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保険のおはなし

Twitterに流れてきたある話を読んで、思ったことを書きます。
ある、がんサバイバーとして有名なカメラマンの方の投稿でした。
ざっくり言うと、がん保険は必要ない、NISAで充分なのではないか・・・という論調でした。ふむ、よく聞く考えでもありますね。そこであらためて考えてみました。

保険に関しては、ひとそれぞれの考えがあり、どれが正解とか間違いというものではないと思っています。
資力のある人は、生命保険なんてかけなくても医療費を現預金で払えばいいのです。実際に上場会社の役員をリタイアされた方で一切医療保険はかけていないというひとも知っています。ただ、若い頃はそれなりにかけていたようで、その時々の個々の事情によっても考えは変わってくるでしょう。

ファイナンシャルプランナーとしてメリットデメリットの点から言うと、無理して高い保険料を払う必要はないと思います。保険はかけた以上に返ってくるリターンの確率はとても低いです。
ただ、学齢期の子供がいる人は文字通り保険としてかけておくといいかも知れません。昔は生命保険というと死亡したときに出る終身保険に入院したときの医療特約を付けるというのが一般的なかけ方でしたが、今は生前給付といって病気をした時の闘病資金や、一時的な収入ダウンの備えとして一時金を受け取る保険が一般的になっています。
ちなみにがん保険の一時金に関していえば、今は三大疾病保険として扱われることが多くなっています。がんのみをカバーするかけ方は少し古いかも知れません。

医療技術は日進月歩で進化しています。
例えば、がんと告知されることは非常にショッキングな出来事ですが、今は部位にもよりますが、がんに罹患してもすぐ死んでしまうようなことは少なくなってきていて、半年なり1年なり集中的な治療をした上で、社会復帰できる病気になっています。
ということで、実際に病気になったときにかかる費用+収入ダウンするかも知れない場合の補填を念頭に置いて考えておくといいと思います。
高額療養費制度はもちろんありますが、その限度額までの数万円は自分で払うわけなので抗がん剤治療が半年ほど続くと結構な負担になることもあります。
会社によっては付加給付があったり、傷病休暇の取得などによりお給料はある程度保障されるところもあるでしょう。
個人の事情によってケースバイケースなので、そこは自分が病気になったときにどんな制度があるのか調べておくといいと思います。

また、生命保険に加入はしているけれど長年見直しせずにずっと更新だけしているひとも、内容をチェックしておくといいです。
医療技術の進歩により保険の保障内容も随時見直されています。加入している保険の内容が古くなっていることもあるので、同じ保険料を払うなら今の医療に合わせた内容になっているか確認しましょう。

病気にはいつなるか、それともならないか。誰にもわかりません。
個人的にはがん保険(三大疾病保険)は、親族にがん罹患者がいるなら少額でも入っておいた方がいいかなと思います。一時金100~200万でもあるといざというときに気持ちの余裕があります。
貯蓄との比較は基本的にナンセンスです。
毎月1万ずつ貯蓄をして、そのお金をずっと手付かずのまま取っておけるマネージメント能力の高いひとは別ですが、そんなひとはなかなかいませんよね。また、積み立てを始めて1年で罹患したら、12万しかありません。その場合はどうなる?そういう話です。

かくいう私は父を胃がんで亡くしており、病気になるとしたらがんかな・・・とぼんやり思っていましたが、医療保険のみの加入でいわゆるがん保険には入っていませんでした。告知されてから、アフラックのCMがやたらと目につきました。実感として、100万くらい一時金があったら気持ちが楽だったかなと思います。別に困りはしませんでしたが。(笑)

日本の国民皆保険制度はとても優秀で、誰でも等しく水準の高い医療が受けられます。それは紛れもない事実。ただ、余裕があれがエクストラの保険に入っていれば、入院時に個室を選べたりお金の心配をせずに済む。それだけのことです。

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