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木村花さん、RIP。いま、Witch Huntを憂う。ネットに感情揺り動かされて行動変容させられる恐怖と監視社会への懸念。



人気女性プロレスラーの
木村花さんが亡くなられました。

謹んでご冥福をお祈りいたします。

まだ二十代のお嬢様を失ったご家族の
ご心中をお察しすると、心が痛みます。

木村花さん死亡の原因を巡って、メディア界隈が
騒然となっています。

SNSでは、誰の発言のせいだとか
犯人探しが始まり、
マスコミも取り上げています。

花さんを不幸な決断に追い込んだ者の
責任は問われるべきと思います。

ただ、だからと言って感情の昂りのままに
周囲がネット上で私刑(リンチ)のようなことを
して良いはずがありません。

事実の調査と認定は捜査のプロである
公的機関に任せて、裁かれるべきひとがいるなら
法のもとに裁かれるべきです。

そして、

それが正しく行われるように私たちは
見守る必要があります。

個人のネット監視を強化する方向に行きすぎると
ジョージ・オーウェルの描いた
「1984」の世界へと向かってしまう恐れがあります。

ネット上の敵意に煽られた行動は
結局私たち自身へと刃が向けられる
可能性があることを認識しなければなりません。


この状況で思い浮かぶのは
昨年メキシコで起きた事件のニュースです。

SSC NEWS JAPAN:【フェイクニュースを超えて】 SNSのうわさのせいで焼き殺され、メキシコの小さな町で

メキシコの小さな町アカトランで、子供を誘拐した人間がいるという噂がメッセージ・アプリ「ワッツアップ」で広まった。噂は作り話だったのだが、誰も真偽を確認せず、興奮した群集が男性2人を焼き殺してしまった。

という凄惨な事件です。


しかも、この事件の翌日、メキシコ南部オアハカ州の住人たちが、誤って児童誘拐犯と糾弾された塗装工7人をリンチしようとした。この日は警官が塗装工らを救出することができた。
しかし同じ日、中部イダルゴ州では、アカトランの凄惨な事件が繰り返されてしまった。2人の無実の男性が児童誘拐犯だと責められ、殴られ、焼き殺された。

被害者の母親マリアさんは後に、「遺体が焼け焦げて残されていたのと同じ場所にいるのはとても心が痛かった」と話してくれた。
「すべてはうわさと、うわさに我を失った人たちのせいで起きた」


フェイクニュースを流した人間が許されるべきではない。

では、

裏付けのない情報を拡散した人たちは、どうなのでしょうか❓

そして、

拡散した情報を真実と思い込んで、間違った行動をした群衆は❓


感情のままに行動すると、とんでもない結末を招いてしまうのです。


今回の木村花さんに関する報道では
哀悼の意を共有すべきと思います。


ただ、犯人探しが加熱して、あたかも、
中世の魔女狩りのようになるのは避けねばなりません。


不幸の負の連鎖は起こしてはなりません。


マスコミも、SNSも
煽りこそすれ、責任はとらないし、とれません。


裏付けに基づいた捜査は、警察などの操作のプロに任せるべきだし

法治国家で、私刑(リンチ)は許されません。


日本以外の国でも、リアリティーを売りにした
バラエティ番組出演者が亡くなる事例が
30を超えているというニュースがありました。

そうした番組はフィクションよりも、
視聴者がのめり込み易いのかもしれません。

リアリティーを謳っているので
自分の価値観と違うと感じた時には
本人の人格まで否定する方向に走りがちです。

しかし、そこには視聴率競争の中で
番組を作る側の意図や、編集による演出が
多分に含まれていることを、
視聴側は忘れずに認識する必要があります。

出演者の生の姿ではなくて、
日常から切り取られた、演出であり
あくまでもテレビショーだということを
忘れてはならないのです。



木村花さん、Rest in Peace...





動画版はこちら。





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