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ファシリテーターとして「贈り物を探す」

うるう年ですねー、こんにちは!
何を隠そう僕はZuziのファンです
そのZuzi先生曰くスクラムマスターのコンピテンシー(能力)の一つにファシリテーションがあります
ファシリテーションはグループのコミュニケーションを効率的にして、グループの能力を高めます
ファシリテーションはグループへの介入を試みるシーンがありますが、僕は「贈り物を探す」というファシリテーションの介入の仕方を決めるときに役に立つ考え方を気に入っています
今日は「贈り物を探す」という考え方と意識することでできることを書いてみます

「贈り物を探す」という考え方

僕は書籍「ファシリテーター完全教本」を読んでこの考え方を知りました
説明すると、誰かが言った台詞を贈り物と受け取ることで、その台詞を活かす手立てを探すことができる、という考え方です
作者の方は即興劇のインストラクターの方から学んだと書かれていました、すごい!!
即興劇では誰かがあなたに言った台詞を活かして応答しなければ、即興劇を活きたものにできません
グループの会話では即興劇をしているわけではありませんが、この教えをファシリテーションに活かすことができます

自分の関心ではなくグループに関心をもつ

ファシリテーターがグループの会話への介入を検討するときに、自分の関心や興味に気を取られて介入すると効果的にならない場面があります
たとえば、グループの会話の最中に参加者の誰かが下を向いている態度だったとします
ファシリテーターのあなたは「下を向いているようですが、何かありましたか」と聞くこともできますし、「さきほど、今後の方針の話をはじめてからあなたは下を向いているように見えたのですが、何かありましたか」と聞くこともできます
違いは会話と介入を関連づけているかどうかです
会話と介入を関連づけることによって介入が自然なものになって受け入れられやすくなります
なぜなら、グループの参加者の立場からファシリテーターが介入した意図をつかみやすくなるからです
僕は考え方をイメージするためにグループの会話を即興劇に置き換えて考えてみました
即興劇で演者がグループの会話をしているとして、いきなり演者の誰かが直前の台詞を活かさないで「下を向いているようですが、何かありましたか」と介入してきたら他の演者や観客はびっくりするでしょう
演者はどうして前の台詞を活かさないで、そんな介入をしたのかわかりません
その後の台詞も演者が前の台詞を活かさないと即興劇として成立しません
台詞を活かすと他にも場面によって「先ほどグループに質問はありますか、とPOの方が質問したときのグループの反応で誰からも質問が挙がらなかったのはどうしてでしょうか、どういうことを考えていましたか」と尋ねることができます
ファシリテーターが介入するときに台詞を活かして介入することで、グループの会話に関心を持っていることを伝えることもできます

ファシリテーターとしてグループの代わりに贈り物を受け取る

会話を贈り物として観察すると、贈り物と受け取っていない会話に気づけます
参加者が自分の関心だけに気を取られて質問や説明を繰り返していたり、周囲の感情を動揺させる台詞を言ったり、正しさに気を払い対立の解消に向かっていかなかったりする場面を思い出します
そんなときにはファシリテーターとして、代わりに贈り物を受け取って介入を始めます
スクラムマスターとしてグループの会話を成熟させて参加者がファシリテーション能力を育てられるように、ファシリテーターとして介入を効果的に実践することでグループの会話に介入する仕方を実感してもらうことができます
グループが会話で贈り物を受け取り合って会話できるように支援できると効果的だと感じます

パワフルクエスチョンの材料が手に入る

台詞を贈り物として受け取ることでパワフルクエスチョンの材料が手に入ります
僕は昔パワフルクエスチョンのセリフを事前に覚えて場で活用する意識でいました
ですが、そうではなく傾聴につとめているうちに自然と質問の台詞を手に入れられるようになりました
変な話ですが、質問の台詞を何を言ったらいいかわからないのに、聴くことに注意を向けると勝手に口から台詞が出てくるようになりました
台詞を受け取るには聴くことに注意を向けることが肝心です
話を聴いているつもりで頭の中で内容を評価したり判断したりして、次に何を言うかを考えていると100%の注意で傾聴できていません
僕の場合は好奇心のメタファーで傾聴につとめると、台詞を勝手に思いつけるようになりました
その後「気づきを得ました」と言われると、パワフルクエスチョンになっていたんだなー、と感じました

会話の中にある贈り物を探すことでできることを考えてみました
ベースには観察するスキルがあるので、贈り物を探すと観察する力も育てることができます
グループの会話を異なる角度から観察することで、いつもと違った発見があると会話がどんどん楽しくなってきました!では、また〜!

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