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戦うこと祈ること

仏の教えを広めるために我は戦う。

この世は乱世。
人々は自分が生き残るために自分以外を利用する。
だましあい、裏切り、抜け駆けするためにあらゆるものを利用する。
親も子も夫も妻も、表面ではにこやかに笑いあうが腹の中では出し抜く方法を探りあっている。
誰もがみな人を信用しない、そんな世の中。

我は物心つかぬ時に僧侶になるために寺に入れられた。
親がどんな身分でどのような人物だったのか、成人した今でも全く分からない。
今更興味もない。
寺と僧侶だけが我の世界。
しかしそれをこの世は許さない。
我を世間の流れに嫌でも関わることを強要した。

我は世間には関心がなかったが、今まで生きてきた世界を壊されそうになるのは許せなかった。
今まで生きてきた我の世界を他人に壊されるなどとても認めることなどできない。
我は武器を手にした。
僧ではあるが経を読むことより武器を持ち戦うことを選んだ。
思いのほか武器を使うことに抵抗感はなかった。
我は経より武器の方があっているらしい。
戦うことが我の天性の才だったのだと、今日も法具ではなく武具をもち戦いに出かける。


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