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コンサル弁理士によるエンジニア・知財マンへの提言2 (発明発掘の肝)

 発明発掘は、エンジニア・知財マンの仕事の肝。勿論、弁理士にとっても同じ。
 ところが、技術者に対して「何か発明はありませんか?」と聞いても、「特に思いつかない」が普通の答え。また、「この辺りはどうですかね?」と答えが返ってきても、発明としての整理は難しい。
 ところで、電気、メカトロ、IT、ソフトウェア、機械などの多くは、おおざっぱに言えば「検出」と「制御」の2つの要素によって成り立っている。図に示すとおりである。

発明発掘の肝

 図のように、状態検出と制御に分けて、開発した技術や商品を眺め直そう。例えばエアコンであれば、「温度を検出する(状態検出)」、「温度によってエアコン出力を変動させる(制御)」となる。開発した技術や商品は、検出にポイントがあるのか制御にポイントがあるのか両者の相関性にポイントがあるのか、の3つに分かれる筈である。
 このいずれかのポイントに絞ってヒアリングをしていけば、発明は見つかるはずである。
 加えて、検出、制御、相関性に分けて発明を発掘すれば、得られる特許の権利範囲も大きくできる。
 「温度を検出する機構+温度による制御機構」という特許よりも、「制御に適した温度検出機構」の特許か、「温度に基づく最適な制御機構」の特許の方が、ビジネス的にも法律的にも強い特許権になるからである。

 そう、検出と制御に分けて発明発掘をやっていこう。

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