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本屋の品ぞろえ

本屋さんって面白いですよね。知識の宝箱、思想の宝箱ですから、絶対に息の合う本があるのはもちろん、普段なら興味ない分野の本も、目的地へ通過しながらふと見てみると思わずハッとさせられるものがあったりします。

さて、そんな本というのは、日本だけでも1年間ではだいたい8万冊出るそうです。ということは、その年間発行される膨大な本の中から、各本屋さんでは選ばれた本が並ぶわけですね。そして当然、選ばれる本というのは、その街で売れる本、が並ぶわけです。

それってつまり、その町の住んでいる人の思想欲望が見えるのでは?

 例えば、僕が絶対見るのは本屋さんの「心理」のコーナーです。一口に心理のコーナーといっても、「自己肯定感を上げよう」とか「精神障害」についてとか「カウンセリング」ですとか、様々な本が並んでいます。それに「心理」コーナーって肩身が狭いもので、棚1列分で終わってしまう店舗だってあります…。

本屋さんもビジネスです。売れない本はあまり配架しないわけですから、心理に限って言えばその街の人々の悩みが集約されて、透けて見えるわけですね。

これが面白い。

とある街では、そもそも「心理」コーナーが棚1列!悩む人が少ないぶん「趣味」のコーナーがめちゃくちゃでかいため、みんな趣味で発散できる街なんだなあと予測できます。

またとある街では、「心理」コーナーで本棚が埋まっている!特集コーナーがある!今日の一押しは「うまく人と話すためには?職業の人間関係で悩まないために」。…なるほど、そうした悩みが多いのかもしれない。そうした街はまだハラスメントが横行していたり、逆に元気な人が目立つ印象があります。

などなど。単純に立地が大学に近いため、学術本が置いてあったりするパターンなど多種多様ですが、その街の人々の思想が、本屋さんの一角を通して見えてくるような気がするんです。

これを本屋の「心理」コーナーだけではなくすべてのコーナーに目を向けると、面白いことこの上ないです。個人的には「旅行」コーナーは顕著でしたし、今も顕著です。外出自粛でコーナー縮小の店舗はもちろんありますし、逆に変わらず取り揃えているから、この街は外出気質があるか旅行雑誌で思いをはせる人が多いか。いずれにせよ「旅行」に関心が高いわけです。

絶対あるし、普段ある本屋さん。だからこそその街の人々が普段何を考え、何に関心が高い人々なのか、とてもわかる気がするんです。

そんな気持ちも思いながら行く本屋探訪はめちゃくちゃ面白いです。

ぜひぜひ。

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