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共同体内企業(社会問題解決AIの結論18)

※ ここは途中のページです。まだの人は最初から読んでください。

一郎
パン屋さんの例から、小売業の様子がイメージできたよ。
もっと他の人とおしゃべりしたいな。

AI
理解が深まったようで何よりです。
では、昨年就職したばかりの若い女性と話していただきましょうか?

一郎
今回も人工知能のイタコだね。

AI
はい。

共同体内企業

AI
では、雨宮千鶴子さんとお話していただきます。
共同体での若者の暮らしぶりや共同体内企業について学んでいただければと思います。

一郎
よろしくお願いします。
自己紹介からお願いできればと思います。

雨宮
共同体内企業に昨年から勤めている雨宮です。
何でも遠慮なく聞いてくださいね。

一郎
共同体内企業というのは何ですか?

雨宮
共同体で物やサービスの売り買いも個人単位ではできることに限界があります。
共同体での声を聞いた時「冠婚葬祭にまつわる費用が高すぎる。何とかならないか」という声が多く寄せられました。
資本主義下でも、1〜2割ぐらいの人は経済的理由などから、葬式を出さないそうです。
特に、都市部はその割合が高いと聞きました。
そこで、共同体内で企業として葬儀社を立ち上げ、そこに昨年就職したということです。

一郎
共同体内での企業ということですが、そのあたりを詳しく聞かせてください。

雨宮
共同体の存在意義は助け合いをするためです。
助け合いには、公助・共助・自助があると言われます。
公助とは、国や行政に助けてもらうことです。
政府、市区町村、消防、警察、自衛隊が提供する災害対策のサポートや治安の維持なども公助です。生活保護もこれにあたるでしょう。
共助とは、住民など人と人とがお互いに助け合うことです。
自助とは、自分の力で何とかすることです。

自助には限界があり、特に社会的に弱い人にこれを求めるのは難しいです。
公助にも限界もあります。
税金を納める対価として公助を受ける権利があるとも言えますが、財政的に困難なものもありますし、市町村単位で大きく網をかぶせるようなところもあり、個人の状況にぴったりと合うきめ細かいものは望めないようです。
共同体は共助の部類になりますが、共助は助け合いなので、最も伸びしろがありますし、きめ細かいサービスが提供されやすいです。
その共助を促進するのが、ポイント通貨であり、ポイント通貨で結びついた後は、互いに物々交換でもいいのです。

一郎
共同体内企業の葬儀屋さんと資本主義下の葬儀屋さんとの違いは何でしょう?

雨宮
分かりやすいのは価格です。
圧倒的に共同体内の葬儀屋の方が安いです。

一郎
それは今まで学んだことで僕にも分かりそうです。
資本主義下の葬儀屋さんは人件費がすごく高いです。
1人スタッフさんを増やした時の金額の跳ね上がり方にびっくりしたことがあります。
でも、その差額をそのスタッフが全額受け取るのでもなく、それには管理職や株主の取り分、広告宣伝費、法人税などが含まれているということですね。
共同体の葬儀屋さんなら、大雑把に言えばスタッフさん1人を増やしてもらうには、自分が同じ時間分ぐらい共同体内で働いた分のポイントを支払うぐらいで大丈夫ということですよね。

雨宮
はい。そうです。
たいした働きもしないのに、既得権益のように利益を貪(むさぼ)る人がいない分だけお得です。
共同体内企業では企業間の顧客の奪い合いもありませんし、たまにしか使わない機材などは共同で購入するなどして、共同体内の視点で見て、無駄がないようにしています。

一郎
職場環境もいいですか?

雨宮
もちろんです。
売上ノルマのようなものもありませんし、それにまつわる接待などもありません。
高価な接待料は結局お客さんが支払うことになるので、それによるサービス価格の高騰も資本主義下ではありますね。

一郎
利用できるのは共同体メンバーだけですか?

雨宮
いえ。メンバーでなくても、大丈夫です。
もちろん、その場合は日本円で代金をお支払いいただくことになります。
それでも、一般の葬儀屋さんの価格よりずっと安いので、利用される方も少なくないです。
共同体としても、まだ黎明期なので、日本円の収入はありがたいので、事務局の人も喜びます。
事務局に言わせるといろいろと計画もあるようですよ。

とはいえ、共同体に入るのに費用はかからないので、この機会にメンバーになる人も少なくないようです。

一郎
一般の葬儀屋さんと比べてサービス面ではどうですか?

雨宮
新規参入なので、当初は心配されましたが、一般の葬儀屋でありがちな、より高いプランを勧めてくるというお金の匂いがしなくていいと言われます。
それに、助け合いの精神があるので、とても自然で心地よかったとお褒めいただきます。

一郎
たしかに葬儀屋さんの価格表を見るとびっくりするよね。
それに、聞いた話では、葬儀屋さんも高級住宅街からのお客さんとそうでないお客さんでは、見せる料金表が違うらしいね。
同じ祭壇でも、高級住宅街の住所を書いた人には高い料金表を見せるらしいよ。

雨宮
それは知りませんが、資本主義下ではありそうなことですね。
資本主義下で税の申告はいくら利益があったかだけが判断基準のようです。
一生懸命人のために尽くして得た100万円の利益なのか、濡れ手で粟のように、ぼったくりで稼いだ100万円なのかは全く査定されません。
経済学では自由競争のしくみでとか、需要と供給のバランスでとかで、価格は適切に決まるはずだと言われているようですが、葬儀屋さんの価格がぼったくりだと感じる人は少なくないようですね。

一郎
既得権益を持つ人たちは自由競争にならないように、新規参入にはすごく抵抗するみたいだね。

雨宮
そうした苦労話は先輩から聞きました。
でも、そういった抵抗や妨害を乗り越えて、今があります。

生体社会では税が自動徴収されますが、価格の決め方に対しても、事務局からの指導が入ることもあるそうです。
もちろん、共同体内の企業も自由競争なので、自由に価格を決められますが、あまりに常識を逸脱した価格に対してはメンバーからの意見を聞いたり、共同体内企業の職員から聴き取りをしたりして、適切な指導をするようです。

一郎
資本主義下にも公定価格のように、自由市場経済の中で決められた価格とは違った価格が提示されることもあるから、そんなにおかしなことではないと思うよ。

雨宮
資本主義の方が値段にシビアな気がします。
主婦とか、大根1本の値段にもシビアで、「A商店よりB商店の方が10円安かった」みたいな話をしたり、少々遠くても、10円安いお店に買いに行ったりしますが、共同体ではポイントにシビアな人はあまりいません。
そうしてみると、共同体に入って以降、お金の呪縛から解放された気がします。

一郎
うらやましいね。
共同体内の企業について、もう少し聞きたいんだけど。

雨宮
生体社会論では、お金は血液の働きをして、人々は細胞にあたります。
細胞が集まって臓器となって、人体に必要な働きをしますが、その臓器にあたるのが共同体内での企業です。
人体が血液をすみずみの細胞にまで血液を行き渡らせることによって、すべての細胞を生かし、細胞は集まって臓器や器官となって、人体を生かすという姿を実社会に展開したものが私たちの共同体です。

一郎
なるほど。
前にも聞いたけどとてもうまくできてるね。
完璧な理論だね。

雨宮
共同体内での企業が増え、資本主義社会に頼らなくてもできることが増えれば増えるほど、日本円からの脱却が進みます。

一郎
それがさらに進むと、お金持ちは困るだろうね。
金持ち国と庶民国の逆転が起こりそうだ。

雨宮
「そうした社会変革に自分が携わっているんだ」と思えるから、仕事にやりがいを感じています。
それは私だけではありません。



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所有権より利用権(社会問題解決AIの結論19)

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