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決戦!関ケ原

怖い。

私は怖い。

この国を二分する戦に私も参加することになっている。
東軍か西軍か、私にしたらどっちでもいい。
重臣たちとの合議で東軍に参加が決まった。

私からしたら本当にどちらでもいい。
できるだけ安全な方を選びたかった。
私の考えでは西軍の方がより安全な気がしたが、重臣たちが恩義だの忠義だのどうだっていいようなことを盾にして東軍に参加することを決定づけた。
私は安全な方ならどっちでもよかった。
なぜなら私はこの戦が初陣だからだ。
初めての戦がこんな大きな戦になるとは、なんて運がないんだ。
生まれてからこのまま一生戦などとは縁がないと思い込んでいた。
代替わりしたとたんにこの大変な戦に巻き込まれるとは、なんて運がないんだ。
私は戦が怖くてたまらないのだ。
怖くて怖くてたまらない。
戦なんかで死にたくないのに。
重臣たちはこの戦で手柄を立てるぞなどと息巻いているが、私はこっそりと隠れていたい。
手柄を立てるより生き延びたいのだ。
ああ、戦の日が近づいてくる。

ああどうしよう。

あんなに悩んだ戦はあっという間に終わり、私は無事に生き延びた。
そして二度と戦に行くことなく無事に一生を終えたのだ。

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