高齢者の孤独に対してどのように介入していけばいい?
▼ 文献情報 と 抄録和訳
高齢者の孤独と社会的孤立への介入:レビューのスコーピングレビュー
Olujoke AF, Noleen KM, Michael D: Loneliness and social isolation interventions for older adults: a scoping review of reviews, BMC Public Health (IF: 2.521; Q1). 2020 Feb 14;20(1):129.
[ハイパーリンク] DOI, PubMed, Google Scholar
[背景] 孤独と社会的孤立は、高齢化社会における公衆衛生上の問題である。これらの経験は生涯にわたって起こるが、60歳以上の50%の人は社会的孤立のリスクがあり、3分の1の人は人生の後半である程度の孤独を経験する。このスコーピングレビューの目的は、高齢者の孤独や社会的孤立を軽減するための介入が評価されていることを、介入の概念、分類、構成要素などの観点から説明することである。
[方法] 3つの電子データベース(CINAHL、Embase、Medline)を用いて、孤独と社会的孤立への介入に関する関連するレビューを体系的に検索した。対象とした基準は,あらゆるタイプのレビューで,英語で出版され,高齢者を対象とし,孤独や社会的孤立に対する介入の分類に関するデータが報告されているものであった。抽出されたデータは、介入のカテゴリーと、このカテゴリー化を支える理由である。ArskeyとO'Malleyによって提案され、Levac, et al.によってさらに発展させられた方法論の枠組みが、スコーピングレビューのプロセスを導くために使用された。
[結果] 合計33のレビューが対象基準を満たしており、地域社会や施設に住む高齢者を対象とした様々な介入を評価していた。この論文に含まれるレビューの著者は、異なる介入の構成要素を分類するために同じ用語を使用することが多く、これらの用語の明確な定義を提供していないものが多かった。また、介入の特徴の意味にも一貫性がなかった。全体的に、介入は以下に基づいて一般的に分類されていた。1) グループまたは1対1の伝達方法、2) 介入の目標、3) 介入の種類。いくつかの著者は、以前のレビューで使用された分類システムを再現していた。
[結論] 高齢者の孤独感や社会的孤立に対処するために、多くの介入策が開発されている。孤独感や孤立の経験には個人差があるため、標準化された介入を行うことは難しいかもしれない。孤独や社会的孤立に対処するための唯一無二のアプローチはなく、したがって、個人や特定のグループのニーズ、あるいは経験した孤独の度合いに合わせて介入を調整する必要がある。したがって、今後の研究では、どのような介入が誰にとって、どのような状況で、どのように機能するのかを見極めることを目的とすべきである。
▼ So What?:何が面白いと感じたか?
結論で述べられていることが全てだと思う。大切なのはこうした個人差をどのようにカテゴライズしていくか、ということだろう。
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