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黒磯日記

ふらっと訪れた黒磯がとても良かった。
目的は特になくて、行ったことのない土地を訪れたかった。

1日目


黒磯に行くには、東北新幹線で那須塩原駅まで。そこから電車でひと駅。2時間もかからない。
今回の目当て、Chusという宿までは駅から徒歩15分。宿からきた予約完了のメールを思い返す。親切で気さくな感じ。会ったことはないが多分いい人だ。宿もきっといい場所だと思う。
Chusのある通りを進むと、服、家具、革小物、お花、暮らしを楽しくするお店がたくさん揃っていた。カフェ好きの友達がすすめてきたSHOZO COFFEEさんの本店も、Chusの近所にあるらしい。今日はもう遅いから、明日行こうかな。

Chusの入口。1Fにカフェ、野菜や食品の販売、レセプション。
3Fは宿泊者専用ラウンジ。テラスもある。涼しい季節はここでのんびりしたい。

1階のお店には那須のおいしいものと、全国の作り手の商品が並んでいた。ここの食品エリアも個人的にとても好みで、思わず自分の買い物に没頭しそうに。前から気になっていたSardinasのレモングラスオイル、麻こころ茶屋のチャイミックス、DADA NUTS BUTTERも。
良質な全国の食品と地元の野菜や乳製品が買えるセレクトショップと、いいカフェがゲストハウスの建物に入ってる。地元の人は各地のおいしいものを買えるし、観光客の人は那須産のものをお土産にするし(泊まるし)。
地元の人にとっても日常的なお店なのかな。そうだとしたらすごいことだなあ。

夕飯は「酒と肴 あくび」さんで。ゲストハウスで晩ご飯も一緒に予約できるのは珍しい気がする。
思いっきり店名に「酒」とあるのに、事前のヒアリングで「お酒飲めないです」と書いてしまった。結論、飲めなくても大丈夫だし、アレルギーも対応してくれた。一人だったからかカウンターに案内される。
話を聞いていたらコース料理らしい。普通のシャツにジーンズで来てしまった。でも、高校生の頃、あだ名が「ダンディー」だったので大丈夫だと思います。何が大丈夫なん?

地野菜のグリル。ソースはマヨネーズではなく、ひよこ豆のペースト
〆鯵と鰹がおいしかった。
無花果、マッシュルーム、鳥もものソテーかな?ミントと生姜の組み合わせが新鮮
鱧と蓮根の天ぷら。細切りにしたチーズと梅肉のソースで食べる

2日目

翌朝、8時起床。
今回は2泊3日で、オプションで1日だけ朝食をつけた。他の日は喫茶店を見つけてモーニングに行く。ボケているので、朝食をつけた日が今日か明日かが思い出せない。
確認したら自分が予約したのは明日の朝食だった。今日に振り替えできるか聞いてみたら快諾される。
そして、この朝食がすっっごく美味しかった。拙者、モーニング大好き侍。喫茶もゲストハウスもチェーンも関係なく週5で行くでござるが、これまで食べた中でも格別でした。おいしかった朝食のパンは後に駅前のkanel breadさんの特注と教えてもらう。「パンだけ地元のこのお店」とかはあるけど、野菜も肉も乳製品も全部那須でまかなっているのはすごいことじゃないかな。
モーニングもあくまでサービスなので、そんなに期待しない。
それでも旅先で、さあこれから出発だ!って時に、こんなに上質な朝ごはんで送り出してくれるのはすてきだと思います。

なにより、今日この朝食のおいしさを知ることができて、本当にラッキーでした。だって明日も食べられるんだからな!!!ガハハ!!!
翌朝がたのしみです。

ソーセージ、ヨーグルトとグラノーラ、厚切りの食パン、サラダ、目玉焼き。写ってないけど飲み物も。

朝10時半、Chus前であくびのスタッフのお兄さんと待ち合わせ。
昨日の夕食の時にお話ししてくれた方だ。用事のついでにGOOD NEWS NEIGHBORSまで車で連れて行ってくださることに。
GOOD NEWSというのはいくつかのエリアにわかれた街のことみたい。親はChusと同じ会社。
今日行くのは複合施設があるところ。他には、那須の新定番土産「バターのいとこ」を作る工房がある。(工房は就労支援施設の役割も果たす。スタッフさんがその立ち上げをしたそう)
また別のエリアには、地域のファミレスも作る予定らしい。チェーンストアとサスティナブルが両立するということなのかな。興味がある。

施設をちょっと案内してもらう、みんなで森林の整備もしていて、例えば間伐材は建物の柱や看板に使うし、地面にはウッドチップを敷いてる。
コンポストも設置してあった。

「循環するまち」GOOD NEWSは那須街道沿いにある。バスでもいけるみたい。
施設のサインはチョークボーイさんが手書きされているそう。「E」のかたちでわかった!
建物と森は仕切りなしに繋がっている。
いとこのドーナツ。ふわふわで軽くて食べやすい。

施設の中は美容室、カフェ、コーヒーロースタリー、カレーパン専門店、ドーナツショップ、アウトドアショップなど、ちょっと珍しいラインナップ。自分たちで立ち上げたお店もあれば、全国各地の根っこの考えが近いお店が入居していることも。尾道でお馴染み、ウシチョコもあった。施設立ち上げのために30人(!)が黒磯に移住したのだとか。
これからもっと街としての機能が拡張していくのかな。来年また訪れたい。

帰りの車中でお兄さんに、「みなさん親切すぎませんか?大丈夫ですか?」と聞いたら、「あんまりお客さんだとかお店だとか線引きがないんだよね。来てくれたからにはちょっとでもいい思い出を増やしてあげたいし、そのためにサポートしたい!って人が多いかもね。」と言っていた。
このフランクさ、尾道の明るい人たちを思い出すな〜。みんな元気かな。

駅前図書館の「みるる」へ。お兄さんとはここでお別れ。本当にありがとうございました。
新しい図書館みたいで、併設のカフェでは地元の牧場の牛乳やヨーグルトを使ったメニューを提供していた。読まなくなった本の循環のようなことも細々と行なっていた。本の展示の仕方が美術館ぽくて新鮮だ。

ちょっと散歩してから1988 CAFE SHOZOに行く。
一番窓際の席に座った。おかれたメニューの一言一言に気が利いていて、目の前で店主に説明されてるような。
ゆったりした店内で、持って来た本を読みすすめた。旅先で読書できるとは思わなかった。

チーズトーストのセット。冷めるのが嫌で1,2枚しか撮らない。後ろがぼけても気にしない

初日に見かけた周辺のお店を散策。服屋さんでカットソーを見て、パートナーに似合うかもなと思う。身長はこのくらいで、肩幅はちょっと広いかも、ゆったりしたほうが好きそうだとか話しながら店員さんとサイズを選ぶ。ものを見て人の顔を思い出すことはよくある。

3日目

個室の窓がとても大きく、光だけで目覚めた。今日も例の朝食。
チェックアウトは12時とゆったりめだけど、予約した新幹線の都合で早めにでた。
土産を買うべく駅前のkanel breadさんに。あんバターサンド、ミルクフランス、ドーナツ、甘いものばかり買いすぎる。出来立てを持ち帰れるから新幹線移動が好きだ。
時間が余り、横のlris bread&coffeeさんで最後の休憩。スパイスたっぷりのキャロットケーキを食べた。
気さくな店主さんに遠くからですかと尋ねられ、少し会話する。老夫婦、お父さんとこども、若い女性、みんな穏やかに過ごしていた。

これにて初の黒磯旅はおわりです。
遠出をするうちに気づいたことがあって、好きになる街にはいつもいい宿といいカフェ、会いたい人がいるな。
来年はパートナーと行きたい。

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