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果てなき野望

私は宦官。

宦官になるために何年も勉学に励んだ。
地方から都に出てきて一人孤独に耐え、あらゆる誘惑にも乗らず
血のにじむような勉強漬けの日々を過ごした。
そして科挙試験に合格し、晴れて宦官となった。

宦官となるためにはあの手術が必要だったが、輝かしい未来のためなら惜しくない。
一時の快楽と長きにわたる栄光をはかりにかけたらどちらを取るべきかは考えなくても即断できた。
私は体の一部と将来邪魔になるであろう親族は切り捨てた。
容赦なく。

そして私は今、皇后付きの宦官となった。
同期や大抵のものは皇帝付きを狙うが、私は皇后付きを最初から狙った。
なぜなら皇帝の意見を左右しているのは皇后だからだ。
権力を狙うなら直接皇帝ではなく皇后から攻めるのが得策だと判断した。
そしてそれは正しかったのだと、私は確信している。
最近の施策は皇后の意見が反映されていたからだ。
皇后の意見つまり私の政策ということだ。
このままいけば数年ののちに私は宦官の中でも最高の地位になれる。
つまりこの国の最高位ということだ。
来るべき未来がもうすぐ私の目の前に現れる。
楽しみだ。

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