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価値観をアップデートする読書【2023年5月読書日記】

もう6月である。

一年の折り返し地点も近い時期である。今年は昨年までに比べて、結構自分の人生をやれていると思う。

「自分の人生をやれてる」という感覚ができたのは今年4月くらいからで、5月はさらにその感覚を加速させることができたと自負している。

その感覚を加速化させたのは、やはり読書。読書による効果だと思っている。

本noteでは、5月読んで特に印象に残っている本3冊と、読書に関する発見を記載していく。

5月は毎日読書していたようだ

本①仕事系ー改めて仕事に使う脳みそをギア化するー

まずは仕事の本として印象に残っている本をあげる。
こちらの本である。

本書は15年前に出された地頭力なる本の改訂版となっている。

筆者によると、地頭力とは「結論から、全体から、単純に考える力のこと」であるという。

私があえて言いなおすなら、目的思考といったところか。誰に何を伝えるためにどう頭を使うか、だと理解している。

見出しに「仕事に使う脳みそをギア化する」と書いたが、まずギア化について触れたい。

ギア化とは、歯車のことであり、もっというとミニマリズムの文脈でいわれる「洋服のギア化」からインスパイアされて使った。

意味していることは、仕事での脳みその使い方として毎回0から100まで考えるのではなくて、歯車をうまく組み合わせるようにして毎回80から100まで考えるといったことである。

これはプロジェクトは異なっても基本的な頭の使い方は一緒であるため、0から考えていると思考がもったいないと思ったから生まれた発想である。

本書はそもそもコンサルに入社する大学生向けに書かれているので、フェルミ推定とか、フレームワークとか、そういうコンサルっぽーい言葉が多いが、それ以外にも応用がきく発想だと思うので別の例をあげる。

例えば、部下に指示を出す時。毎回「これはどう表現して伝えようかな」と悩んでいるのは馬鹿みたいだ。そこで、例えば部下に指示を出す時の指示文章はテンプレートを作っておいて、あとは埋めるだけにしておく、とか。

個人用のフォルダに資料を整理して入れておいて、次回以降の作業の参考にしたり、他人に渡して作業イメージを伝えるのに使ったり、とか。

本書ではもっと高尚な、例えば○○市場の市場規模をフェルミ推定してくださいとか、そういう感じではあるのだが。

(何かあった時に0から考えないで、例えば「わからないことに出会ったらフレームワークに当てはめて整合性をとろう」といった0スタートではなくて60スタートを切ろうといった話である。)

最近仕事で大事なのはいかに早く筋のいいファーストドラフトを出してフィードバックをもらうか、であることに気が付いたというか、ようやく無意識にそう思うようになったのだが、本書を通して、より「いかに早く筋のいいファーストドラフトを出すか」が洗練することができたと思う。

仕事でパニクッたり、あれーもうちょっと時短できるはずなんだけど、と思う方にお勧め。

本② ミニマリスト系ーミニマリストはモノだけじゃない!ー

次に紹介したいのは、こちら。kindle unlimitedだ。

ミニマリスト系と書いたが、本書はゴリゴリの節約の話である。

しかし、「持ち物を減らすことでメンテナンスコストも下がるし、物欲も減るし、結果として節約になる」という文脈でミニマリストに触れられている。

また、私はミニマリストになってみて、ミニマリストになることとはつまり「どういうモノの持ち方をしたら私は幸せなのか」を考え続けることだと思っている。

換言するなら、「inputとoutputをどうすると私は幸せなのか」である。モノをどれだけ持つのか、どう持つのか…。

また、ミニマリストというとモノに重きがおかれがちだが、現代社会では時間、お金もモノと同様に自分の資産である。

我々は、自分の時間やお金が浪費されると感情が大きく揺さぶられる。これは時間やお金が自分にとって資産であるからにほかにない。

本書では、自炊すれば食費が浮く!といったそりゃそうだといった話から、サラリーマンであっても確定申告をすると税金の金額に敏感にならざるえないといったかなりガチな話まで載っている。

本書の多岐のわたるテーマを読んで、私はミニマリストになることはつまり、モノだけではなく、時間、お金もこのように「どうあれば自分が幸せなのか」を考えることの対象なんだと学んだ。

ミニマリズムを追求するhowとして、ミニマリストと名前がついている本や動画だけではなく、自分の資産であるお金や時間についての節約、もしくは使い方の本や動画もあることに気が付けた。

本③心理学系ー「大きな物語」なき現代をいかに生きるのかに向き合うー

3冊目は日本にユング心理学をもたらした心理学者河合隼雄の本である。

本書について、私の言葉で説明すると、イギリスの産業革命以後、資本主義に飲み込まれて都市化が進み、核家族が主たる家族構成になった現代社会において、いかに自分のあり方を見つけるのか、のヒントを河合隼雄が自身の知見によって源氏物語から見出すというものである。

これは、土井健郎の「甘えの構造」のような本を読んだことがある人は「はいはい」となる話だと思う。

甘えの構造は戦後の話だが、卑近な例を出すと男女雇用機会均等法が成立する前は女性は専業主婦になり、男性は社会にでて働くというのがスタンダードとされていた。

それが今は女性も男性も働く、働かない選択肢があるし、何なら「自分らしさ」を追求する自由がある。

そして、それは同時に「自分がいかに生きるのか、これでいいのか」と悩む余地を人間に与えている。

私はどちらかというと自由に行きたいし、自由のための責任を負うことになんらためらいがないタイプではあるが、世の中には他人に決めてほしいという人もいることを理解している。

そういう人にとっては士農工商ではないが、ある程度身分社会だった方が余計な悩みがなく過ごせたのではないか。

こういった社会構造の変化を前提に、「ではいかに自分のあり方を見つけるのか」という問いに対して、本書は源氏物語に出てくる女性たちを例にヒントを与えてくれる。

詳細な説明は本書に譲るとして、本書によって私は男性優位社会において女性は男性との関係性によってさまざまな自分のあり方を規定することが「可能」であることを発見した。

本書内では、女性は男性との関係性において、「母」「妾」「娘」「妻」という規定があるとする。

これは、過去にTwitterかどこかで見た「母」を辞めたいといった言説にも通ずる概念であるように思う。

ここで私が言いたのは「なんで女性だけ男性に対するあり方があるのか」という批判ではない。

私が言いたいのは、あり方が規定されているからこそ、そのあり方に対して自分がどう思うのか、仮説検証しやすいということである。

あり方が規定されているからこそ…というのはどういうことか、について、所謂診断テストを例にあげて説明したい。

16タイプ診断とか、岡田斗司夫の4タイプ診断であるとか。人間は人間を分類したがるようだ。これに対する批判もある。人間はそんなに簡単に分類できないとか。

しかし、私はある程度の類型があるからこそ、自分について言語化しやすくなっている実感があるため、これを有効活用することを進めたい。

診断結果からしっくりくる言葉があればそのまま借りればいいし、しっくりこないなら何がしっくりこないのか言葉を尽くせばいいのだ。

話は女性の男性に対するあり方に戻る。妻、妾、娘、母といった4タイプにわけて自分はどうありたいのか考えてみればいい。どういう妻でありたいのか…。

そしてこれは時代によって、資本主義によって、コミュニティによってよしとする妻のあり方は異なる。

例えば、田舎のあるコミュニティでは妻とは夫の家に仕えるのがよいとされていたり、都会のあるコミュニティでは最新の子育てグッズを活用するのがよいとされていたり。

ここは人によって異なる部分であろうが、まずこういったあり方があり、それはもっと外側の環境から規定されているという構図を知ることによって、自分の中にある「世間はこうするべきだと思っている」という思い込みを俯瞰して見つめることができると思う。

発見①本に求めることが情報なら買う必要はないーブックカフェの活用ー

ミニマリストと読書家は両立しにくい。何故ならほこりがたまる本はミニマルな状態を保つのを邪魔するからだ。

そこで私は読書感想文のテンプレートをもって、読んだらメモして学びきってもう読み返すことはないという状態にし、積読を出さないことにしている。

しかしもっといえば、何も本を物質として買う必要はないのではないか。

つまり、ブックカフェにいって、さっと読んで帰ればいいのである。

ブックカフェは色々あるが、蔦屋書店が手掛けるシェアラウンジは本も多いし、室内の雰囲気もいいし、かなり気に入っている。

(蔦屋書店が直接運営してない提携店は本が少ないように見えるので注意)

ちなみにシェアラウンジは滞在費がかかる。スタバで飲み物を買えばいい、というものではない。しかしその分治安がいいし、席の心配もしなくていい。

場所によって異なるが、1時間大体3,300円である。これを高いと思うかどうかは人それぞれだが、私は次のように考えている。

本屋に平積みになったりTwitterで見たりする新しい本、1,500円以上する、恐らく来年にはもう見ない、といった本を2冊以上読むのであれば元が取れる。

しかも、飲み物も軽食も食べ放題だし、お金を出している以上読書するほかない。

シェアラウンジに行ってみると割とPCをいじって本を読まない人が多いように見えるが、コワーキングスペースよりは割り高だし、読書した方がいいんじゃないかと私は思う。

私はシェアラウンジでは明日から実践できるような仕事のハック系を主に読んでいる。そういう情報は水物だし、中古になってから読めばいいものではないからだ。

一方でシェアラウンジで古典とか、哲学とか、一冊読むのに時間がかかるような本は読まないことにしている。そういうのはじっくりじっくり読む必要があるからだ。

以上、本に対するお金の使い方として、ブックカフェ(1,500円の本を2冊以上、即効性のあるジャンルの読書)は非常に満足度が高いことがわかった。

恐らく読書に対するコストパフォーマンスというだけでなく、事前に時間の目的を決めているのが満足度の高さのミソであろうと思う。

来月も該当の読書をしたいのであれば、やっていきたい。

発見②どこでもいつでも本を読むー25分読んで5分休憩の原則ー

5月は出張が多かった。幸いなことに移動時間に仕事をする理由がなかったので、読書のための時間にすることができた。

何も決めなければ、新幹線に乗っている間、ただスマホいじるだけになってしまうと考えたので、あらかじめiPadに本をダウンロードしておき、「絶対に〇時間で〇冊読む」と決めて、ゲーム感覚で読んでいた。

その結果、新幹線の中であれば、背もたれに背中をつけず、良い姿勢を保ち、iPadを目の高さまで上げ、25分一心不乱に読む。25分たったらどんなに夢中になっていても切り上げて、立ち上がりデッキで窓の外を眺める、ことが有効だとなった。

新幹線の中での過ごし方について、筋肉くんが有用な動画を投稿している。

ちなみに25分集中して、5分休むのはポモドーロテクニックと呼ばれているもので、スマホアプリで専用のタイマーなどもある。

私はスマホにもともと入ってるタイマーで原始的にやっているが。

これにより、私は「なんだ新幹線の中でも本読めるじゃん!」という自信になった。

というのも、ただ漫然と読もうとしていた時には何も創意工夫をしなかったので読書に集中できなかったのである。

新幹線の中の読書で集中できなかった時とは
・良い姿勢を保っていない
・休憩を入れていない
・新幹線の机に本やipadを置いている
(新幹線は案外揺れるので酔う)
・事前に読む本を決めていない
などであった。

6月も継続して出張はあると思うので、新幹線の中での読書は続けていきたい。

発見③5,6冊読めば価値観を変えられるのかも

まだ実験的な段階ではあるが、読書でいかに価値観をアップデートさせるかについて書く。

「常識とは18才までに積み上げられた先入観の堆積物にすぎない」とアインシュタインは言ったように、今の価値観というか常識は確定した決定した、不変のものではない。

しかも、この広告が溢れた現代社会に生きていたら、確実に資本主義の影響を受けているし、また親や教師といった旧時代の人間の発言からも影響を受けており、それが必ずしも現代をフレッシュに生きる自分にとって有用なものかどうかは定かでない。

ゆえに、ハッピーだと思う時間を増やすためには、自分の心に沿ってない価値観から自分の心に沿った価値観にアップデートする必要がある。

例を挙げると、私はお金に対してネガティブなイメージがあった。実家で「子供にはお金の話をするもんじゃない」など言われていたからだ。しかし、大人になったら今お金の話は必要不可欠である。

例にあげた通りお金の話であるが、5月お金の本を積極的に読むことにし、まずは、手をつけやすい節約術のような本から、段々雑多に読んでいった。

最初は、嫌な感じがした。言葉にするのは難しいのだが、「なんかやだ」という感覚である。しかし同時に「お金のこと知りたいんだよな」という気持ちもあった。

そこで、お金のことを知って何か不都合があるのか?誰が得するのか?を考えた。私には不都合はないし(むしろ得するし)、本を買った作者や出版社、本屋は儲かるかもしれないがそれだけである。特定の証券や保険を勧めているわけでもないし…。

ということで、最初味わった嫌悪感は、恐らくこれまでの価値観による忌避反応だと結論づけて読み進めることにした。

そうして読んでいくうちに、お金への忌避感について解説してくれる本にも出会って、段々お金への忌避感はなくなった。

今では節約万歳、お金大好きである。

このようにして、今の価値観では忌避感があることでも本を何冊か(私の体感だと価値観が変わり始めるのは5,6冊からであるが)読むと価値観を変えられるでは?という仮説に至った。

6月も何かこれまでの価値観だとスルーしてきたジャンルに挑戦して価値観のアップデートを図りたい。

おわりに

6月もたくさん読むぞ!

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