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Short foot exerciseは膝関節機能にも影響を及ぼす

▼ 文献情報 と 抄録和訳

視覚的フィードバックを用いたshort foot exercise運動が柔軟性扁平足の被験者の膝関節運動のバランスおよび正確性に及ぼす影響について

Kim JS, Lee MY: The effect of short foot exercise using visual feedback on the balance and accuracy of knee joint movement in subjects with flexible flatfoot, Medicine (Baltimore). 2020;99(13):e19260.

[ハイパーリンク] DOI, PubMed, Google Scholar

[背景] 軟性扁平足は、体重を支えることで踵骨が回内される足の変形を特徴とする疾患である。扁平足はバランスや運動連鎖全体に影響を与え,隣接する関節に間接的な問題を引き起こす。本研究では,柔軟性扁平足の被験者を対象に,視覚的フィードバックを用いたshort foot exercise(SFE)が,静的バランスと近位関節の機能に及ぼす影響を検討した。

[方法] 本研究では,30名の被験者を,柔軟性扁平足群(n=15,男性8名,女性7名,年齢22.00±2.07歳)と正常足群(n=15,男性7名,女性8名,年齢22.13±1.55歳)の2群のいずれかに割り付けた。すべての被験者は,視覚的なフィードバックを受けながらSFEを行った。SFEプログラムは、1日20分、週5回、計5週間実施した。トレーニングの前後で,静的バランスと膝関節動作の正確さを比較した。

[結果] 扁平足群では運動前後の静的バランスに有意な差が見られたが,正常足群では見られなかった。さらに、扁平足群では,膝関節運動の正確性は,クローズドチェーンでは運動前後で有意差があったが,オープンチェーンでは有意差がなかった。

[結論] 本研究では,偏平足の被験者を対象に,視覚的フィードバックを用いたSFEが膝関節動作のバランスと精度に与える影響を検討し,視覚的フィードバックを用いた本運動が膝関節動作のバランスと精度を向上させることを実証した

▼ So What?:何が面白いと感じたか?

「Hip-Spine Syndrome」は定着された概念であるが、同様に、「ankle-knee Syndrome」という概念があってもいいと思う程、足関節疾患と膝関節疾患は関連性があると考えている。「ankle-knee Syndrome」(勝手に造語を作っちゃダメですね)に関連するような記事を挙げているので確認して頂きたい。こうした研究が増え、本当に「ankle-knee Syndrome」(しつこい)という概念が定着すると良いなと思う。


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