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#2 ランドスケープデザイン事始め

今日は皆さんにご紹介したい一冊の本があります。
それがこちら↓

星野リゾート等の宿泊施設や、都市再生機構等と公共空間のランドスケープデザインを手掛ける、ランドスケープデザイン業界では有名な
オンサイト計画設計事務所のパートナー 長谷川浩己氏の書籍です。

この書籍、実は、私が大学に再入学するかどうか、悩んでいた時に手にした本。誰もが、風にさわろうと思ってもさわれないように、風景には、物理的に自分の手でふれることはできません。ですが、この書籍は、その風景と自分がどのように繋がっているのかということを体系的に教えてくれ、例えデザイン系の教養がなくても、誰もがランドスケープデザインを目指していいと背中を押してくれる本だと思います。30代に差し掛かろうとしているのに、また大学へ戻ろうとしていることをなんだか恥ずかしく思い、家族にはこそっと隠れて、湯舟に浸かりながらゆっくりじっくり読んだ本です。

内容は、デザインの思考法を紹介している為、若干、普段から本を読みなれていない人にしたら、ちょっと御堅い感じが否めないかもしれません。それでも、ページ数の内、ほぼ半分は実際に著者が携わった案件の写真が掲載されていて、正直、最初はこの写真を見ているだけでも、「風景」って何だろうなって考えるきっかけとなるのではないかと思ってご紹介しました。たっぷり時間がある今だからこそ、自分の身の回りに溢れる風景に気づくキッカケづくりと思ってぜひ読んでみてください。

さて、今回は、「ランドスケープデザイン事始め」ということで、私のように大学で学ばなくても、子どもから大人まで、どんな人でもランドスケープデザインを身近に感じる、見つける方法をお伝えしたいと思います^^
特に、今は外出自粛ということもあり、不要不急の外出は控えるべきです。ですが、ずっと家にこもっていても、気が晴れないし、疲れますよね。ですが、この方法はベランダからでも出来てものすごく簡単!

それは、「自宅周りを観察すること」

人によっては、在宅ワークに切り替わったり、お子さんが休校の為、近くの公園まで散歩して、ベンチに座って休んだり、家の周りをジョギングしている人も多いと思います。そんな時に、単に歩くだけではなく、自分の住む街がどんな街なのかを観察することこそが、ランドスケープデザインの存在に気づくきっかけとなります。私も最近では、卒業制作のテーマ探しの為、自宅周辺を題材にしようと思っているので、徒歩往復2時間程度で帰ってこれる範囲で歩きまわり、地域分析を行っています。

私の場合、大学に入る前から、一人になりたかったり、ゆっくり座って考え事がしたい為に、ありがたいぐらい干渉してくる(笑 賑やか家族から離れて、わざわざ近くの大型ショッピングセンターに行って、コーヒー一杯のお金を払って、座る場所を確保するということに疑問を感じていました。というのも、グアムに住んでいた時は、好きなビーチに行って座ることだってできたし、好きなカフェのドリンクを手に、自転車かバスで15分ほどで手軽に行ける公園までいって、そのベンチでボーっとできる環境がありました。シアトルでは、ホームステイしていた家のデッキがものすごく大きくて、そこに置かれたソファに座って、自然豊かな外を眺めるだけでも十分に自分だけの時間を過ごすことができました。

でも、日本に戻ってきて、実家がいわゆるマンションタイプの為、ベランダの大きさは限られていますし、大きな幹線道路沿いの建物の為、窓を開ければそれはそれは交通量が多く、音がものすごく気になります。近くの公園は、殺風景の中にベンチがポツンとあるだけだったり、車が随時行き交う大きな道路の横にある公園で、音が気になってゆっくりできない環境。どこか、家の近くに、いつまでも座っていられる、ゆっくり本でも読める場所はないのか?とずっと思っていました。

これこそ、風景に気づくこと。

ですが、悪いことだけでありません。むしろ、私はこの場所が大好きです。
なぜなら、いろんな緑に溢れていて、近くには大きな河川敷があります。

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この写真は、家に辿り着くまでの道。
団地内では、多種多様で、春夏秋冬、色々な樹木が順番に花を咲かせたりして、年中飽きることなく目を楽しませてくれます。そして、多くの緑に囲まれているからこそ、街中なのに、多くの野鳥が生息しています。買い物に行くとき、仕事から帰ってくるとき、いろんな表情を見せてくれるこの道を歩くのが大好きです。

きっと、皆さんも、実家住まいの人も、独立して一人暮らし、家族暮らしであっても、その土地に住むことを決めた理由は、家以外に理由があるはず。もし、土地所有の関係で、あまり地域のことは考えずに住んでいます、、、という人であれば、早速ベランダから周りを見渡してみてください。どんな発見があるでしょうか?子どもが安全に遊べる公園はありますか?年配の方が座って集まれるベンチはあるでしょうか。お向かいさんのベランダには、鉢植えはありますか?はたまた、仕事を中断して、一服するサラリーマンの姿がありますか?

私は、グアムから日本に帰国した時、非日常を生み出す空間創作ができる仕事をしたい!と思って、ご縁のあった東京の会社へ就職しました。ですが、夢の東京生活!とはならず、2か月も経たずに、名古屋へとんぼ返り。理由は、東京の街の「忙しさ」でした。元々、日本に戻ってきた時点で、その人の多さ、世の中のスピードの速さに圧倒され、帰国初日から1週間は泣いて過ごしていたのを覚えています。でも、島時間から都市時間に慣れるには、それほど時間はかかりませんでした。それでも、東京の持つ「忙しさ」は確実に私からパワーを吸い取ってしまい、いい大人が実家に帰る!と泣きながら母親に告げたことは今思い出しても泣きそうです。

もちろん東京から引き揚げてきたのは、これだけの理由には尽きませんが、確実に、自分の居場所となる環境に、自分が合わなかったのが、決断の要因となったのは確かです。

自分の場所に、自分の住む地域の魅力を見つけること、
もしくは、こうだったらいいのに、だとか、こういう風に変えたらどうかな?だったり。まずは、自分の家の周りから、風景を見出してみてください。興味を持ってよく見てみると、沢山の発見があるはずです^^

文頭に掲載している写真は、私の部屋から見える景色。
オンラインヨガ中に、目線を外に向けたら、赤茶系の建物と緑のコントラストが綺麗だなと思って写真を撮りました。それから、地域分析の為に、日課となりつつある散歩をしている時に気づいたこと。それが、この地域は、赤茶系の建物が多く、統一性があるということ。これが、今ヒントとなって、卒業制作のテーマを深めるきっかけとなりました。もう、この地に住んでかれこれ30年。全然気づかなかった自分にも驚きますが、街には発見が溢れているなぁと実感した体験です。


Keep your head up!
同じ空の下で。

Nagisa





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