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【ベルギー編-4/ドイツ編-1】ヨーロッパ、ビールへの旅

4/16(日) 5日目

In de Verzekering tegen de Grote Dorst

ベルギーで過ごす最後の朝は7時頃には起床して、チェックアウトに向けて荷造りを。9時前には荷物を一度フロントに預けて、バス停に向かいました。
この日はブリュッセル郊外にあるランビックカフェ「In de Verzekering tegen de Grote Dorst」が目的地。和訳すると“ものすごく喉が乾いた時の保険”と言う名のお店。ブリュッセル市内からバスで1時間ほどの郊外にあり、営業時間は毎週日曜日の10時から20時までというなんとも辿り着くハードルの高い店なのですが、ビールの評価サイトRate BeerにてBest Beer Bar in Belgiumを何度も受賞している名店です。
今回はうまいこと日曜日に被ったので、是非行こうと計画時点から楽しみにしていました。
ブリュッセル市内から出発するはずのバスは30分以上来ず、結局Uberで向かいました。10時ちょっと前について少し時間を潰し、オープンと同時に入店。一見するとなんの変哲もないビアカフェなのですが、教会の向かいにあるので、古くから親しまれていたのだろうなということは伝わってきます。
そして、メニューブックを開くとだんだんとこの店の凄さが伝わってくるのです。店主のおじさまも黒板のメニューを丁寧に解説してくれました。黒板には10種類を超えるストレートランビックのリストやメニューに乗り切らない新進気鋭のランビックメーカーのリストなどもありました。再び、メインのメニューブックにに目をやると同じ銘柄の年代違いなどはもちろん、10年を超えるビンテージビールまで。
ここまでくるともはや1種類を選ぶのがとても大変なのです。散々悩み、まずはOrvalの飲み比べを。こちらは7年熟成とありましが、「7年って書いてあるけど、今は10年経ってます」と。せっかくなので現行と並べて飲んでみました。
これまでにも古いものでは20年を超えるChimayなど、ビンテージビールは何度か飲む機会がありましたが個人的には5-6年くらいがピークで10年くらいになるとややピークは超えるというイメージがありました。なんですが、Orval10年は飲んでびっくり!円熟という言葉がぴたりとはまるような素晴らしい熟成を遂げていました。Orvalといえば、ホップの苦味とブレッタノマイセス由来のファンキーな香りが特徴ですが、数年の熟成ではみられないような、ブレッタノマイセスのキャラクターが前面に出ていて、また時間の経過とともに良い意味でホップのキャラクターは枯れていました。現行はまだまだホップのキャラクターが主体で、10年という月日がこうもさせるかと驚きました。
続いて、というかほぼ同時進行で3 fonteinenのGuezeも2012年のものをいただきました。前日にタップルームで飲んだ現行のGeuzeが記憶に新しいですが、こちらもまた素晴らしい熟成を経ていましたね。3 fonteinenがもつキャラクターのそれぞれが厚みをもち、濃厚なのにイヤミの無い酸の味わいなど、素晴らしい仕上がり。
この時点でまだ午前中ですが、俄然テンションも上がってきます。続いて、お店の方にもすすめてもらった比較的新しいランビックのブルワリーBofkuntよりKutfruit Mirrabelを。こちらは黄色いプラムのようなフルーツを使ったもので、ベースのビールの酸味に、果実からくる酸が重なりその相性の良さも感じました。3 fonteineなどと比べるとやや厚みに欠けますが、逆にそのフレッシュな味わいが新鮮でした。
続いて、Cantillon よりOude Lambiek 2012を。こちらもさらりと10年越え。Geuzeではなくストレートランビックなのでよりダイレクトに酒質のポテンシャルを感じられます。10年という月日に負けない、強い個性で流石のCantillonと唸るばかりでした。
お昼になる頃には地元のお客さんやランビック好きが集まり店は大賑わい。ストレートランビックをグラスになみなみと入れて仲間との時間を楽しんでる様子はとても印象的でしたね。
10年を越えるビンテージビールから、新進気鋭のランビックまでとその幅広いラインナップとホスピタリティで店を後にするのが本当に惜しかったですが、電車の予約があったので泣く泣くお店を後にしたのでした。

ドイツへ

なかなかUberが捕まらず、電車の時間ギリギリになるも無事にブリュッセル南駅に到着。5日ほど滞在したベルギーもこの日でおしまい。
陸路でドイツはケルンを目指します。ブリュッセルからは高速鉄道に乗り、3時間程でケルン中央駅に到着しました。
街の雰囲気の変化を感じつつ、メトロに乗ってホテルまで向かい、荷物を置いて再び、ビールを求めて街に繰り出しました。

Brauerei Päffgen

なぜケルンに来たかというと、当然ケルシュビールを飲むためです。中央駅周辺の徒歩圏内だけでも7〜8箇所はブルワリーの直営レストランがあるので飲み歩きをしようというのがこの日の目的。
まずはホテルから一番近くにあったBrauerei Päffgenへ。シンプルな外観ながら中に入ると入り口付近に木の樽が2本。そして次から次へとビールを注いでる姿が!これがケルシュか、と席に着く前から興奮してしまいました。
店内は縦長のビアホールですでにたくさんのお客さんで賑わっていました。
席に着くやいなや、例のトレーにのったビールが運ばれてきます。200mlの容量の縦長のグラス、通称"シュタンゲ"で供されるビールはクイックイッと2口くらいで飲み終えてしまいます。次なるビールは注文せずともすかさず持ってきてくれます。わんこそばならぬ、わんこビールと例えられる事も多いですがまさにその通り。本でしか見たことのない光景に思わずビールもすすみます。
ここでは木樽から注ぐので、ガスは緩めで温度はキンキンというよりかは小慣れた冷たさ。やや藁のような香りや嫌ではない雑味や甘味を感じました。いわゆる、ケルシュ的なフルーティーさはあまり無く一見するとやや苦めなヘレスのような味わい。
お腹も空いていたので3/4メートルソーセージやタルタルなどをつまみにビールを飲みました。
気づいた頃には6杯ほど飲んでいましたが、まだまだ飲める。それほどまでにうまかったのです。
ですが、今日は飲み歩きも大きな目的の一つ、ということで次の1杯をグッとこらえてグラスの上にスッとコースターを被せて次のお店を目指しました。

Gaffel am Dom/FRÜH/Mühlen Kölsch


ほろ酔い気分で街を歩いていると、遠くにケルン大聖堂が見えてきました。駅を降りると目の前にあるよなんて言われてましたが、反対側に降りてたようで大聖堂の存在すらすっかり忘れていました。
大聖堂付近に点在しているお店を目指し、まず立ち寄ったのがGaffel am Domです。
あのMikkelerがコラボをしていたこともあり名前には馴染みがありました。お店は割と新しめで、広い店内ではサッカーの観戦も。ドイツらしく熱いサポーター人がビール片手に盛り上がっていました。
近代的なサーバーから注がれるケルシュはクリーンで華やかで、やや甘味のある味わい。
これが、意外とすすみません。前の店で飲みすぎたのもあるかもしれませんが、同じケルシュでこうも違うかと。
実のところを言うと、個人的にそんなにケルシュって好きじゃないんですよね。フルーティーさと独特の酸味がややしつこく感じてしまうのです。
1杯飲んだだけだとわからない事もあるので、3杯飲んでみましたがイマイチはまらず退店。
続いて、すぐ近くにあるFRÜHへと向かいました。ケルシュの代名詞的存在でもあるブルワリーで大聖堂の近くに位置し、お土産さんなども併設されていました。味わいの方はいわゆる"ケルシュ"な感じ。Gaffelともやや近いですが、もう少し軽さがありました。2杯飲みましたが、こちらも意外とすすまず。好みの問題もありそうですが、ケルシュ難しいです。
そのあとDomに向かいましたがこちらは営業時間外、ホテルへの帰り道にあったMühlen Kölschにも行きましたがこちらは1杯で退店。薄くて酸っぱくて、なんだかなという味わいでした。
不完全燃焼感を抱きながら、やっぱり美味しかったBrauerei Päffgenを再訪するもすでに閉店。仕方なしに売店でHellesやPilsを買いこんで、部屋飲みで気持ちを落ち着かせてから、1時頃に眠りについたのでした。

つづき

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