦区に出店する経験値はありません。

湯島が良い、湯島天満宮の近くで商売をやりたいと思った時に、住民の方は重要なターゲット層になります。

そして、もちろん湯島天満宮に参拝に来られる遠方の方もターゲットです。

湯島の住民の方と参拝に来られる方。

この2つのターゲットが定まった時に、御茶ノ水駅から湯島天満宮までの道なりに店があること、スーパーの斜め向かいにあること、大通りでなく住宅地の中で、裏手には小学校もあることから店舗は物件Bで間違いないと確信しました。

すぐ不動産に連絡して物件を押さえて欲しいと伝えました。

物件が決まったら次は銀行からの融資を取り付けます。

今回初めて融資を受け店舗を契約するわけですが、全く知識がなかったので、さてさて困りました。
ネットから情報を集めつつ、知り合いでケーキ屋を経営している方に話を聞いたりなど最初はとにかく情報集めからでした。

知り合いの経営者の方から内装工事の業者も紹介いただきました。
その内装屋さんはケーキ屋を何店舗も手掛けていて、慣れている方ということだったので、すぐ連絡して坪数や自分が考える必要設備などを伝えました。

大体の内装費用と設備費用を出して欲しいと内装屋さんにはお願いしておいて、すぐ資金繰りに取り掛かります。

そこで役に立ったのは商工会議所です。

店舗を出す湯島は文京区なので、文京区の商工会議所に相談にいきました。
商工会議所は加入していなくても相談にいけます。
融資についてどういった選択肢があるのか相談しにいったのですが、選択肢なんていっても、自分はとにかく何もわからない状態だったのでゼロから教えて欲しいという感じです。

融資というからには銀行を決めるんだろうけど、銀行選びもどうしたら良いのかわからない状態だったんです。
商工会議所で相談すると、大手銀行はまず相手にしてくれないので地方銀行に相談しにいきましょうと教えてくれました。

つまり、三菱、三井、みずほといった大手メガバンクは個人事業主が融資に相談に行く場所ではないということなんですね。
(そんなことも知らなかった!)

地銀と呼ばれる、地元に密着した地方銀行に融資の相談に行く、それと金利は自治体からの様々な補助が受けられるので区役所にも相談に行ったほうが良いと教えてくれました。

いやぁ〜、知らないことが多いですね!

商工会議所では文京区の補助事業について聞いたのですが、そもそも自分が事業主として届を出しているのは荒川区でした。
荒川区にも補助事業があり、それについても色々と教えてくれました。

商工会議所である程度情報を集めて次は銀行です。
家の近くにある城北信用金庫で融資について話をしたいと電話で予約をしてから行きました。

すごく熱心な担当の方についていただき、融資について相談です。
その時の荒川区の補助事業でちょうど自分の物件規模に合いそうな融資額のものがありました。

通常金利の半分を区が負担してくれて、保証金も区が負担してくれるという内容です。
その制度を使って借りられる金額が設備費(内装費含む)が2,000万円まで、運転資金が500万円までという内容でした。

実は、できれば3,000万円は借りたかったんです。
内装屋さんからの大体の予算を聞いていて、それに仕込み用の材料費やスタッフの給料を考えると2,500万円だと足りないと思いました。

それでも区が金利と保証金を負担してくれるのはありがたいです。
2,500万円でなんとかやりきろうということになり、設備費2,000万円、運転資金500万円の融資を受けることにしました。

ただ、実際には2,500万円では足りないので、自己資金を700万円ほど追加で店舗の開店を進めました。
実際、自己資金がそれくらいないと銀行は融資してくれません。

お金を貸すっていうのは本当に信用が大切で、自己資金もある程度用意できる人物でないと貸さないというのが銀行の前提なんですね。

つまり、絶対に返せるだろうと確信がある場合に限り銀行は融資しますよ、という感じで、特に1店舗目という不安定な状況での融資は審査も厳しくなるようです。

自分は勤め人を辞めてから1年はオンラインショップで事業を行っていて、独立しても利益を出せるという実績があるのが良かったのと、これまでパティシエとして20年以上勤務してきて、その技術や経験を生かしたビジネスを行うという経営計画が良かったようです。

逆にパティシエが突然IT企業を立ち上げるとか、オフィスワークをしてきた人が突然飲食店を始めるというのはかなり難しいそうなんです。

そんなこんなで、銀行の融資はなんとかなりましたが、結局融資枠だけでは初期費用が足りないということがわかりましたので自己資金も準備して、ちょっと不安な気持ちもありながら内装工事がスタートしました。

物件についても簡単に契約できたわけではありませんで・・・

長くなりましたのでそのあたりはまた別な機会に。

今日も読んでいただきありがとうございました。

2023年2月1日
パティシエ 鈴木 崇志


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