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【ベルギー編-3】ヨーロッパ、ビールへの旅
4/15(土) 4日目
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Brouwerij Verhaeghe
4日目。8時の朝食に合わせて起床。絵本に出てきそうな温厚なおばあちゃんが作ってくれる朝ごはんに愛を感じました。元々家族で住んでいた家を使って宿を営んでいるそうです。日本人が来ることなんてないから、なんでこの街に来たの?なんて聞かれたので、「De Rankeに行くためだよ」と言うとちょっと嬉しそうにしていたように感じました。
のんびりと準備をしてから、飲みそびれた大瓶も抱え、再び車で走り出しました。最初の目的地はBrouwerij Verhaeghe。あのフランダースレッドエール界の雄、「DUCHESSE DE BOURGOGNE」を造るブルワリーです。こちらも土曜日は休みとの情報があったので、外観だけでもということで立ち寄りました。さすがと言わんばかりの巨大ブルワリー。中には大型のバレルなどたくさんあるんだろうなー、想像を膨らませました。
その後近くにあった、ボトルショップ「Bierhalle Deconinck」にも寄り道。ビールは1本1~2€程度(150-300円)でした。日本のクラフトビールと比較すると、段違いに安いですね。たんまり買い込みたい気分でしたが、荷物にも限りがあるのでグッと堪えました。次なる目的地への道中、ベルギー式勝鬨橋と遭遇。橋が降りてくるのをじっと待つのは不思議な感じでした。
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Brasserie Dupont
畑の中を1時間ほど車で走り、辿り着いたのは「Brasserie Dupont」。”Saison”と言えば真っ先に思い浮かぶブルワリーでもあるんではないでしょうか。大きなトラクターや、家畜小屋、畑が広がる地域にあってセゾンという言葉の説得力を感じるロケーションにありました。
ここもブルワリーツアーを定期的に行っているのですが、この日は売店の営業のみ。お店ではビールはもちろん、グッズも充実してました。スタッフのお爺さんの1人がトランプやらコースターやらたくさんくれました。すごく笑顔で話しかけてくれるのですが、フランス語なので全く理解できなかったのが残念です。Dupontにはタップルームは無いのですが、すぐ向かいに「La Forge」というカフェがありここでビールを飲むことができます。Google Mapの情報だと休業になっていたのでちょっと心配していたのですが、いざ行ってみたらちゃんとオープンしていて安心しました。
Dupontだし、とりあえずセゾンと言いたいところなのですが実はとても楽しみにしていたビールがあって、それがRédor Pilsです。名前こそ知らず、勝手に”デュポピル”なんて呼んでました。恐らく日本には輸入されてないので、Dupontの中でもマイナーな立ち位置かと思うのですが、これがどういう訳かとても美味しいんですよね。麦の香ばしさと、ホップ苦味と香りのバランスも完璧でまたその温度とグラスの形状からか、いわゆる無限に飲める感じの味わい。
Saison Dupontはドラフト、そしてBons Voeuxは大瓶でいただきました。どちらもフレッシュ感があり、フェノールのニュアンスも強く感じたように思います。
いやあ、ここに来たら絶対この2種で感動すると思ったのですが、やや霞むほどにデュポピルが美味しすぎて。この時もまだお昼頃だったにも関わらず、気づけば5杯ほど飲んですっかり気持ちよくなってしまったのでした。
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Brouwerij 3 Fonteinen
次なる目的地は、「Brouwerij 3 Fonteinen」のブルワリー兼タップルーム。ブリュッセル市内から電車で来ることもできるのですが、帰り際に寄り道しました。このタップルームは2016年にオープンしたということもあり、まだ新しい雰囲気でしたね。
店内には日が差し込み、無垢の木材が優しくその光を受け止めとてもいい空間。ガラス越しにたくさんのバレルも姿をのぞかせ、飲む前からワクワクしてきました。
屋外にもテラス席があり、とても気持ちの良い気候だったので外で飲むことにしました。まずはストレートランビックから。陶器のジャグで入れくれるのですが、バレルルームに汲みに行っていたので、本当にストレートなんだと嬉しくなりましたね。オリジナルのパテ、サラミ、サーディンなどをつまみに、ストレートとグーズの飲み比べなんかしてとても贅沢な気分。天候も相まって天国にいるような気分でした。
バースタッフのロベルトさんという方が日本語で話しかけてくれたのですが、話しを聞くと奥さまが日本人で日本にも数年住んでいたことがあるそう。縁を感じてくれたのか、いつでもブルワリーを案内するから声をかけてねと。ラッキーです!飲んでたビールが開いた頃にお願いしてブルワリーを見学させていただきました。
広々とした空間には、200~300個ほどのバレルが並んでいました。印象的だったのは、その大きさや種類の多さ。Cantillonでは200L程度のワイン用の樽がほどんどだったのですが、ここでは同じく200L程度のワイン樽から、ピルスナーウルケルの樽、ポートワイン樽、そして4000Lクラスの大樽や、フルーツ用に改造された樽などなど。とにかくその種類/数の多さに圧倒されました。バレルごとのキャラクターの違いや、樽内でのフルーツを加えた発酵など一体どれ程のバリエーションが出るのかと今後が楽しみに。またランビックのブルワリーとしては、清潔な空間だったのが印象的でした。
入り口付近に建築模型が置いてあったのですが、これは今後数年に及ぶブルワリーの拡張計画をまとめたもの。バレルが増えるのも容易に想像できますが、最も印象的だったのは瓶詰め後の製品を長期的に保存するスペースを拡張するとのこと。しかも長期というのは20年位(!)のスパンで考えているそうです。今でも10年以上のビンテージなどはタップルームでラインナップされてましたが、1ロットの量はそれ程多くは無さそうでした。ですが、この拡張に伴い10年を超えるビンテージが平然とリストに並ぶような未来が来るのではないでしょうか。もう誰も追いつけない次元に向かおうとしている3 Fonteinen、すでに次に行く時はどうなっているのかと楽しみになったのです。
見学も終わりバーに戻って、締めの1本。この旅でもベストに近い味わいを見せてくれた”PERZIK ROOD”を飲みました。ランビックをベースに桃を漬け込んだ1本なのですが、ベースのビールが持つ柑橘やアプリコットのような味わいに、桃の風味が調和し完成度の高い仕上がりに感動しました。
まだまだ豊富にあるボトルリストに後ろ髪引かれつつも、時間の都合もあったのでブリュッセル市内へと戻ったのでした。
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Brasserie Surrealiste/Delirium Cafe
市内に戻って、ホテルにチェックインしてから再びブリュッセルの街に繰り出します。
まずは、ブリューパブのBrasserie Surrealisteへ。2019年開業のいわゆる”クラフト”的な新しいブルワリーです。これはベルギーについた初日、Moeder Lambicで”Purple Effect”という銘柄と遭遇し、その存在を知りました。ビールの本場、ブリュッセルのクラフトシーンとは一体どんなものなのかと気になり、足を運んだという訳です。
土曜日の夜ということもあってか、店の前に着くと人だかりが。中に入ると100人は軽く超えるお客さんでほぼ満席状態。なんとかカウンターでスペースを確保してもらいビールを飲みました。
Pale AleやGoseに始まりDDH IPAなどがラインナップ。いわゆる今っぽいスタイルですね。ビールの味ですが、10年前の輸入ビールを思い出しました。バランス感も鮮度もかなりレベルが低くがっかり。輸入品ならまだわかりますが、同じ建物内で作ってるはずなんですけどね。そんなことはお構いなく、お店は大繁盛。比較的若い人が多く、ブリュッセルでも話題のスポットという雰囲気でした。内装は凝りに凝っていて、その天井の高さや照明の雰囲気などはとても良い感じでした。調べてみると、築100年近い建物だそうです。こういうのは簡単には真似できないですよね。料理も評判のようでしたが、テーブルでないとオーダーできなかったので、ビールをいくつか試したところでお店を出ました。
次なる目的地はブリュッセルのビールカルチャーの震源地ともいうべきDelirium Cafeへ。
ピンクの象さんでお馴染みのあの店です。日本でも前述のEverbrewの菅原さんによって東京を中心に展開しているので見たことある方も多いのでは。
地下含む3フロアで、それぞれ異なるコンセプトでお店があったり、テキーラなどにフォーカスしたお店などその路地一帯がデリリウムワールドとも言えるこの場所。こちらも土曜日だったからか、凄まじい混雑具合で、渋谷のハロウィン的な異様な雰囲気。屋根裏部屋にある、Hoppy Loftではヨーロッパのクラフトシーンに触れられるかもと期待していましたが、なんとも微妙なラインナップ。
地下のお店は2000種以上のボトルビールの取り扱いがあり、こちらも今はどんな感じなんだろうと覗きに行くともはやフロアにすら入れないほどの混雑具合でした。数年前に訪れた時はもう少しビールを楽しめるような雰囲気だったかと思いましたが、だいぶ様変わりしてしまっていましたね。
前の店での不完全燃焼感もあったので足を運びましたが、ある意味お腹いっぱいになってしまい、ビールも飲まずに退散。
まあ、こんな風に時代の移り変わりを感じられるのも現地に来たからこそ。
少し早めに宿に着いたので、シャワーを浴びて24時頃には就寝したのでした。
つづき
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