Al Kooper(アル・クーパー)、スティーブン・キングとバンドを組んだ男
『IT』『シャイニング』『スタンド・バイ・ミー』『グリーン・マイル』、映画・原作ともに一度は耳にしたことのある小説だろう。
そう、モダン・ホラーの巨匠スティーブン・キングの作品である。彼の作品は言わずと知れた名作ばかりであるが、そんな彼がバンドを組んでいたとはどれほどの人が知っているだろうか?
そのバンドの名は「The Rock Bottom Remainders」。90年代の初め一回こっきりの企画で生まれたバンドであったそうだが本人曰くあまりに楽しすぎてグループが解散しなかったとか。
スティーブン・キング本人が出演する動画もYouTubeに上がっているため気になる方は是非チェックしてほしい。
・The Rock Bottom RemaindersのHP
・スティーブン・キングが歌う様子@The Rock Bottom Remainders(YouTubeより)
話が逸れてしまったが、本題に戻ろう。前述のThe Rock Bottom Remaindersにスティーブン・キングと共に所属していたのが今回の主役Al Kooper(アル・クーパー)である。
Al Kooper(アル・クーパー)について
彼はアメリア、ニューヨーク生まれのミュージシャンで主にギターや鍵盤を得意とする。ブルースロックや、フォークソングなど数々の作品の制作に参加しており、彼自身の作品も多くの作品を世に出している。
今回はAl Kooper自身の作品や参加してきたアルバム・楽曲を紹介していく。
Bob Dylan(ボブ・ディラン)『Like a Rolling Stone』レコーディングへの参加
『Like a Rolling Stone』は1965年6月に「Highway 61 Revisited(追憶のハイウェイ61)」に収録され、半世紀以上経った今なお聴かれ続けるボブ・ディランの代名詞といってもいい名曲である。
Al Kooperの名もこの作品によって世に知れ渡ったといっても過言ではない。1965年6月ニューヨークにて行われたレコーディングにクーパーは見学のためにスタジオに入っていた。
『Like a Rolling Stone』の収録の際にその場でオルガンでの演奏を提案され、飛び入りでセッションに参加した。
このレコーディングで、アルバム収録にギターで参加していたマイク・ブルームフィールドと出会い、後に共同でアルバムを作成するなど親交を深めていく。
Jimi Hendrix(ジミ・ヘンドリックス)とのセッション
1967年6月に「モントレー・ポップ・フェスティバル」に単独で参加。この頃からジミとの交流も始まっており、後に『Electric Ladyland』レコーディングにも参加している。
1967年6月「モントレー・ポップ・フェスティバル」にてドラムを叩くジミとのぞき込むクーパーの写真
『Electric Ladyland』
1968年4月、ニューヨークで行われたジミ・ヘンドリックスのジャムセッションに参加し『Like a Rolling Stone』をオルガンで演奏している。
4月2日。ボブ・ディランの曲『Like a Rolling Stone』を演奏したミュージシャンは、ジミ・ヘンドリックス、エリック・オクセンディン、B・B・キング、ミッチ・ミッチェル、アル・クーパーの5人である。
Al Kooper(アル・クーパー)のディスコグラフィー
自身の作品の他にも様々なアーティストのレコーディングに参加しているクーパーだが、ここでは私のお気に入りの一作を紹介する。
『Naked Songs』Al Kooper(コロムビア・レコード)
1973年発表の『Naked Songs』に収録されたJolie。日本でも人気を博した作品となっており、哀愁漂うキーボードのイントロとメロディーが非常に印象的な一曲。
作品名のジョリーとは当時熱愛関係にあったクインシー・ジョーンズの娘、ジョリー・ジョーンズのことだとか。
今回は、あのスティーブンキングともバンドを組み、名曲の制作に携わり世に送りだしたAl Kooper(アル・クーパー)についてまとめた。
紹介できていないセッションアルバムやクーパー自身の作品も非常に多く気になった方は是非聴いてみてほしい。
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