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【知財戦略の基本】価格を16倍に引き上げたわずか6枚のシール

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進むコモディティ化(その他大勢の商品)

 ある男が、お手製の革ベルトを持って地元の雑貨店にこの商品を店に置いてくれないかと持ちかけました。雑貨店の店主はこれを断りました。諦めきれない男はフリマアプリに自慢の革ベルトを出品し、いくばかりのお金を手にしました。2ヶ月後、男は逮捕されました。罪名は不正競争防止法違反。男の売った自慢の革ベルトには、有名スポーツブランドの特徴的な図柄をあしらったバックルが堂々と正面を向いていたのです。警察の取り調べにおいて男は、こう供述したそうです。

所詮ただのベルトです。この時代、少しでも目立たないとビジネスの世界では売れないんです。

 近年、日用品に限らずあらゆる商品・サービスの質が向上し日本国内で購入できる商品やサービスであれば、最低限の性能は確保されるようになりました。性能に限らず、品質・ブランド・全てにおいてどんどん差がなくなってきています。これを商品やサービスのコモディティ化(その他大勢)と言います。それでも、よく売れる商品、よく売れるブランドというものは確かに存在します。それは一体何が違うのでしょうか。

価格を16倍に引き上げたわずか6枚のシール

 三宮にあるアニメグッズ売り場に人気キャラクターのシールを貼り付けた水筒が売られていました。価格は1,600円。100均で売られていてもおかしくない透明の水筒に、ただ人気キャラクターのシールが6人分貼り付けられているというだけで1,600円。これは極端な例ですが、ここで「これが物の価値か!」と頷けたあなたにはビジネスセンスがあります。そう、これが物の価値です。そして、このただの透明の水筒を1,600円の商品に化けさせたものの正体が知的財産であり、これが知財の力です。

特許ばかりが知財ではない

 私は、大阪梅田でフィラー特許事務所を経営している弁理士の中川真人です。従来、日本国内では知財という言葉は高度な技術革新をもたらすごく限られたエリート企業が使うものというイメージが定着し、事業戦略として知的財産を活用するという選択はあまり注目を浴びてきませんでした。
 しかし、知的財産は高度な科学技術に関するものに限られず、デザイン、ネーミング、広告の打ち方とあらゆる「売れるための工夫」全般を指すもっと広い概念のものです。これは、日本の産業発展が生産業を中心とする科学技術の分野で行われたことや、特許法が発明の定義に「自然法則を利用した技術的思想の創作のうち高度のもの(特2条1項)」という明確な定義規定を設けていることに由来します。
 知的財産戦略は、そんなに難しく構えなくても活用できる方法がたくさんあります。フィラー特許事務所では、従来の「知財といえば技術革新」という枠組みにとらわれず、我が国産業の発展のために貢献できるあらゆる「売れるための工夫」を知的財産として保護し、活用するお手伝いを積極的に行っています。

 「売れるための工夫」一般を指す新しい知的財産戦略に興味のある方は、ぜひフィラー特許事務所までご連絡ください。あなたの事業も新しい知的財産戦略で一皮剥けることになること、間違いありません。

一冊の電子書籍にまとめましたのコピーのコピー

弁理士・中川真人
フィラー特許事務所(https://filler.jp